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大人C
2024年1月30日 23:39
高い塔から座ったまま降りてくるのが人でなかったとしてそれでも白髪に混じる微笑みのような教え子たち海辺にダサいルージュ振り向きざま飛行機たちの墓場に向かった死が迫るすべてのゾンビたちはやがて両想いになる縦に並んだまま嫌われろ絵文字が綺麗に翻訳されればいつか誰にでも通じる涙となる
2023年2月5日 21:18
初めから決まっていた僕の世界は答えがないものに近づくことをやめたイヤホンの白いコードから僕の中を思い出がくり返し巡る間違っていた奇跡の日々の切り抜き聞こえるはずのないリズムを刻む無理だよ片目を瞑りつづけてもどうせ時間は戻らない僕はもっと強くなる初めからすべて決まっていた
2022年12月18日 17:58
私が人より少し変わっているせいもあるかもしれないけど、私には常識はずれなところがあるし人と同じことをしたり物事をよく知りもしないで悪く言ったりすることが嫌い。だからきっと詩を書いたり出会い系サイトをつかってる。別にそのことについて何とも思わない。世の中の人はよく知らないことは怖いから「出会い系サイト」って聞くとすぐに危険な目にあうとかって出会い系サイトの悪口を言う。私はもうそこがどんな場所かを
2022年11月6日 19:05
似合わない色の服を着てみた。どうして今日に限ってそんなことをしようとしたのか覚えてない。この服を選んだのが私なのかさえ疑わしい。「目をそらそないで。目をそらさないで。目をそらさないで」夢のなかで言われたのだと言い聞かせながら夜明けの街を歩いてる。最後に主人公がビルから飛び降りる映画があってそこでは「open your eyes」というセリフがくり返されていた。目を覚ましてと目をそらさないでは夢のな
2022年11月2日 19:00
一時間前の時間が今日の中でいかに大切だったことに気がつく。一日の終わり。大切な思い出になるはずだった入浴剤。二十分。剃刀と曇りガラスと色のついた石鹸。スマホを持ち込むことに抵抗がなくなったのにはどんな理由があったのだろう。打ち込みたい文字を考えながら流し目で見る動画。昨日よりも前の日々について考える。未来はたったの一日先のこと。一億回再生された動画の再生ボタンを誰にも見られずにそっと押す。
2022年10月30日 18:02
何かが頭をよぎった気がするまだよぎったばかりで後ろ姿がうっすらと見えている薄暗い朝の食卓のテーブルに置き去りにされた塩みたいもしあれがアイデアというものなら紙に書けば捕まえることもできるだろうただの大きな大きな黒い鳥だと言うのなら黙って見送ることにしようもしかすると、おふくろの味それならまたお盆を待てばいい右折をする素振りを見せているあいだにとりあえず日記に書い
2022年10月25日 21:04
もうひとつの方のあらましが聞きたいと言うからもうひとつ目もふたつ目もないけど考えうる別のあらましを話してみるするとやっぱりそこじゃない、と言うながい籤が外れたみたいに あらましを静かに戻して復活するのを待つあくせくしてもしょうがない母親の寝ぐせを見てはいけない日があるそこの部分だと言ったけどどこのあらましだったのかちっともわからない
2022年10月23日 16:15
なんとなく嫌な気持ちだったのはそれを隠していたからだろう生まれてこのかた本音だったことがない目を伏せなくったっていいヒトが笑顔をつくり続けないのはその方が本心だからだろう?楽園があると信じているそれは記憶からくるものなのか幻想からくるものなのかわからない楽園じゃない場所にいるのが今でわたしは私を盲目にする物語の入口を探している何度も出口と入口を間違えて戻れない場所にた
2022年10月19日 21:05
家のなかって歩いてるのかな歩くってのはもっと別の場所から別の場所へ移動することな気がする家のなかは移動してるんじゃなくてすり減らしてるんだよ棚とか壁はそうして古びていくそれは私のせいというところもあって身長も顔の形も大きく変わらないし同じような通り抜けかたをするからなんだろうな糸口はもっと大きくした方がいいよってあなたは言う
2022年10月17日 22:58
夜遅くに家に着く。家の明かりがすべて消えているから少しだけ散歩する。あたりの家の二階の窓から常夜灯の明かりが見える。まだ起きてる人がいることに安心する。人は生まれながらにして人を欲しがる中毒なんだ自覚症状がまるでない見上げると月。息を思いっきり吸い込むと少しだけ月の匂いがする。聞きたいことを上手に聞くにはどうしたらいいのだろう。聞き上手というのではそれは聞けな
2022年10月15日 20:00
初めてみる学校の校庭イベントの後はいつも離れがたく皆なかなか帰ろうとしないけれどその集まり方はよく知らない知らないけれど一人で帰って自分がいなくなったあと何かあったんじゃないかと思うそのことはよく知っているきっとそう思ってる子が校庭から離れられないでいるこんな特別な日がどうして特別な日にならないのだろういつもと同じように夕方になる家に着いてからのうたた寝夢のなかで
2022年10月14日 07:21
わたしは人の言葉に惹き込まれる癖があって、気がつくとよくその人の世界に入り込んでいることがある。それは夢のようでもあるし物語のようでもあるし現実のようでもあるけど、要するに何だっていいのだ。それが、三つのうちのどれかなんてよくわからない。このあいだもある人と話していたら、少しづつ景色が溶けていって、わたしはその人の世界にすっかり入り込んでいた。するとその人のもう一人が私の隣に座って「あ
2022年10月9日 20:50
今日は懐かしい近道を通った。懐かしすぎて、その近道はどこからどこへ着くのかを早くしてくれる道なのかはすっかり忘れてしまっていた。ただ遠くに見える山々との距離感とか道沿いに並んでいる畑の野菜の出来栄えがいつも通る道よりも目的地に近づいてるのを早い気分にさせてくれていた。僕は待ち合わせ場所に向かっている相手にラインをした。「よく覚えてない近道を通ってるから少しだけ早く着くかもしれない」そう言うと「
2022年10月11日 16:00
もともとは誰宛でもない日記だったから真夜中の郵便夫に頼むことにしたんだ彼、きっと朝方までそこらじゅうをふらふらほっつき歩くのだろうね深夜便の切手を貼ったからきっと眠りから起こさないように君の郵便ポストに落としてくれるんだと思うでもその日記は朝陽と君に弱いからな早朝には消えてしまうかもしれないから何を書いたかを教えておくねおはようとだけ鉛筆で書いてあるんだ