ありがとう ぼくのワンダフルな12年と11ケ月~天国からのメッセージ~ ②
この物語は脳炎という病気にかかってしまったクリームとしんペー家族の闘病生活を書いたものです。ペットを飼っている方に何か感じてもらえると嬉しいなと思います。
一気に全部書いてしまうと長くなるので、1章ずつ話を書いていきますね。
では、今回は「ペットショップへお引越し」です。
楽しんでください(∩´∀`)∩
前回の記事「お母さんとの別れ」はこちら
ペットショップへお引越し
今考えると、あの日ぼくは愛知県からはるばる兵庫県姫路市のペットショップまで車で大移動していたんだと思われる。
そうこうしているうちに今度はペットショップの人に両手で大事そうに抱き上げられ、台の上にのせられた。
そして、なにやらあっちこっち身体検査のようにさわられ、それが終わると透明のケースの中にそーっと入れられたんだ。
「うわーっ!!明るいなぁー。なんかいっぱい知らない人が見えるぞ。みんなニコニコしてるー。ここはいったいどこなんだろう?」ぼくの頭はハテナマークだらけだった。
ようやく周りの雰囲気を見て落ち着いたところ、ふっと我にかえって思い出したんだ。
「お母さんがいない!!」ぼくは急に不安になった。
「お母さん!お母さん!!どこにいるの??」ケースの中を見わたしてみてもお母さんはどこにもいない。兄弟たちもいない。
「なんでぼく一人なの??」泣きそうになった。
だけど、そのうちぼくと同じようにお母さんや兄弟から離れ離れになってここへきたワンちゃんたちがいることを知り、お友達もできたんだ。だから寂しさはだんだんと紛れていった。
そして誰かは知らないけれど、ケースをのぞきこんでぼくの顔を見てニコニコ嬉しそうに笑ってくれたり、ケースを指でチョンチョンたたいて話しかけてくれたり…そうやっていろんな人が次々と近づいてきてくれるので、それを見ているだけでも楽しくなっていった。
でもね、夜になると誰もいなくなり、電気も消えてひっそり…
この瞬間から急に淋しくなってくる。
そして、お母さんの温もりが恋しくなるんだ。あのふわふわしたやわらかい毛、甘いおっぱいの香りに優しいまなざし…
ぼくはそーっと目をつぶってお母さんを想像してみた。すると、あったかいお母さんの体に包まれたような気分になる。
気がつくと、手がムニムニと動いていた。つい数時間前まで一緒にいて甘えていたのに…なんだか遠い記憶のような気がした。
「お母さん…お母さん…」そうつぶやきながら、いつの間にか眠りについていた。
ペットショップへお引越しはここまでです。
次回は「運命の出会い」です。
出来るだけ早めに掲載しますのでお待ちください!
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