島津保次郎監督「春琴抄・お琴と佐助」。原作:谷崎潤一郎。主演:田中絹代。高田高吉。

田中絹代の生涯を追ったドキュメント「花も嵐も」(文春文庫)を読んでいたら、この映画が登場しました。
撮影中、田中絹代は家に帰ってからも「目をつむって生活」をして、
盲目の春琴に成りきったそうです。
三味線も偉いお師匠さん(その人も視覚障害者だったとか)について、
厳しい特訓を受けたらしい。
まさに迫真の演技。

ただ、原作の谷崎潤一郎が撮影現場に見学に来て、「ヒロインは田中絹代じゃないだろ。ミスキャストだ」と暴言を吐き、絹代はいっときは激しく傷ついた。
が「負けるものか。原作を越えてやる!」と燃えた。

映画の舞台は田中絹代が小学生時代に暮らした大阪の天王寺あたり。
絹代の関西弁は下関なまりはあるものの見事なエロキューション。
大阪・本町言葉を巧みにしゃべっている。
関西人の私が聴いても違和感がない。
素晴らしい。

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