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漫画キングダムから学ぶ会社経営 #40:出世と独立

本記事は、「漫画キングダムから学ぶ会社経営」と題し、毎回、様々な視点から漫画キングダムとビジネス(特に経営)での共通点及びそこから得られる学びについてまとめていきます。今回は40回目の記事になります、過去の投稿はこちらからご覧ください。(各記事は基本的に、キングダム最新巻までのネタバレを含みますのでご了承ください。)

前回#39では「老将の重みという老害」についてまとめました。超高齢化社会に突入している日本において、老害とならない(呼ばれない)ように、張唐将軍を例にまとめましたので、まだお読みでない方は、こちらのリンクよりご確認ください。

さて、今回は、野心のあるビジネスマンであれば、必ず直面するテーマである、「出世と独立」について、キングダムを例に考えたいと思います。

今でこそ、在学中や、就職をせずに会社を立ち上げるというアントレプレナー(起業家)は日本にも多く出てきましたが、それこそ、10‐20年前までは、就職して出世する(転職も含む)のが、一般的な日本人の成功例でした。その為には、まずは優れた会社に入る為に、偏差値の高い大学に入学する。という理屈で、大学受験が人生の全てだ!という社会的風潮がありました。実際、私もその世代です。それが、ITの発達やグローバル化により、シリコンバレーのような成功者の例が多くみられるようになり、日本でも独立・起業して、成功するのが、新たな道として、野心のある若者が目指す方向になりました。

何が正解かは、その人の人生観や、目標によるので、一概には言えませんが、多くの選択肢が存在するのは、非常に良い事です。

キングダムの舞台である春秋戦国時代では、王様が絶対の王国時代で、かつ、自身の組織やボスに一生仕えるが一般的でした。少なくとも、漫画キングダムではそのように見受けられます。自由の利かない堅苦しい時代であったとも言えますし、だからこそ史実には、謀反や、裏切り行為というのも多く存在したのも事実です。「#32: 自分に合った組織を見つける」でもまとめましたが、謀反ではなく、組織間の移動(現代的に言うと、転職)ですら、珍しい行動でした。それこそ、昭和の企業体系と非常に似ております。

しかし、キングダムには、時代を先取りしすぎた将軍が出ています。それは、王翦将軍です。

王翦将軍はご存じの通り、先の鄴攻めにおいて、あの李牧に勝ち、今後秦の中華統一に欠かせない将軍の一人です。しかし、王翦将軍は昭王時代から才能はあれど、自身が王になりたいと言う危険思想の為、日の出を浴びず、いわゆる窓際に追い込まれていました。これだけ聞くと、確かに、謀反を起こしそうで、活躍の場を与えたくなかった昭王の気持ちもわかりますが、漫画キングダム56巻の李牧との口論において、秦国を乗っ取るというよりは、自身で国を立ち上げたいという考えだとわかりました。つまり、これは今でいう「独立・起業」の思考になります。もちろん、あの時代において、そのような考えは、一般的ではなく、変わった将軍のレッテルは貼られるでしょう。自分が成り上がる為の裏切りや謀反というのは、よくありませんし、裁かれるべき案件ではありますが、この王翦将軍の思考というのは、時代が追い付いていれば、賞賛されるべき考えであると言えます。固定観念に囚われず、自身の目指す方向性がはっきりしており、優秀な人間をスカウトして、組織を固める。ビジネスにおいては成功する人の条件を満たしています。今後、キングダム内で、王翦将軍はどのように描かれるかわかりませんが、史実の活躍からすると、作者の原先生も王翦将軍の思考にはある意味で賛成するとことがあるのではないでしょうか。

王せん 3

ビジネスにおいて、各人の成功の定義は人それぞれです。しかし、同じ会社の同じ組織で胡坐をかいている人程、王翦将軍のような人は苦手だと思います。皆さんにとって、自分の仕事観や、会社の位置づけ、人生の目標における仕事の役割、など、今一度、考え、行動してみてはいかがでしょうか?自分の人生は自分で決めるものです。王翦将軍までいかなくても、やれる事はたくさんあるはずです。

それでは、また次回。

注)写真はすべて漫画キングダムより引用

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