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漫画キングダムから学ぶ会社経営 #32:自分に合った組織を見つける

本記事は、「漫画キングダムから学ぶ会社経営」と題し、毎回、様々な視点から漫画キングダムとビジネス(特に経営)での共通点及びそこから得られる学びについてまとめていきます。今回は32回目の記事になります、過去の投稿はこちらからご覧ください。

前回、「#31:戦えない軍師の強み」というテーマで、最終的には組織運営の話にもなりましたが、折角組織運営の話が出たので、今回は各軍隊における「組織の違いと特色」について現代ビジネス組織と照らし合わせて考察し、「自分に合った組織」とは何かを考えます。

キングダム内、特に秦国では、各兵隊は、2つのパターンで戦場に繰り出す事になります。
1)各戦において、国が人材募集をかけ、それ(期間や報酬など)に同意した人がその戦に出向き、単発でその戦のみを終えたら解散。になります。これは現代で言う派遣社員や、単発のバイト、フリーランスの仕事に近いかと思います。
2)各軍隊に属し、その軍隊と共に行動し、その軍隊の意思に従って戦うケース。これは、現代で言うところの、サラリーマン、正社員として、会社組織に属する事とほぼ同ケースです。

例えば、古参の飛信隊員の多くは、上記1)を経て、信の初陣となった蛇甘平原で信という隊長に惹かれ、飛信隊という組織の一員となっております。逆に、最近入隊した飛信隊員の多くは、1)を経ず、飛信隊に入ることが目的となり、いきなり2)で飛信隊員として、選抜試験を受け、訓練を受け、戦場に出ています。現代で言うと、当初の飛信隊は勢いのあるベンチャー企業で、学歴はないけども、個性豊かな創業メンバーと共にビジネスを始め、みるみるうちに大きくなり、とうとう上場企業となりました。その勢いと、活躍できる場、フラットな職場関係が巷で話題となり、今では、難関な就職試験を突破しないと飛信隊員にはなれない状況。という、現代ではいかにもありがちな成功したベンチャー企業と類似します。また、桓騎軍も、ユニークな組織形態になります。元々は小さな夜盗集団を一つずつ束ねて、桓騎軍を作り上げた桓騎将軍は、現代で言うと、自社と似たようなスモールビジネスを買収し続け、今の規模に拡張したカリスマ経営者です。

飛信隊 2
逆に、飛信隊と共に切磋琢磨している、ライバルである王賁率いる玉鳳隊や、蒙恬率いる楽華隊というのは、同じ百人隊から始まっているとは言え、それぞれの隊を強くする為に作られた隊で、精鋭部隊をいきなり正社員として雇っています。これは、もちろん、王賁や蒙恬が、名家の長男で、大将軍である王翦や蒙武の息子という後ろ盾がついているからです。現代で言うならば、大手企業の社長の息子の為に、子会社を設立して、その社員のほとんどを親会社から優秀な人材で固めた企業のイメージになります。

もちろん、どちらが良いという事はなく、その後成長できるかどうかというのは、隊長含め隊員の活躍次第ですが、同じ国の、同じ年代の、同じ規模の組織でもこれ程の違いがあります。大切な事は、社長(隊長)は、自社(自軍)の強みや特色をしっかりと出し、どのような社員(隊員)が自社(自軍)で活躍できるのか、その組織の色に合っているのかを明確に打ち出す事になります。その結果、その企業コンセプトに共感した人たちが集まり、強固な組織を作り上げる事ができます。また、会社や軍を選ぶ立場の人達も、どの組織だったら最も居心地が良く、自分が活躍できるのかをしっかりと見極める事が、就職活動や転職活動において大事になります。ここで意外と重要なのは、「居心地の良さ」です。活躍は自身ががんばればほとんどの会社で活躍する事ができますが、家族のように居心地の良い組織というのは中々出会えません。そのような会社に出会えたら、その出会いを大切にすべきですし、経営者はそう思わせる会社を作っていくべきです。例えば、桓騎軍から飛信隊に移動した那貴は良い転職例です。隊員の交換制度を使い、他社(飛信隊)での職務を通じて、自分が最も居心地が良く活躍できる場は桓騎軍ではなく飛信隊だと悟り、桓騎軍の幹部でありながら、飛信隊への移動を桓騎将軍に願い入れます。このような転職は非常に有益で、同じ会社で一生働き続ける必要は全くない事を、那貴は教えてくれました。

結局、会社と個人は無数にある組み合わせの中での偶然のマッチングでしかありませんが、自分で考え、調べ、行動することにより、ベストな組織に移動する事はできますし、それが双方にとって有益な事になります。これは職場内での部署移動でも同じ事です。将来のキャリアや現職に不安がある人は、自分が最も輝け、居心地の良い場所はどういった所なのかを考えてみてはいかがでしょうか。

それでは、また次回。

注)写真はすべて漫画キングダムより引用


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