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漫画キングダムから学ぶ会社経営 #33:トレーニングの種類と重要性

本記事は、「漫画キングダムから学ぶ会社経営」と題し、毎回、様々な視点から漫画キングダムとビジネス(特に経営)での共通点及びそこから得られる学びについてまとめていきます。今回は33回目の記事になります、過去の投稿はこちらからご覧ください。

前回は、「#32:自分に合った組織をみつける」というテーマで、組織の違いと特色を理解した上で、自分に合う組織に属する重要性を経営者と社員双方の立場で考えました。まだお読みでない方はこちらからお読みください。今回は、経営者や人事責任者、もちろん新入社員にとっても最も大切なテーマである「社員教育」をキングダムと照らし合わせて考察します。

組織論の教科書のような漫画であるキングダムには、いくつか実践的なトレーニングが出てきます。それぞれの特色とメリットを見てみましょう。

1) 軍師学校
こちらは、軍師になる為の教育機関ですので、全員が受ける必要はありませんが、校長である軍総司令の昌平君の学校という事もあり、多くの軍師がここで教育を受けていることと思われます。基本的には、盤上で軍略のいろはを学び、実践に活かす形式になります。メリットとしては、効率よく、過去の様々な軍略や経験を学ぶ事ができます。現代で言うならば、ビジネススクール(MBA)のようなものかと思います。MBAを取得されている方はお分かりかと思いますが、こちらを卒業したから偉いと言う訳ではなく、この学びをどのように実践に活かせるのかが最も大切になります。蒙恬も河了貂もこちらの卒業生になり、様々な実践経験を経て、立派な軍師(蒙恬は将軍)になっています。

軍師学校

2) 軍事演習
こちらは、兵隊のトレーニングになり、実戦形式で陣形などの組織で戦う為の演習を行います。メリットは演習とは言え、実際の武器を使用する為、緊張感が高く、かなり実践的なトレーニングと言えるでしょう。デメリットは、規模が大きく労力も使うため、頻繁には行う事が出来ない事です。現代で言うならば、これらをトレーニングと定義づけるかは微妙ですが、テスト販売や大規模なマーケットリサーチが近いかもしれません。実販売前の売り上げ規模の確認、市場の反応を見る最終にして、最も重要な判断材料になります。新人もベテランもこのような分析はと言うのは、いつでも学びがあり、最も重要で実践的なトレーニングと言っても差し支えないでしょう。

3) OJT
最後はOn the Job Training(OJT)です。OJTとは、実務を通じての学びです。キングダムでは、このOJTが本当に優れていて、ほとんどの成長の機会はこのOJTによりもたらされます。OJTで成長する人が多くなるというのは、偶然ではなく、その組織もしくはリーダーが優れているからだと言えます。例えば、新人や若手に大きな仕事を任せる時に、失敗するかどうかギリギリのラインの仕事を与える事で、その人の成長カーブは劇的に上がります。また、上司や同僚も、新人が失敗する事も視野に入れ、尻ぬぐいをする度量の大きさが求められます。現代社会でもOJTと言う教育は存在しますが、これは、外資系と日本の企業でまだまだ大きな溝があります。私が新卒で属していた外資系企業では、新卒の新入社員は4月だけ新入社員トレーニングがありますが、GW明けの5月から各部署にて、即戦力として働く事を求められます。実務として会議でプレゼンしたり、市場分析を任されたり、顧客に提案したりをすぐに実践でやらされます。これは、学生上がりの新入社員にとっては大きなプレッシャーになる事は間違いありませんが、同時に、ここでの成長は計り知れないものがあります。1年も経つと、生意気な中堅社員風貌で仕事をします。

このようにキングダム内には、適切なトレーニングを経て成長する過程がいくつも描かれています。特にOJTにはいくつか良い例がありますが、これは重要なテーマですので、次回まとめて紹介したいと思います。

それでは、また次回。

注)写真はすべて漫画キングダムより引用

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