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千葉県いすみ市、水産業の視察

「環境省SDGsリーダー研修」に参加してきました。研修では有識者によるセミナーや事業企画のワークショップなどを行いましたが、ここではいすみ市を視察して考えたことを綴っていきます。

千葉県いすみ市はぐるなび時代にお世話になっており、料理人と生産者による地域活性化プロジェクトを担当させていただいておりました。大好きな地域だったので、このような機会に恵まれ大変嬉しく思っています。

今回の視察では主に水産業者さんを回りました。


いすみ市について

いすみ市は、千葉県南東部の夷隅地域に位置する大原を中心部とする市。太東岬から南方の海岸部は南房総国定公園に指定されている。大原漁港沖合には日本最大級の岩礁群がある好漁場であり、イセエビの漁獲量は日本一である。

「美食の街」として注目を集めている地域。山と海に囲まれ自然の恩恵を受けており、農業も漁業も強い。東京駅から特急で90分ほどの好立地。移住者も増えており全国指折りの活気で盛り上がっている。とにかく今熱い地域。

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水産仲卸業

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美しい海のすぐ近くに立地する水産仲卸業の(有)丸大水産では、洞窟の生簀で育てているイセエビや、初めて見る大きさのあわびやサザエなどを見せていただき、海産物の特徴や育て方、いすみ市の漁場の魅力などを伺いました。

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個人的には衝撃の一枚、これどちらも同じ種類のサザエです。小さい方(右)が他県産、大きい方(左)がいすみ産。この差が生まれる理由は潮の流れ。いすみ市沖は暖流と寒流が交わっており、その強い流れに逆らおうと貝が大きくなり弾力のある良質な貝が生まれます。まさに、自然の恩恵を受けた地域。

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アワビもでかい。卸すタイミングでは2,3万円だが、消費者に届くまでに2,3倍くらいになる。

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次は名産品の伊勢海老。伊勢海老は温度変化の少ない海底に生息しているため、温度変化の少ない地下で保管。掘った地下施設を代々受け継いでおり、天井や壁が崩れるためメンテナンスは欠かせないそう。地下施設なんて簡単に作れないわけで、ここに参入障壁がある。また、漁師から新鮮、珍しい産品を仕入れ続けるには付き合いも必要。外者が簡単に参入できるわけではなさそう。

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振舞っていただいた蛤にはもちろん味付けはしない。東京で「そのままお食べください」って言われたら驚かれるけど、生産地では当たり前。これは新鮮なまま食べられる地方の圧倒的なアドバンテージ。東京で「産直」って言ったって、獲れてから数日経ってる食材は多い。しかも運ばれている間に悪くなる可能性もある。

直売所

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港近くの直売所(有)アルファさん。工場直送の魚の干物や海産乾物などを販売しているお店なのに、ロッジ風の建物で、アジの干物づくりが体験できるなど、いすみ市の地域資源である水産物を活かした観光地化に貢献している。

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何故かハワイアンな店内、スタッフさんもハワイアンなユニフォーム。来店者の印象に残りやすいこともあり、口コミで認知度拡大した好事例。社長からは「来た人に満足して帰ってもらいたい、しっかりおもてなししたい」というお話もあり、ホスピタリティは飲食店レベル。

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直売所なのにセレクトショップのような棚も。これは地元の方が作った者だそうで、地元の加工品以外の販売にも一役買っている。

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これはアワビの殻を手で磨いて作ったお守り。感動して購入したところ、その直後に市内で作り手さんと繋がりました。作った方の思いも聞けて、顔も知ると愛着が生まれる。良い買い物をしたと思える。これも狭い経済圏のアドバンテージ。

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スタッフさんはまるでアイドルみたいな扱いをされていて、店内に数枚写真が飾ってある。これはスタッフも嬉しい。素晴らしい地域密着だと思う。

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もちろん加工品もレベルが高い。原材料は調味料だけ、食材が美味しいからシンプルに仕上がる。

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アジの開き体験。熟練おばあちゃんが手取り足取り教えてくれて、その味を自分で食べられる。それが2000円で体験できる。味がどうやって開かれているか学べるし、なによりめちゃくちゃ思い出になる。
このコンテンツに手を出す漁師や直売所がもっと増えても良いのでは。

今回はここまで。

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