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短歌まとめ
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#夏

7,8月の短歌

7,8月の短歌

強炭酸を飲み干してあの夏の青春取り戻した気になる

夏だから夜中にひとりコンビニにスイカバー買いにでかけてもいい

まわり道しても隣に君がいる 無駄じゃないって笑いとばせる

自分より背丈の高い向日葵がこわくなった君のいない夏

丁寧に西瓜の種を取り除く明日の平和を祈るみたいに

目が覚める夢のむこうに大切ななにかを忘れてる夏の朝

きみ眠る確実に目を覚ますから愛しいとおもえるその寝顔

熱揺れる

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8月と9月の短歌

8月と9月の短歌

真夏日の入道雲に溺れたい夏と心中した気になって

眩しくて目深に被る麦藁帽 君の視線が熱すぎるせい

かき氷どれもおんなじ味だけど君と食べるといつも違うの

ゆらゆらとアスファルトからにじみでる熱のむこうに君を見つけた

甘ったるい金木犀の香りに迷子になったアナタと出逢う

似ているね金木犀とわたしたち姿みせずに惹かれ合ってる

寂しさを愛せるひとと落ち葉踏む無言で秋を愛せるように

なにもかも忘

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6月と7月の短歌

6月と7月の短歌

梅雨時はきっと世界が泣いている僕は傘さし知らん顔して

雨粒が頬にあたって思い出すいつかの君が溢した涙

世界からいなくなれない僕たちは線香花火見つめ続けて

いくら手をのばしてみても届かない飛行機雲と天国の君

永遠を願っている僕たちは今日も明日も消えたがってる

真夜中のブランコこいで瞳とじ輝く月にキスして願う

ひとりきり待つバス停で雨粒がトタンの屋根と音色奏でて

いないのかいるのかひどく

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夏を忘れられない秋の短歌

夏を忘れられない秋の短歌

特急の向かいの席にいる君に東京タワーつまんでみせた

人身事故でふともらす 遅れちゃう LINEに悲しむ絵文字送る

君の血を味わった蚊を掌で叩き潰して復讐遂げる

放課後に図書当番の君みつけ書架の隙間から合図をおくる

枯れかけの向日葵畑かき分けて行方知れずの君の名を呼ぶ

僕たちの愛が実ると世界が弾けて消滅するらしいよ

生きてたモノが多すぎる理科室に息をしているのは僕だけで

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夏の短歌

夏の短歌

世界からとり残されているみたいゲリラ豪雨と居残る僕ら

バス停で蝉の鳴き声聴きながら世界の終わり願ってみたり

飲み干した瓶を青空にかかげて君とおんなじ夏を見たいね

線香花火が生きてるあいだ君のすきなところ教えてあげる

駅前の鳩追いかけるこども見て平和っぽいねと微笑む君

線香の香りまとわせ微笑む君はきっと死と旧友ね

ひまわり

満開より枯れたそれの似合う君真っ白なワンピースゆらして