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二年目

121
2020年の詩まとめ
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#夜

東から

東から

きっとわたしが居なくなっても朝日の届かない部屋がひとつ増えるだけで
君にはちゃんと朝日が届く、そのくらいの変化しかないんだよ

線香のにおいがまだかすかに残る喪服をクリーニングにださなきゃ、

日常に戻る
わたしがいない世界がはじまることにきっと君は疑問を抱かない
君は生きているから

わたしはいつか誰かの記憶にしかならない
記憶のわたしは誰にでも優しくて大切な存在になってしまうでしょう

だか

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魔女

魔女

何処にいるのか、なにをしているのかわからないけれど
なんだか毎日たのしそうだなぁ、と思われる人間に憧れます
朝日がのぼるすこしまえに目が覚めて
空気よりすこし重いカーテンを しゃっ、とあけてまだ誰にも汚されていない空気を吸って吐いて
おはよう
いつかの昼下がりにコトコト煮込んだジャムをちょうどいい焦げ目の食パンにたっぷりと
サクッと噛めば一日のはじまりの音がします
こどもたちが登校して静かになった

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星に

金平糖を夜空にかざして君のくちもとへ、あまい一等星をたべて願いが叶いますように

keep

忘れるから、また会いたくなる
忘れるから、きっと大丈夫だって待つことができる
忘れたことを、忘れる前に今夜もう一度
夜の境界線で会いましょう

いえない

夜が似合うね、言ってしまったら本当に夜に溶けて居なくなってしまいそうできょうも嘘をつく、笑顔が朝日みたいね

おはよう

寝ること、怖くなくなったのは君が眩しい朝日と共にわたしの寝顔見ていること、知ったから、うっすらと目を開けて幻かと手を伸ばす、あたたかい
おはよう、目覚ましは心地良い君の声、窓の外で囀ずる小鳥より身に染みた
今夜もわたしは深い闇に包まれて、君を待つ
眠っているあいだに世界がわたしを置いていってしまう夜は昔のこと

目覚めること、怖くなくなったのは君が夜に安心しきっていたから、夜の一部に深く沈んだ冷た

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××光年

この想いが君に届く頃にはきっと僕は忘れてる、それでもこの光を綺麗だと呟く横顔は美しい