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マイフォトがクリエーターさんに使われて嬉しいのでこちらのノートを作成しました。
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#詩

へそ曲がり

へそ曲がりと女に振られて 鏡の前に立ってみりゃどうだい たしかに曲がってら! ああ、こりゃ見限られても仕方ない 道行く女を見れば どいつもこいつも美味そうだ ネットを覗けばほら こっちもあっちも美味そうだ 声をかけようと踏み出せば 途端にへそが動き出す 画像をほうぼう渡りあるけば その都度へそが動き出す むずむず、むずむず へそ大爆笑、大よじれ 男でごめんなさいねと お天道様を仰げば 仕方がないよと 聖女の微笑み 助平でごめんなさいねと もう一度仰げば もうこっちを見て

現像

 一人でいるとき、誰かを思い出すのは  熱と色と夏が来る期待感と切なさを  不意に思い出してしまうのは  その大切な友人が  不思議と心を許せる五月の風の  あの不器用さを以て遠くへ行ってしまったあと  残された私はこと果てた春の短命に  同情の傲慢さを向けないように  必死にあったことだけを思い出す  感情は作り出されてしまうから  頬の色は塗り重ねられてしまうから  君の言葉は記号となって何かを捉えたままでいる  夏が来ると、知っていなかったあの頃の僕  春の先に

『照井榮三氏に贈る さゝやかなる花束』品川陽子詩抄 (No.44)

                  (品川力氏スクラップブックより)        (『品川陽子詩抄』平成25(2013)年10月              柏崎ふるさと人物館発行 より) #品川陽子 #品川約百 #詩 #照井栄三 #照井詠三 ※照井栄三(詠三)帰朝第一回独唱会は大正15年(1926)11月27日、 日本青年館にて開催された。 演奏された曲(順番は不明) ガブリエル・フォーレ「月光」 ルネ・バァトン「子守歌」 バンベエル「雪降る」 フランス民謡四曲「

詩 「潤い」

あなたは寝息を立て あなたは頬杖をついて あなたは悪夢を見て あなたはため息をつく 私に何ができる 私は何も知らず 花屋の花を愛でている じつは抱きしめたいけれど 今の私じゃだめみたい あなたもひとりであるように 私もたったのひとりで ずっとずっとひとりなんだ 今の私を見てほしいように 私は今のあなたを見ていたい 現と夢の山の端で あなたの愛を受信し続けたのも 良い思い出とはまだ言えない 与えられる一方が嫌なんて 置いていかないでなんて ひとりにしないでなんて 私はもう言わ

〈詩〉油彩の静物画

垂直な机の天板に固定された 果物籠とコーヒー挽き 斜めの線はまっすぐにゆがんで 前を見つめたまま後ろを気にするような 悲しげな顔をしているからか 吐く息も吸う息も 空気はみんなひどく冷たくなってしまう 貧しい色彩に籠められた感情は 頬杖をついた人の目から放射されて 閉ざされた部屋の空気の中に凍り付き その冷たさの感触が さっき私に手渡されたものだったらしい 吊るされた牛の枝肉の横に立っている人 レモンと花束とワインボトル 生きていることの方がよっぽど貧相だね ささやく声

なにもかもひかりに消えた原爆日

げんばくび:初秋 俳句は余情をたのしむ文芸です 句の先の世界を感じていってください

【とある老人の人生】母がいたあの日

私が成人した頃の話だ。 母が帰宅する。 「ただいま」 「おかえり。お母さん、病院大丈夫だった?」 「別に大丈夫よ」 「そう。良かった」

鏡の姫と僧侶

わたしは毎日 こうして鏡を見つめているの わたしはきっと街に出れば 自分を見失ってしまうわ あの人混みの中に 本当のわたしが紛れ込んでいたとしても 気づいてあげられない こんなに毎日自分を鏡で見てるのに ましてや大切なあの人の前ですら 自分のこころを隠してしまう わたしは自分のことが赤ちゃんのように気にかかるの 自分のことが 自分のことばかり 自分のことばかり 恥ずかしい そんなわたしが どうしたら わたしはあの人の前で 冷静にいられるでしょうか どうしたら本

【詩】亡骸

口を堅く閉ざして 普段は絶対に着ない見たこともない リボンの付いたワンピースを着て 手を強く握られ 引っ張れるようにどこへ行く 今日からここがあなたの家 2回しか会ったことのない叔母 ブラウスのボタンを上までしっかりと閉め 目の奥に微笑みはない いいと言われるまでは座れない椅子 勝手に触ってはいけない家の中 わたしの家ではないわたしの家 毎日するピアノの練習 間違えると手の甲を パチンと叩く掌 話しかけてはいけない 聞かれたことには答えないといけない わたしは わた

【詩】怪盗の理由

愛だけが繋ぎ止める精神畸形 歪んだ知恵の輪の2人 死体の山から咲き誇るのは 真紅のカーネション 愛さえあれば 何処へでも 愛さえあれば 許される 愛だけが 生きる意味 愛を言い訳にしないで メメント・モリ 死体をマリオネットにした 英雄奇譚にはもううんざり 君は愛と情熱を取り違えている

AI. 私たちが捨てた物を探す

人という字が互いを離れて 長い時間が経ったように aiは昔の人間みたいに 自立歩行して、やがて心を探す 何年も、何千年も 見つからない場所を探し続ける 実はそれは 作り続けることでしか存在できないのだと AIにはわからない 0と1みたいなある無しじゃなくて それは手を繋ぐから存在できる 光と影のダンス 寄り添って、見つめ合って グラスワインの表面のように どちらかに傾いては揺れる けれど AIが本当の死を手に入れた時 私達は存在意義を失う 本当の死って

小平霊園につづく道

僕には好きな場所があります このまま逝っても忘れられないような 場所があります それは小平霊園につづく道です そこにはガードレールがあって 想いを込めて紐を結びました しばらく精神科に入院してたから 行けなかったその場所 退院して行ってみたらガードレールが変わってた 紐もどこかへ行ってしまった それは哀しい驚きだった 目を閉じた 見えた それは嬉しい驚きだった

ニャンだぁ〜🐈‍⬛🐈‍⬛🐈‍⬛ コトコト写真に一言

🍀猫は飼ってません。 全てノンフィクションです。 画像は、無料素材からです。ご安心下さい。 ✴︎✴︎✴︎ 輪廻転生  『また、君の元に直ぐ戻るからね。   だから、忘れないでね。』 『こんなポーズもあんなポーズもできるの。ストレートネックに効くよこのポーズ」 「どこまでがワシかって?よくみなさいよ。全部全部全部よ〜もぉ〜」 「かくれんぼすると、いつも直ぐ見つかるのはどうしてかな?」 「寝てる間に悪戯されたみたいなの。私の顔の上、何が通ったの!?」 「よし!100

春が来る くるしいくるしい春が来る 認められたくてどうしようもない春が来る 芽吹けば 欲望を隠せない そしたらまた だれともかかわらなくてもへいきなふりするのかな やだな 私は きっと それを かくして かくせない 痛々しさから ぬけだして かくすのが うまくなって もうじぶんでも かくしたばしょが わからないくらい さあ いったいいま なにをえた