敷島

詩歌 | 日記 | たまに小説

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  • 道辺日記

    みちのべにっき。2024年5月15日から書かれた、無職女(25)の取り留めのない日記。

  • 詩も書きはじめました。

  • 短歌

    短歌まとめです。何気ないこと、人間のこと、つぶやくような短歌です。

  • エッセイ

    日記のようなエッセイかもしれません。自由に書きます。

最近の記事

道辺日記(2024年7月20日)

10時半から近所のサイゼリヤへ。夫がお世話になっている保険屋さんの話を、夫と二人で聞きに行った。私もいよいよ、がん保険だとかに入るのである。そして夫の保険金の受け取り名義人を義父から私に変更した。三大疾病や事故などのあらゆる未来を想定して、安心を確保するために今お金を積み立てる。そういう構造に色々な想像力を働かせたためか、話を聞き終わったあとは疲弊した自分がいた。お金ってなんだろう。不安ってなんだろう。夫が死んだら?私が癌になったら?...お金は無くとも生きていける。そういえ

    • 詩「ほんとのきもち」

      ひめることも いつわることも かくすことも ずいぶんなれてきました むしろ はっせられぬことばに のどをやく そのやけどが あるしゅのよろこびのようです ひりひりとさびしくて てをふるわすわたくしですが そんなじぶんもおもしろくて なんだかひとつのじだいを きずいたようなゆかいなここちです あたらしくかった しょうゆさしのかがやきが あまりにもあいらしくて あなたのことをわすれてしまったのも わたくしの「ほんと」です あまおとをききながら かつてのはなのふるよると あなたが

      • 道辺日記(2024年7月5日)

        昨日の夜は寝付けなかった。時間がとめどなく進んでいく感覚が怖かったからだ。私は今、夫と幸せな生活を送っている。これは守るべき生活である。私はゆっくりその生活を味わっていたくて、眠りにつくのがもったいなかった。そしてどうしたって行ったっきりの、進む一方の時間が冷たく感じた。夫は私が眠くなるまでそんな話を聞いてくれた。この人と私にとっての幸せとはなんだろうと考えた。 6時頃起床。7時頃家を出て、夫と二人で駅ビルのカフェへ。モーニングを食べた。 私は夫を見送り、遠くの公園で散歩をし

        • 道辺日記(2024年7月4日)

          いつの間に7月になっていた。6時過ぎ起床。いつもより早起き。トースト、ヨーグルト、スムージーを夫と準備して朝食とする。 早起きした分、時間を持て余した。そのため、夫はリビングのテレビでゲーム実況を見始めた。私はゲームに全く興味がないので、少し困った。お互い好きなことをして全然構わないのだが、朝はゆっくりお喋りでもしたいと思った。しかし、夫が帰宅する夜には私がテレビのチャンネル権を握っているような気もするし、朝はテレビを見ないで、と提言するのは難しい気もする。この件に関しては夫

        道辺日記(2024年7月20日)

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        • 道辺日記
          35本
        • 66本
        • 短歌
          18本
        • エッセイ
          8本

        記事

          詩「サンカヨウの唄」

          雨が降る 君が降る 氷晶のような硝子のような 遠くの記憶より来る なつかしいきらめきと サンカヨウ見たことないの 雨とまじる香り 高山地域にそっと咲くんだ こんな花があるんだって いますぐに君に伝えたいよ 君の笑顔と出会いの痛みを 忘れたくないよ 忘れないよ 神経に注ぐ雨粒は いつだってきときと 雨降りつづく レースのカーテン濡らす雫 僕はこの唄を口ずさみながら 己の瞳を潤わせてるよ 爪が奏でるアルペジオ

          詩「サンカヨウの唄」

          道辺日記(2024年6月27日)

          水無月を食べずに、6月が終わろうとしている。6時半起床。朝ごはんを食べ、夫と家を出る。夫を駅へ見送った足で、公園までウォーキングをした。10時から整体。11時頃スーパーで昼食を買い、帰宅して久しぶりにニュースを少しだけ見た。12時昼食。 気がついたら16時前になっているのは、なぜだろう。日記を書かなかった数日、そんな感じで時が流れていた。何もしなかった訳ではないのだが、私の日常はやはり温かな絶望と隣り合わせで、それから逃げるために考え事はしなかった。夕方になると気分が沈んで、

          道辺日記(2024年6月27日)

          道辺日記(2024年6月24日)

          7時前起床。最近早朝4時ごろに目が覚める。そのあとは眠れるのだが、緊張感のある夢を見て、起きる頃には疲労が溜まっている。そして大体早朝に目が覚めた時、生ぬるい絶望感がどっと押し寄せる。それは常に死への予感とも言えるもので、今呼吸している虚無感とも言える。 夫を玄関で見送り、私はただただぐうたら過ごす。今日は猛暑というので、寝室に冷房をガンガン効かせて、ずっとぼんやり過ごしていた。 夕方、少し小説を書いてみた。希死念慮がやってきた。仕事終わりの夫と電話をした。夫が電車に乗るまで

          道辺日記(2024年6月24日)

          道辺日記(2024年6月21日)

          6時起床。実家だと早起きできるのはなぜだろう。ヨーグルトにフルーツ、コーヒーとパンを母と食す。7時過ぎ、仕事に行く前の夫と電話。夫に昨日私が考えたことを話した。 頑張り次第で私は劣等感を克服することができる。そういう当たり前だが難しいことを私は口にすることで、また決意ができた。優しい人々と接するなかで、無関心や何事も他人事に感じてしまうという私の課題にも気がついた。病気をしてからはそういう課題を見てみぬふりをしていたが、もう向き合うべきだ、と覚悟した。人の役に立ちたい。自分を

          道辺日記(2024年6月21日)

          道辺日記(2024年6月20日)

          5時半起床。母とサンドイッチとコーヒー、ヨーグルトを食べる。弟は昨夜からの夜勤でまだ帰宅していない。 母を見送り、私は団扇がほしくてネットショッピングをした。今年も帯に団扇を差して盆踊りなどに行こうと思っているのだ。粋な団扇を購入した。 詩というか、言葉の連なりをメモしてみては、その内容に納得ができず、完成まで辿りつかないということの繰り返しだ。私は一体何を表現したいのか、何に突き動かされているのか、己がわかっていない。その焦燥感もうまく表現もできないから私は辛い。 あらゆる

          道辺日記(2024年6月20日)

          詩「靴」

          今日も人が死んだ 今日も人が生まれた テレビの向こうも私の内側も大概酷い 私の瞳に映るのは恐怖に震える心 涙にただれたその頬はこわばっている 私の瞳に映るのは自己保身に滾る目つき 下手な作り笑顔のその頬はこわばっている 砂を噛むような世界と私が 今日も静かに崩壊への近道をいく それでも誰かの手のひらの上で 誰かが手のひらの中の希望を石柱に刻む 私も朝日と共に現る絶望をかなぐり捨てて 今日も布団から飛び起きようと思う なぜならば世界というものは テレビの向こうと

          詩「靴」

          道辺日記(2024年6月19日)

          7時前起床。白米に卵黄と塩辛を乗せて食べる。それとお味噌汁。夫を玄関で見送る。気持ちの良い朝の空。友人への手紙を投函し、10時から整体。11時帰宅してテレビを観る。部屋に風が駆ける。 15時過ぎより身支度をはじめ、隣の駅まで歩いた。映画を見るために17時に母と落ち合う。上映開始まで夕食をとりながら、母の愚痴っぽい話を聞いていた。愚痴っぽいと言ってもそれは笑い飛ばせるようなものなので、私は全く不快感がない。母は私を信頼してくれているからこそ話してくれるようだ。しかし、私は人生経

          道辺日記(2024年6月19日)

          道辺日記(2024年6月18日)

          7時起床。夫は先に起きてスムージーを作ってくれた。加えて、クッキーとコーヒーで朝食を済ます。近ごろまた早起きができずにいるので、明日からまた頑張ろう、と夫と確認し合った。夫を玄関で見送った時も、昨晩からの雨はまだ降り続いていた。私はリビングのソファで10時ごろまで二度寝をした。 大切な人が増えていく。人間関係を築くことに苦手意識はあるが、誠実であるための努力は惜しまずにいたい。もう人のガッカリした顔を見たくないし、人に不快感を与えることも避けたい。多分その願いは叶わないだろう

          道辺日記(2024年6月18日)

          詩「いつかのはなし」

          鈴を転がす音が反射して あなたの黒縁眼鏡がきらめいた まるで木漏れ日みたいな やすらかで繊細な硝子細工として笑っていた わたしは受信しましたよ そんなわたしは 深い海のような慈しみを貪り 広い空のような優しさに瞋る あなたへのおもいを 玉ねぎの皮を剥くような 言葉あそびに変えて ずっと本質を避けていたみたい あなたはわたしの「いちばんすきなひと」 されどもう伝えることは何もない 朝顔は黙ってひらき黙ってしぼむ ごくたまに月や雨や風という現象が あなたの優しい笑顔のはしばしを

          詩「いつかのはなし」

          道辺日記(2024年6月13日)

          5時半起床。ここ数日早起きができている。食後はコーヒーを飲みながら夫とお喋りをする。 よく私は、とあるアーティストの好きな1曲を延々と家で流してしまうのだが、それでも構わないのか、と私は夫に尋ねた。私が夫の立場であれば、それは耐え難いことだからである。私は他人の趣味に興味を持つことが少ないし、生活環境の居心地にこだわりがあるので、興味のない音楽を延々流されることは、おそらく私にとっては苦痛だと思うのだ。一方で、夫は「構わない」と言う。夫の態度にはいつも心の余裕のようなものを感

          道辺日記(2024年6月13日)

          道辺日記(2024年6月12日)

          5時半起床。バゲットを焼き、結婚祝いでいただいたレバーパテと生ハムをそれに乗せて食べる。ついでにお弁当も作った。早起きができたので、のんびり夫とお喋りもできたし、楽しい朝となった。 ちょっと前に流行ったMBTI診断の話をする。ちなみに私はINTJ-T(建築家)である。結果が出たときは本当か?と疑ったが、ほぼ特徴が当てはまった。INTJあるあるを検索しては夫と盛り上がった。まあ性格なんて環境で変わるものだから、時々やって楽しむものなのであろう。 夫を玄関で見送った後、読書をして

          道辺日記(2024年6月12日)

          詩「うらがえし」

          うらがえし 何もかもどうでもいい、という 蜥蜴の尻尾 君を溶かした夕焼け空には 春の余韻すら見当たらなかった 「だから文学も哲学もやるのです」 そんな言い訳は誰も聞かない うらがえし もう生きたくはない、という 黒鍵の失われたジャズ・ハノン 私の拙さは病める星となって 人知れず燃え尽きる 「どうか私を分別してください」 そんな泣き言は誰も聞かない うらがえし もう決別よ、という 梅雨空を切り込む逆上がり 翠嵐に立つ君の英断は 何よりも優先したいの 「昔の私に期待しないでく

          詩「うらがえし」