![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/144689945/rectangle_large_type_2_1ac41675f7207a5e89a68dcd3a1a1c77.jpg?width=1200)
詩「靴」
今日も人が死んだ
今日も人が生まれた
テレビの向こうも私の内側も大概酷い
私の瞳に映るのは恐怖に震える心
涙にただれたその頬はこわばっている
私の瞳に映るのは自己保身に滾る目つき
下手な作り笑顔のその頬はこわばっている
砂を噛むような世界と私が
今日も静かに崩壊への近道をいく
それでも誰かの手のひらの上で
誰かが手のひらの中の希望を石柱に刻む
私も朝日と共に現る絶望をかなぐり捨てて
今日も布団から飛び起きようと思う
なぜならば世界というものは
テレビの向こうと
私の内側だけではないから
私が飛び起きた世界は
誰かが眠りに落ちる世界
さあ、靴を履いて
歩こうや
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?