非認知能力がお子さんの「幸せ度」を決める! FQKids編集長が明かすその秘密とは
※この記事は、ポッドキャストの内容を一部ピックアップしてお届けしています。詳しい内容はこちらの本編をチェックしてくださいね。
「おうち読書のミカタラジオ」特別編。
FQ Kidsの編集長である征矢里沙さんをゲストにお迎えして、Yondemy代表・笹沼との対談をお届けします!
お子さんの幸せを決めるという「非認知能力」の新たな見方を、たっぷりお話ししていただきました。
今回のゲスト
「非認知能力」と「幸せ」はどう繋がる?
笹沼(以下「笹」):さっそくですが、今回のFQ Kidsでは「非認知能力と幸福度の関係」という特集があると伺いました。とても気になるのですが、どんなテーマなのでしょうか?
征矢さん(以下「征」):今までもFQ Kidsは「非認知能力」をテーマにしてきました。
でも、「そもそもなぜ非認知能力を伸ばしたいのか」と改めて考えると……答えは色々ありますが、やっぱり保護者さまの願いは「子どもの幸せ」ではないか、と思ったんですね。
この時代で、本当に「幸せに生きる」ためには何が必要なんだろう。真面目に考えないと答えが出ないと感じました。
「ウェルビーイング(精神的・身体的・社会的に満たされた幸福な状態)」を目指す動きは、教育だけでなく社会のあちこちで起こっているんですよね。
笹:なるほど。これまでも注目されていた非認知能力ですが、より幅広く幸せにつながるよう、新たに注目したいポイントも多そうです。
ミカタラジオにも、非認知能力に関するおたよりが届きます。
特に多いのは「非認知能力を育てる取り組みは、正直これまであまり実践してこなかった。そもそも小学生から始めて間に合うのか」というものです。
読書に関しても同様で「これから始めても本を読むようになりますか?」という質問を多くいただきます。
ヨンデミーとしては「読書はこれからでも十分間に合いますよ」とお伝えしていますが、非認知能力についてはどのようにお考えですか?
征:小学生からでも十分間に合うと思いますし、大人になってからでも大丈夫です。
非認知能力に限らず、保護者さまがお子さんに対して「ここが足りない」「ここを伸ばしてあげたい」と思っているだけでも、その時点ですごく恵まれていて、これからでも育めるはずなんです。
笹:なるほど! 保護者さまが「伸ばしてあげたい」と気づいている時点で、もうスタート地点に立っているんですね。それは素敵な考え方です。
すべてのスタートは「わが子の観察」から
笹:でも、実際に「非認知能力を伸ばそう」と思うと「何をすればいいんだろう……」と困ってしまいそうです。
どんなことから考え始めたらいいんでしょうか?
征:非認知能力といっても、コミュニケーション能力、やり抜く力、自制心……さまざまな力があります。でも、どれも「教育しないと身につかない」ものではなく、その子自身が好きな遊びや、当たり前にやっていることを通して伸びていくものなんです。
非認知能力は「身につけよう」というよりも、その子の中にあって育っていくものだと、まず知っていただきたいです。
笹:確かに「非認知能力を伸ばさなきゃ」と、何か正解があるように感じてしまう方は多いかもしれません。
征:非認知能力は、認知能力「じゃないもの」という言い方の概念なので……ジャンルに近く、IQなどのテストで測れるものではないことがポイントです。
笹:なるほど。目に見えないし、いろんな種類があって定義もない……「じゃあ何をすればいいの?」とより悩ましくなります。誰でもすぐに取り組める方法はありますか?
征:まず、目の前のお子さんをよく観察すること、その子自身をしっかり見てみることです。
その子自身が今どんなものを持っているのか、何を好きなのか、何を考えて感じているのか……それをまず知り、肯定して伸ばしてあげるのが第一歩になります。
笹:なるほど。「教育」という言葉はありますが、「教える」よりも「育む」ことに近いですね。あるものを大切にしてあげるために、まずは何を育むべきかを見つめるところが大事だと。
征:Educationという言葉との語源は「引き出す」っていう意味なんですよ。
その子の持っているものを引き出すっていうことがまず大事で、非認知能力がない、なんていうことは絶対にないんです。
怒るときにもヒントあり!? お子さんの個性を探そう
笹:ミカタラジオのリスナーの方は小学生のお子さんを持つ方が多いです。未就学のお子さんと、小学校入学以降のお子さんとで、心構えの違いはありますか?
征: 未就学児と小学生との違い、ですか。
やっぱり年齢によって全然違うので、未就学児の個性はまだ見えにくい部分がありますね。 「この子は本当にわがままで」というところも、その年齢ゆえのこともありますよね。
笹:確かに。属性なのか年齢なのかはわかりづらいですよね。
征: お悩み相談で「この子はすぐ人を叩いちゃうんです」と悩む方もいて、本当に悩ましくはあるんですが、「その子の年齢だったらそれはそうです」っていうこともあります。
大事なのは、その個性を受け入れて導いていくことです。そのためには先ほど挙げたように、その子自身が何に興味があるのか、何が好きなのか、何でよく遊んでいるのか、などがヒントになると思います。
「何が理由でよく怒られるのか」もその子の個性にかなり関わるそうなんです。
笹:それは面白いですね。
征: 個性とか才能には「褒められること」というイメージがありますよね。 でも、怒られてでもやりたいことこそ、個性になっている場合もあります。
とにかく電車ばかりのお子さんで、他の遊びをしてほしいのに「電車」と聞けばすぐに見に行ったり飛びついて、もうずっと離れない……それも、実は個性や才能かもしれません。
できる限りフラットにお子さんが考えてること、好きなことを見てあげるといいと思います。怒るときも、実はそれを見つけるヒントが隠れているということです。
笹:なるほど、この話はすごく面白いですね。 ヨンデミーでも、子どもたちに本をおすすめするときに「いい本・悪い本の基準はない」ということを大切にして、「お子さんの好みを尊重する」ことも重視しています。
お子さんにとっては「自分の好きなものを認めてくれた」という喜びもかなり強いんですよね。
今のお話とも重なるなと思いました。
幸福は「人と比べない」がカギ!?
笹:「お子さんの興味があるものを伸ばす」。
これは言い換えると、他のお子さんと比べたり、学年や年齢に無理に合わせたりするのではなく、目の前のお子さんに合ったものが「いいもの」だということですね。
征:そうですね。今回、「幸福度と非認知能力の関係」を特集するにあたって、私も専門家の方にお話を聞いたり本を読んだりして調べました。
そこで、ウェルビーイングを感じるためにいちばん大事なのは「人と比べないこと」だという話があったんです。
例えば学力、成績、学歴、大人ならお金、車、家……目に見えるステータスは、比べやすいからこそ追い求めてしまいがちですよね。でも、実はそれは幸福度と直接の相関関係がないことが研究でもわかっています。
笹:目に見えるものを追ってしまったら、他の人と比べて勝っても幸せは増えていかない、と。
征:比べても終わりがないし、上には上がいますよね。
実は、そうした目に見えるものよりも「自分軸を持つ」ことが重要だと言われています。
自分が好きなもの、幸せだと思える状況、あるいは自分が好きな人とのコミュニケーション……そういったものが幸福度と密接に関係しているそうです。
人と比べないために、理想を言葉にする
笹:一方で、現代は「人と比べやすすぎる時代」という背景もあると思います。
例えばスポーツでは、ネット上ですぐ世界一の存在が見えてしまいますよね。 勉強面であれば、偏差値やテストが充実してるからこそ、いきなり全国レベルでの比較になることもあります。
子育てをする保護者さまは、SNS上のいろいろなご家庭と比べやすい状態だと思うんです。
「周りと比べて、うちの子大丈夫なのかな」「この子育てで合っているのかな」という不安をお寄せいただくことも多くて……
そういう不安や心配に向き合うための考え方を知りたいのですが、どうでしょうか?
征:そうですね、やっぱり「自分の外に正解がある」「目指すべきものがある」と思うと、しんどくなってくると思います。
スポーツで「もっとうまくなりたい」という気持ちから誰かをベンチマークにするなど、そういうことはもちろん大事です。でも、行き過ぎると不安の種になってしまうので……その理想を言葉にするのがまず大事なのではないでしょうか。
笹:なるほど。
征:「何が自分の子育てにとっては一番大事なのか」「どういう子に育ってほしいのか」といったことが固まっていないと、いろんな情報に振り回されてしまいます。
勉強もお手伝いも、読書も運動もバッチリ、友達関係も良好、そんなお子さんはほとんどいません。
「絶対、思いやりは持った子に育ってほしい」「だから家族とのコミュニケーションをしっかりして信頼関係を持つのが大事」など、外せないポイントをちゃんと言葉にして軸にするんです。
「去年は『おはよう』『いただきます』とか言ってくれなかったけど、お手本を見せるように意識したら、最近はちゃんと言ってくれるようになったな」
そんなふうに軸に沿って見てみれば、その子自身の中で成長を見られます。
笹:勉強は〇〇さんの方が得意、お行儀は〇〇さんの方が、など様々なところで比べてしまうと、それぞれで大変そうです。でも軸が決まっていれば、その子の1年前、2年前と比べて認めてあげやすくなるんですね。
征:そうですね。成長の幅に注目できるようになるんです。
読書を通して自分の「好き・きらい」を知る子どもに
笹:ちょっと抽象的な質問ですが、「読書」は「ウェルビーイング」にどう繋がるんでしょうか。
征:ウェルビーイングの4つの因子の1つに「ありのままに」というものがあって、「自分らしさ」をまず子ども自身も知ることが大事なんです。
笹:保護者さまだけでなく、お子さん自身も気づけたほうがいいということですか。
征:はい。「お母さんが言うから」「友達がやっているから」ではなく、お子さん自身で本当は何が好きなのか、考えられるきっかけ作りは必要だと思います。
その点、読書は簡単にいろんな世界に触れられるわけですよね。
さまざまな物語世界があり、多様なキャラクターがいて、それぞれの人生や行動があって……それに対して自分の感情がどう動くのか、読書を通して感じられるのがポイントです。
次の本を選ぶときも「これは面白かった」「つまらなかった」とか、つまらなかったことも含めて、自分の好きなもの・好きじゃないものを見つけるためのヒントになると思っています。
笹:なるほど、そこを考えるのも大切なんですね。
ヨンデミーでも「感想って何を話したらいいんだろう」とお悩みの保護者さまは多いです。
お子さんの感情がどう動いたのか、好きだったのか、好きじゃなかったのか、嬉しかったのか悲しかったのか、そこに焦点を当ててあげるのも一つのパターンになりますね。
征:そうですね、細かく分析するわけじゃなくても、「何に心を動かされるのか」を自分で知っておくことは大事だと思います。
同じ本を読んでも感じることは人によって違い、本は自分の心を映す鏡のようになります。読書を通じてたくさんの鏡を持てるのは、とても良いポイントですよね。
笹:本の中では、いろんな世界のいろんな人・ものに出会えるからこそ、そこに自分がぶつかって感情がどんどん出てきます。
その感情を知っていくことが、先ほどの「自分軸」を強くし、人と比べることなく生きる、そうしたウェルビーイングのあり方につながってきますね。
「知ること」はやっぱり大事!
笹:とても興味深いお話でした……! これまでのラジオで扱ったことがないような角度のお話でした。
征:5月9日発売のFQ Kidsでは、この「幸福度と非認知能力」をテーマにしています。
ほかにもさまざまな特集があって、幼児〜小学生のお子さんを持つ方には役に立てていただけると思うので、ぜひお手に取っていただければ嬉しいです。
笹:ちなみに、征矢さんイチオシの記事はありますか?
征:どれもイチオシですが……「お子さんタイプ別の褒め方・叱り方」は、自分自身もかつて子どもと全然タイプが違って悩んだので、あの辛かった気持ちを抱えている人にはぜひ届けたいなと思います。
笹:なるほど。征矢さんご自身もお子さん2人を育てられていて、悩みやつまずきもあるんですね。
征:もちろんです。何かを試してみて失敗することも多くあります。 でも、知らないことには「やってみよう」と思うこともないんですよね。だから「知ることって、やっぱり大事だ」と思って、さまざまな教育情報をお届けしています。
笹:今のお言葉、とても素敵ですね。「知るとできるは違うけど、知らないとやろうと思えない」という。
征:知っているからこそ、「あれもこれもできてない……」って思ってしまう面もあります。 でも、やっぱり「知って取り組もうとしているだけ、頑張っている!」って常に自分で自分を励ましながら子育てしています。他の保護者さまの助けにもなれば嬉しいです。
笹:僕らのこの「おうち読書のミカタラジオ」も、そんなところを大切にしながら作っていきたいです。本日はありがとうございました!
征:ありがとうございました!
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