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フィクションの使い方

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人間は言語を使うことを、つまりフィクションを立てることをう運命づけられていますが、その力は甚大です。人生を傾かせることも、人生を上向かせることも、どのようなフィクションを立てうる…
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#哲学

【769】裸エプロンのエロティシズム序説(続かない)

裸エプロンそれ自体は裸のうえにエプロンを身につけるだけですが、或る文脈において一定の効果…

墓場
2年前
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【481】フィクションの果実(4):その虚構で、現実を断ち切れ

フィクションは紡ぐ側にとってはもちろん現実から一歩離れて、現実の物事を考えるための素材に…

墓場
3年前
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【479】フィクションの果実(3):擬制は進歩の一里塚

fictionは「曲げる」くらいの意味を持つラテン語の動詞fingereの名詞形ですが、これは法学にあ…

墓場
3年前
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【478】フィクションの果実(2):社会契約の白いキャンバス

政治思想におけるフィクションとしておそらく最も際立っているのは、社会契約論(とその背後に…

墓場
3年前
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【469】「私に触れるな」:劣後順位と説明責任byイエス

イエスはなかなか過激なことをよく言います。上司には持ちたくないタイプ、などと言うと問題が…

墓場
3年前
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【435】不感症者の感動/ルクレーティウスの入れ子?

学びを深めていけば当然、当該の分野に関する知識は増え、感覚は研ぎ澄まされてゆくことになり…

墓場
3年前
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【411】あなたのマスクの下を見たい/思想テロリストたちの密かな戦い

私たちが当たり前にやっていることが弾劾の対象となる世界を描くフィクションは極めて多いもので、それは多くの場合、現実化しえないものとして享受されるからこそ面白がられるものですが、とはいえ私たちの生きている現実そのものが言語を介して成立し理解されるフィクション的な性格を色濃く持つ、という当たり前の事実を前提するのなら、私たちが当然だと思っている価値観や規範は容易にひっくり返るうるものですし、あるいはもっと言えば、今まさに死に瀕しているのかもしれません。  全体としてそうだという

【374】「人それぞれ」の功罪

何かにつけて「人それぞれ」だと思っておくことは、余計な思考の手間や諍いを回避するために、…

墓場
3年前
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【356】プレゼントの賭け/ギフトカードは或る種の機会損失

プレゼントとしてギフトカードの類を贈ることが多くの場合に時宜を得ないものとされ、ことによ…

墓場
3年前
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【347】「ゲームと現実を混同するな、ゲームに対して失礼だろう」

中学高校大学の同級生がかつて「ゲームと現実を混同するな、ゲームに対して失礼だろう」と言い…

墓場
3年前
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【342】意図と内面の短絡を弾劾する、それでも

表現は、思考ないしは意図というものを、特に法的な場面においては十分正当な形で推定させると…

墓場
3年前
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【332】ポジティヴの彼岸

まずは以下のURLの文章をお読みいただけるとよいかと思います。精神科医である林氏が精神に関…

墓場
3年前
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【329】「絶対に赦さない」リストを作ろう

人に見せられない文章というものがあります。 例えばそれは、恋文になりきらなかった恋文であ…

墓場
3年前
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【323】ハッピーエンドのその脇で

幼少の頃からハッピーエンドの物語にどこか居心地の悪さを感じてきた身としては、そもそもハッピーエンドとはどういうものかということを考える機会が到来するのも自然ななりゆきだったと言えるでしょう。 以下は極めて図式的で、特に最近繁茂しつつある例外についてはほとんど触れない文章ですが、典型的なハッピーエンドの形式、とりわけ少女漫画的ハッピーエンドの形式と、そこに疑いを差し挟むことから出発して、そうした批判的な——まったく攻撃的というわけではありません——態度を拡張することについて。