【323】ハッピーエンドのその脇で
幼少の頃からハッピーエンドの物語にどこか居心地の悪さを感じてきた身としては、そもそもハッピーエンドとはどういうものかということを考える機会が到来するのも自然ななりゆきだったと言えるでしょう。
以下は極めて図式的で、特に最近繁茂しつつある例外についてはほとんど触れない文章ですが、典型的なハッピーエンドの形式、とりわけ少女漫画的ハッピーエンドの形式と、そこに疑いを差し挟むことから出発して、そうした批判的な——まったく攻撃的というわけではありません——態度を拡張することについて。