眠れない週末

眠れない。

いたずらに時間が過ぎていくのを、布団の冷たいところを足で探しながらただただ感じている。

眠れないのはどうしてだろう。

さっきまでブルーライトを浴びていたからなのか、今日はあまり疲れていないからなのか、それとも、何かやり残したことがあるからなのか。

眠れない時に限って、頭の中は忙しい。

日中頭を悩ませていた問題の解決策が思い付いたり、新しいアイデアが思い浮かんだりする。目を背けている何かに憂うこともある。

そうして冴え渡って、ますます眠れなくなる。

大人になればなるほど、「心身」は繋がっていると感じられる。

心に負担がかかればそれは身体に現れるし、身体に負担がかかればそれは心に現れる。

だから、眠れないということは、心に何かその原因があるのだろう。

多分、その日何かやり残してしまったか、思うような一日を過ごせなかったか、そのいずれかだろうな。

「終わりよければ全て良し」との言葉を信じて、眠る間際にあれこれしてみるけれど、たいていは無駄な時間を過ごすだけの悪あがきになってしまう。

そんな不完全燃焼感を抱えたまま眠ろうとするから、眠れない。

睡眠用BGMを流してみても、こういう時に限ってBGMばかりに気がいってしまい、眠れない。

眠れない夜は長い。

子どもではなくなって、自分の人生について真面目に考えるようになって、それからずっと眠れない夜のような時間を過ごしている。

頭の中だけが忙しくて、頭の中にだけは傑作があって、実態は伴っていない。

眠れない夜みたいに、最終的には眠ってしまえれば良いのだけど、眠れない夜“のような時間”はそうはいかない。

このまま眠れずに、ただただ時間が過ぎていくかもしれない。

それは、眠れない夜よりもずっと長い。

眠れない夜が嫌いじゃなくて良かった。