橋爪志保『地上絵』書肆侃侃房*歌集鑑賞
たとえ仲の良い友達だとしても、すべてを理解できるわけではない。逆もしかりで、仲が良い人にも理解されたくない部分が自分の中にある。というのは言い訳の前振りになってしまうが、橋爪志保の歌には、よくわかるものとわからないものが混在している。そのわからなさは、作歌する上での意図的なものというよりは、作者の内面をそのまま顕在化した結果という気がする。その根拠は歌集から逸脱してしまうのだが、日頃SNSで垣間見る作者の断片的なつぶやきが、ほぼこの歌集の謎の歌と同種のものだからだ。橋爪志保