Yoshiteru Minagawa

”人生後半戦突入、楽しんだもの勝ち” 東京大学大学院AI修士⇒日産自動車⇒富士ゼロック…

Yoshiteru Minagawa

”人生後半戦突入、楽しんだもの勝ち” 東京大学大学院AI修士⇒日産自動車⇒富士ゼロックス⇒ 起業 グローバルライフプランナーズ合同会社代表(2018/9~2023/3 株式会社アジラ 取締役CFO)DX支援 ファイナンス支援に従事。 Perfume, HipHop Love.

最近の記事

士業の先生をうまく使いこなす

スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ 関連法規が多い管理系業務 今日は少しファイナンスの話から外れた話題になります。 管理系の仕事には関連する法規がたくさん存在します。それを統括して対応するのがCFO役割のスタートアップも多いと思います。ただそうは言っても各領域毎に専門性が求められるため、すべてをカバーできるスーパーCFOはまずいないので自ずと士業の先生に頼りながら業務を進めることになります。 主なところでは、 一般的な法律関係、特に契約まわりについては、弁

    • 今年IPOした会社の今

      スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ IPO企業をベンチマークに IPOを念頭にマーケットの状態を観察するのもCFOの仕事です。世の中お盆休みということもあり今回は軽く今年初めから7月末までに新規上場した会社の状況を見てみます。 7月末までに新規上場した会社は52社あります。業種ですが、 サービス15社 情報通信15社 医薬品5社 不動産3社 建設2社 小売2社 その他10社 であり、サービスと情報通信でおよそ6割を占めます。 時価総額で見ると 企業の評

      • 資金調達のプレイヤーとお金の流れを図解(基礎編)

        スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ 資金調達のプレイヤーと資金の流れ スタートアップが成功するにはお金の調達と管理が重要になります。 資金調達の種類については以下記事に書きましたが、今回はお金の流れを軸に基本的な関係を図解してみたいと思います。 図1にVCからの資金調達を中心に資金の流れとプレイヤーの関係を簡単に図解しました。以下各プレイヤーについて見ていきます。 ベンチャーキャピタル(VC) ベンチャーキャピタルは、お金の出し手(主に機関投資家)とお

        • ストックオプションの概要と長短所

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ ストックオプションとは ストックオプション(Stock Option)は、従業員や役員に対して自社の株式を一定の決められた価格(権利行使価格)で購入する権利を付与する制度です。スタートアップは事業が成長するに従ってその株価も上昇していき、上場することで株式の売買が自由にできるようになります。上場後に自社の株価が権利行使価格より上回っていれば、ストックオプションの権利を行使して株式を権利行使価格で買って時価で売ることで差分

        士業の先生をうまく使いこなす

          IPO支援者(主幹事証券)のトレンド

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ IPOにおける主幹事証券の役割 スタートアップがIPOを目指そうとした場合、その支援をする重要な登場人物として主幹事証券会社があります。主幹事証券会社の役割はフェーズに応じて以下のようになります。 上場準備から上場申請前まで:上場に向けたアドバイザリー業務 ・上場に向けたスケジュール策定(足元の事業進捗と成長戦略を踏まえてどのタイミングで上場を目指すのがよいかアドバイス) ・内部管理体制の整備に係るアドバイス(内部管理

          IPO支援者(主幹事証券)のトレンド

          IPO支援者(監査法人)のトレンド

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ IPOにおける監査法人の役割 スタートアップがIPOを目指そうとした場合、その支援をする重要な登場人物として監査法人があります。 監査法人の役割は大きく2つあり、財務諸表の監査と内部統制の評価になります。 財務諸表の監査とは、当該企業の過去数年間の財務諸表を監査し、上場基準を満たす適切な会計基準に従って財務諸表が作成されていることを保証します。 内部統制の評価とは、当該企業の内部統制の仕組み評価し、財務報告におけるリスク

          IPO支援者(監査法人)のトレンド

          市場規模(TAM,SAM,SOM)は資金調達のキー

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ 市場規模の重要性 資金調達を成功させたいならば市場規模の試算は必須といえます。なぜならもっぱら出資者はその事業が対象とする市場規模が小さい/成長性が低い場合には興味を抱かない、すなわち資金調達に失敗する可能性が高まるからです。そんな市場規模を表すものとして、TAM、SAM、SOMという指標があります。 TAM (Total Addressable Market) 製品やサービスが理論上取り得る最大の市場規模(市場シェア

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          資本政策:論理かアートか?

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ 資本政策とは 映画「ソーシャル・ネットワーク」をご存知ですか? facebook共同創業者のE.Saverinが罠にはめられ持ち株比率を0.03%にまで希薄化されて訴訟になる場面があるのですが、資本政策の特徴をうまく表現しています。 スタートアップにおける資本政策とは事業計画を達成するのに必要な資金調達を具体的に構想する(時期、調達手段、調達金額、株価、株主構成など)ために作成する計画のことです。 一般的にはエクセル等表

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          DD(デューデリジェンス)の実際

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ DDとは何か VC等がスタートアップへの投資に対してそれなりに本気度が高くなった場合、DDが行われることになります。デューデリジェンス(Due Diligence, 略してDD)とは、投資を行うにあたって、対象となる企業のビジネスや組織の実態、価値、リスク等を調査することを言います。 DDには相当量の資料の共有と質疑応答が必要になるため、スタートアップの負荷は相当なものになります(VC等の負荷も同様に大)。 DDの際求

          DD(デューデリジェンス)の実際

          あなたの会社おいくら?(企業価値とバリュエーション)

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ すべてに価格がついている 値上げが止まりませんね。私、毎朝オレンジジュースを飲む習慣があるのですが、以前は200円代だったのが今や300円代、消費税を足すと400円!になりかなり負担感が増しました。 さて世の中を見渡せば何らかの価格がついています。そしてそれは会社も例外ではありません。 株式会社の価格(時価総額)=株価×発行済株式数 上場会社であれば、日々の株価、時価総額、発行済株式数が公開されているので会社の価格を知る

          あなたの会社おいくら?(企業価値とバリュエーション)

          資金調達の種類と長所短所あれこれ

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ 資金調達の種類 資金調達ですがいくつか種類があります。私が携わったものを中心に資金調達の種類と特徴をまとめました(表1)。長所短所は資金の受け手の目線で書かれており、右端には資金の出し手の狙いが書かれています。 銀行からの借入 起業して最初に思いつくのが銀行からの借入かもしれません。創業時には各自治体では創業支援のための制度融資や日本政策金融公庫の創業融資などがあり、比較的融資を受けやすい環境があるものの、しっかりと

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          CFOは営業だというお話

          スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ 資金調達とソリューション営業の類似性 会社はお金がないと運営できません。そして数あるCFOの業務のうち一番重要ともいえるのが資金調達です。 資金調達というのは本業の売上以外のところからお金を調達する算段をいいます。会社の成長性に応じて価値を算定したり、出資者を募ったりする金融の仕事ですが、実はソリューション営業(提案営業ともいいます)とプロセスがとても似ていると思います(私はかつてソリューション営業側だったのでこの整理で

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          スタートアップ社員必見の映画3選

          映画は面白いですね。 知らず知らずのうちに学びになっているものもあります。 そんな中でスタートアップ社員こそ見るべきだと思われる映画3選を紹介します。 #1『ソーシャルネットワーク』(原題:The Social Network) ご存知facebookの成長の軌跡とその裏側を訴訟場面を通じて表した映画です。ピーター・ティールが出資したタイミングで、共同創業者のエドゥアルドが株式の希薄化というだまし討ちにあった場面が印象的で、スタートアップの資本政策について考えさせられ

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          どんな仕事経験も無駄にならないというお話

          はじめに皆さま、お仕事お疲れさまです。世はお盆ですね。 私事、社会人生活も30年ほど経ちます。その過程で、私もいろいろな仕事を経験しました。望んだもの、不本意なもの、理不尽なもの、楽しいもの、腹立たしいもの、辛いもの、うまくいったもの、うまくいかなかったもの、数え上げればきりがないほどたくさんあります。 そんな私ですが現在スタートアップのCFO職に携わっているなかで今までの経験が活きているのを実感しています。これらの経験があったからこそ、今なんとか仕事を回せているのだろうと思

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          言葉の伝播を飛躍的に高めたテクノロジー5選

           社会人になって30年ほど経ちますが、その間、生産性の向上は常に課題として脳裏を離れることはありません。そして、生産性向上のための重要なポイントはコミュニケーション改善であるという私の仮説も確信に近くなってきました。  適切な言葉のやり取りというものについて思考を巡らすというのは私の隠れた取り組みテーマですが、言葉を効率的・効果的にやり取りできるようにしてきた革新的テクノロジーの登場についても注目しています。今日はその中の5つを挙げてみたいと思います。 革新1.活版印刷の登

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          『報連相』のホ

          ホウレンソウ。社会人になって聞いたことのない人はいないであろうこの言葉。先輩や上司から「報連相を適切にしろ」と言われたことも多々あるでしょう。確かに『報連相』は仕事を行う上での基本中の基本ですが、改めて考えてみたいと思います。(社内向け報告と社外向け報告では注意点が異なる部分もありますがここでは分けずに一般論として書きます) 報告まず報告です。報告は与えられた業務に関する進捗具合など何らかの成果の達成を前提としたもの、つまり最も仕事の達成度に直結する重要なものと考えられます

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