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資金調達のプレイヤーとお金の流れを図解(基礎編)

スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ

資金調達のプレイヤーと資金の流れ

スタートアップが成功するにはお金の調達と管理が重要になります。
資金調達の種類については以下記事に書きましたが、今回はお金の流れを軸に基本的な関係を図解してみたいと思います。

図1.スタートアップへの資金の流れとプレイヤー

図1にVCからの資金調達を中心に資金の流れとプレイヤーの関係を簡単に図解しました。以下各プレイヤーについて見ていきます。

ベンチャーキャピタル(VC)
ベンチャーキャピタルは、お金の出し手(主に機関投資家)とお金の出し先(有望なスタートアップ)を見つけて、様々な出し手から預かったお金をファンドという形にまとめて様々なスタートアップに投資し、投資先がEXITするときの利益を期待します。EXITとはIPOやM&A等を通じて投資で得た株式を売却して投資額以上のキャッシュに変換することを言います。通常ファンドには10年程度の償還期限が設けられており、償還時にお金の出し手に約束した以上の利益を還元することが求められます。ファンドの利益を最大化するのがVCの仕事ゆえ、スタートアップへのプレッシャーは相当なものになります。ちなみにファンドは、「ABC1号投資事業有限責任組合」というような名称がついていることが多いです。

機関投資家
具体的には、生命保険、損害保険、年金基金、銀行などがその役割を果たし、資金保有量が大きいため大きな影響力を持ちます。資金源は他の金融機関や金融商品を売った個人から得たお金になりますが、最終的には資金源に利回りや配当等を還元する必要があるため、有望な投資先に投資して利益(キャピタルゲインやインカムゲイン)を最大化することが重要な仕事になります。様々な投資先の一つとしてVCファンドへの投資があり、また自ら直接スタートアップへ投資することもあります。

個人(投資家)
積極的に投資をしている個人と保険の購入等を通じて(本人は自覚がないかもしれないけれども)間接的に投資に関与している個人がいます。資金を厚くしたい機関投資家からは狙われる存在となります。
中にはエンジェル投資家と呼ばれる個人がいて、高リスクを承知のうえで自らの判断でスタートアップへ投資を行います(自分で会社を興して上場して資産家になった人が多い印象)。

以上スタートアップの資金調達に関するお金の流れとプレイヤーについて簡単に説明しました。
実は私たち個々人が金融機関に流しているお金は彼らの裁量の元スタートアップにも流れています。スタートアップはどこか遠い存在というわけではなく、自分たちのためにも応援した方がよい対象だということに気づいていただければうれしいです。

追伸)スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズでは備忘の意味も込めて書き綴っています。各種質問やこんな話題を取り上げてほしい等のリクエストがありましたらご連絡いただければ幸いです。


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