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今年IPOした会社の今

スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ

IPO企業をベンチマークに

IPOを念頭にマーケットの状態を観察するのもCFOの仕事です。世の中お盆休みということもあり今回は軽く今年初めから7月末までに新規上場した会社の状況を見てみます。

7月末までに新規上場した会社は52社あります。業種ですが、
サービス15社
情報通信15社
医薬品5社
不動産3社
建設2社
小売2社
その他10社
であり、サービスと情報通信でおよそ6割を占めます。

時価総額で見ると
企業の評価にはいろいろな見方がありますが、その企業の全体がどう評価されているかを見るには、時価総額が一番の指標になると思います。
結果は、1,000億円以上は4社(トライアルホールディングス、タイミー、リョーサン菱洋ホールディングス、サムティホールディングス)ありますが、その内3社はホールディングス化に伴うものであり、本当の意味での新興企業は、タイミー1社のみです。
一方100億円未満の会社は30社と約6割を占め、小粒上場が多くなっている現状は変わりありません。

図1.新規上場企業の時価総額(百万円/8月15日15時)

改めて業種別に見てみると、サービス及び情報通信は上場企業数も多いものの、時価総額で見ると1,000億円~14億円とピンキリなことが分かります。医薬品は比較的時価総額高めとなっています。
個別にみると、やはり時価総額が高くついているところは前評判がよかったり、業界で噂になっている企業が順当に並んでいる気がします。タイミーは有名処の投資家が入っており、アストロスケールは宇宙銘柄ということで高評価、またソラコムはKDDIからスイングバイIPO(一度大企業傘下に入って大企業の力を借りて業績を伸ばした後IPOする)をしたことで有名ですね。

図2.時価総額(サービス/情報通信/医薬品)

この先もサービス業、情報通信業でIPOを目指すところは多いと思いますが、自社と類似した企業の財務諸表やビジネスモデルを深堀りすることで自社をより高く評価してもらう手立ても見えてくると思います。
なお、世のトレンドやマーケットサイズ、ポジショニング等考えるべき事項をきちんと考えきった企業が上場後も高い評価を受けるという当たり前の事実も忘れてはいけないようです。

追伸)スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズでは備忘の意味も込めて書き綴っています。各種質問やこんな話題を取り上げてほしい等のリクエストがありましたらご連絡いただければ幸いです。


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