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CFOは営業だというお話

スタートアップのCFOをやって分かったことシリーズ

資金調達とソリューション営業の類似性

会社はお金がないと運営できません。そして数あるCFOの業務のうち一番重要ともいえるのが資金調達です。
資金調達というのは本業の売上以外のところからお金を調達する算段をいいます。会社の成長性に応じて価値を算定したり、出資者を募ったりする金融の仕事ですが、実はソリューション営業(提案営業ともいいます)とプロセスがとても似ていると思います(私はかつてソリューション営業側だったのでこの整理で腹に落ちています)。

7つのステップ

ソリューション営業の場合は自社製品・サービスの価値をアピールし、資金調達の場合は自社の価値そのものをアピールするという点で、それぞれ方法論やツールは違うのですが、細かいことを除けば両者ともにおよそ以下の7つのステップから成ります(図1)。

図1.資金調達とソリューション営業のプロセス比較
  1. アプローチ
    売り込みたい相手を探して面談をする機会を得ようとします。初回面談の大きな目的は話が次に進むように興味を持っていただくことです。使うツールとしては、会社案内、リーフレット、デモ等があげられます。

  2. 情報交換
    情報提供を通じて自分たちへの興味をさらに深く持っていただくようにします。仮説をもとにしたディスカッションペーパーなどをツールとして使ってお互いの認識合わせをしていくのも重要です。

  3. 提案
    ある程度機が熟したタイミングで、具体的な提案を行います。ソリューション営業であれば提案書や見積書、資金調達であれば事業計画書や資本政策などを使うことになるでしょう。

  4. 検討
    提案先における検討が進みます。資金調達であればデューデリジェンスが待っています。質問事項への回答や条件面での交渉など様々な関門が待ち受ける場面で臨機応変な対応が求められます。ここに至るまでに相手との人間関係を構築しておくのは必須ですね。

  5. 稟議・決裁
    担当者は味方をしてくれているのに決裁権を持つ人から反対されるというのはよくある話です。稟議の後押しをするにあたり、事前に決裁者を押さえておく地固めも大切ですね。

  6. 実行・導入
    実行時にトラブルがあると大変です。ミスのないように準備を怠らないようにします。プレスリリースを発表する場合など特に慎重に行う必要があります。

  7. フォロー
    実行・導入したら終わりではありません。むしろ始まりです。定期的に状況説明等を行って次回の商談へとつなげていくことが大切です。必要に応じて懇親会など人間関係の深耕もあった方がいいでしょう。

以上ざっくりと概要について記しました。いかがでしょう?
もちろんそれぞれのプロセスでもっとテクニカルな話はありますが、詳細はまた別の機会にでも話せればと思います。
資金調達もそうそう簡単にはいきません。CFOも営業だと考えれば、断られてなんぼだという気持ちになれるのではないでしょうか。

なお各種質問やこんな話題を取り上げてほしい等のリクエストがありましたらご連絡いただければ幸いです。

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