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長く着続けられる服を1着でも増やす「fitu」への想いを書き殴った

こんにちは、「fitu」のプロダクトオーナーの神谷です。

今回の記事は「fitu」というブランドの情緒的観点での立ち上げに至った背景を一部お伝えできればと思います!

「fitu」立ち上げに至った背景

「fitu」というプロダクトを立ち上げた理由の一つに、服を大量に作り、大量に廃棄する現在のアパレルで起きている事象に対して、違和感を感じたことです。

たくさん作られて、捨てられる。
安く買って、すぐ捨てる。

ずっと違和感が残っているけど、自分もその中の当事者である事。
否定はできない。肯定したくないけど、肯定するしかない事実。
でも、なぜかモヤっとする。
この思考プロセスをずっと数年間繰り返していた。

自分なりに解を求めてたどり着いたオーダー

数年前色々なセレクトショップに在籍して時の違和感や葛藤を抱えて、アパレルの構造上の歪を何か変えることができないかと思い、IT×オーダースーツの会社に入社した。
理由は、テクノロジーを活用したマスカスタマイゼーションこそ解決の糸口になると思ったからです。
理由はテクノロジーで変えられると思ったから。
オーダーであれば、受注生産であり、自分にあったサイズになることで作りすぎない。ITで効率化することで中間マージンの削減により、正しい金額でエンドユーザーに価値提供できる。
その志を胸にIT化が遅れているアパレル業界に変化を生むため、事業開発に邁進していた。

気付いたお客様とのギャップ

そんな中、オーダーという解を追えば追うほど理想と現実のギャップが生まれていった。自分の中で問いが生まれた。

オーダーで大きな変化は生むことができるか?

結論として解決する可能性はあるが、現段階では不可能だと判断した。理由はデザイン性とコスト。
まずデザイン視点で言うと、デザインはパターンやサイジングによって大きく変わる。カジュアル領域に行くとジャストサイズが正である世界ではない。その為、デザイン観点を入れたデータ設計は非常に難しく、設計が困難であること。
また、コスト視点で考えると、現在の既製品とのコストバランスでは圧倒的に割高になる。
はっきり言って、それでは全体に波及しない。

ビジネスモデルを変える初手が必要

だからと言ってあきらめてしまっては、環境というインフラを無視することになる。また同じ事を繰り返すことになる。
そう思ったことがきっかけの一部ではあるが、アパレル業界に身を置いていたからこそ、自分で行動を起こすべきと腹を決めた。

ドラスティックにビジネスモデルは変えられない、変えてはいけない

ただ、やるべきことはわかったがどう進めて行くかを考えてやる必要がある。
急に大きく変化をすることによるメリット、デメリットをアパレルのサプライチェーンを経験して大きく感じた。
アパレルのサプライチェーンには、いろいろな人たちが関わっていて、そこには生活がある。その生活を無視することはできない。それでも歪が時間の経過と共に根深くなることも容認できない。
だからこそ、少しずつ日々の積み重ねで対話しながら、微調整していくことが求められる。
余談ですが、私は登山をする。
登山は一歩一歩の積み重ねしかない。楽はない。
でも積み重ねると見える景色が変わる。
景色を変える、変化を起こすには、自分の足で動くしか方法がない。
ただそれだけ。

アパレルのビジネスモデルにアジャストさせながら微調整していく

話は戻って、、、、、
ドラスティックに構造を変えれないアパレルのビジネスモデルだからこそ、あるべき状態を描きながら、現行のビジネスモデルの流れにアジャストさせていく必要がある。
まずは流れに乗りながら、少しずつ舵を切っていくイメージである。
変化を埋める仕組みを組み込む必要性があると判断した。
その判断の結果、生まれたサービス。それが「fitu」です。

始まりは支流から、やがて大きな大河に

最初は今回リリースした裾上げ、丈調整のサービスです。
まず生産されているものを有効活用する為には、お客様に合ったサイズ規格に微調整できるような仕組みが必要です。その上で、調整データを活用して生産見直しを図ります。
リペアというものが購入導線上に組み込まれ慣れ親しんだサービスになったタイミングで、着用している服やクローゼットに眠っている服を長く着れるサービスを立ち上げていきます。
最終的には、出口である廃棄や回収もブランディングやパフォーマンスではなく、本当に必要な人や着用できる人に循環するようなスキームの構築を目指します。

塵も積もれば山となる。1着を着続ければ、未来が少し変わる。

あーだこーだ専門家ぶって何を言おうと、警笛を鳴らそうと、変える為には行動しかないと思っています。

言葉よりも、行動を。

私の好きなブランドパタゴニアのステッカーにもある言葉。
だから、自分で立ち上げたのが「fitu」というリペアエコノミーを推進して、アパレルのあるべきエコシステムを構築する事を目指すサービスです。
最初は、購入時のサイズ調整という今起きている課題に対してクリティカルではないことはわかっている。
それでも現在のビジネスモデルと、やりたいコトのバランスを取ってアジャストしていくしかない。そうしないとキャッシュアウトして、何も変えられないままになってしまう。
その為には、一番お客様のタッチポイントの多いところでリペアを少しずつ浸透させて未来を微調整していきたい。

未来を楽観せず、悲観せず。
ブレずに、できる事をただ愚直に。愚直に。


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