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「よびし通信no.30」5年間発行してきて初のYOBISHIプロジェクトの紹介記事です 

よびし通信no.30 令和6年4月号発行しました。
滋賀県多賀町内には全戸配布されます。
YOBISHIプロジェクトの活動が、飲食店と勘違いされることが多く、初めて活動のコンセプトなどをno.30の節目で書きました。

よびし通信no.15までは、イベント告知メインのチラシでした。
デザインして印刷して、イベントが終わったら捨てられるのがもったいなくて・・・。どうしたら捨てられないのかスタッフと考えて辿り着いたのが、このまちの伝えたい郷土料理レシピを載せることでした。
バックナンバーは、「よびし通信」マガジンからご覧いただけます。


多賀のお母さんから学ぶ食の知恵と技

【イタドリ炊いたの】


▶ぶつ切りにしたイタドリをニシンと炊くのが、イタドリの定番調理方法。多賀町川相、大君ケ畑、佐目はこのスタイル。他の地区もあるかもですが、まだ確認記録ができていません。代々つながるうちの味、こだわりの記憶を記録していきたいです。
▼100年フード、今回は佐目でお姑さんから受け継いだ味を記録。四月末頃になると、家族総出で山にイタドリを採りに行ったんよ。おじいちゃんに、「あんたは紐を持って行き」言われて、急斜面に登って。採ったイタドリを紐で束ねてはその場に置いて。子どもらは、よもぎ採り。採って来たイタドリは糠と塩で漬けて保存していたそうです。法事の時や、「おとりこし」の時に使います。今は「けだし」まで終わったものを冷凍保存するそうです。

けだし済みのイタドリ

【イタドリの「けだし」は、ほんまに重要!】

 
▼イタドリは、そのまま加熱調理すると、ドロドロにとろけてしまいます。何度も書きますが、けだしが肝心。
▼採ってきたイタドリは葉と穂先を取ります。皮は剥かずに一口サイズに筒切りにします。酸味を取るため水に晒す作業を「けだし」と言います。酸味が少しでも残っていると、とろけてしまいます。その後、かじって酸味がなくなるまで水に晒します。井戸水を出しっぱなしにして2~3日晒します。「けだし」後に、お湯を沸かし、さっと10秒弱、湯にくぐらせて直ぐに水に引き上げます。

イタドリは葉と穂先を取る

【ニシンを切る】


▼ニシンを1.5㎝くらいにハサミで切ります。固くて、包丁で切ると刃がこぼれてしまいます。ソフトニシンで作ったこともありましたが、出汁の出方がいまいちだそう。身欠きニシンは水で戻さず、切ったらそのまま炊いていきます。

【イタドリとニシンを炊いたの】


[イタドリ(けだし済のもの)1㎏・A身欠きニシン2本・水1.5カップ・Bだしパック1袋・酒100㏄・みりん100㏄・C出汁醤油100㏄]
①A身欠きニシンと水を鍋に入れて5分ほど煮ます。ニシンの出汁をとります。


②①にイタドリを入れます。鍋を返して出汁をなじませます。出汁パックを入れて20分ほど煮ます。
③B酒とみりんを入れて柔らかくなるまで蓋をしてさらに10分ほど煮ます。お箸で混ぜるとつぶれるので、時々鍋を返します。


④柔らかくなったら、C出汁醤油を入れます。固いまま塩味を入れると、それ以上柔らかくならないそうです。さらに20分ほど煮ます。

【『食から日本を考える。NIPPON FOOD SHIFT FES.大阪』に参加】


▼1月16日、農林水産省主催のイベントにオファーいただき参加、多賀町の食文化を紹介、登壇してきました。「ニッポンフードシフト」とは、下記引用します。

「食」は人を育み、生きる力を与え、そして社会を動かす原動力となるもの。いうまでもなくすべての人は「食」と無関係で生きることはできません。・・中略・・「食」について考えることは、これからの社会を考えること、人の生き方を考えること。今こそ、変えるべきは変え、守るべきは守り、新しい挑戦を応援しながら、この時代にふさわしい日本の「食」のあり方を考える機会ではないでしょうか。消費者、生産者、食品関連事業者、日本の「食」を支えるあらゆる人々と行政が一体となって、考え、議論し、行動する国民運動「ニッポンフードシフト」始まります。

農林水産省HPより

▼FANTASTIC MARKETがコラボして同時にマーケットが開催されました。マーケット会場にYOBISHIもお声がけいただき、多賀町の紹介をして来ました。登壇の様子などリンクからご覧ください。

グランフロント大阪 北館 にて YOBISHIブース(中央)
土井コマキさん みんな農園さんと
YOBISHIの活動を少し紹介しました (YouTubeリンク


よびし通信 表面

活動の記録

【YOBISHIプロジェクトのことを紹介します】


▼ 「たがの たべるを つなぐ」食文化継承をテーマに、 地域の魅力を記録し物語を伝える活動をしています。公民館建設に伴う社会教育活動がきっかけで生まれたプロジェクトです。2019年4月に発足。食文化に関心がある学生や、町内外のメンバーで構成されています。多賀町立文化財センターが事務局。官民協働の活動です。
【どんな活動をしているの?】
▼「よびし せんならんことが のうなったわ(寄合の おもてなしを しなければならない事が なくなったわ)」とよく聞きます。冠婚葬祭が外注されるようになり、また、日常の食もこの30年でがらりと変化しました。おもてなしをする側にとっては、大変な労力ですが、非日常の楽しみ。それぞれ思い出の「ものがたり」があります。そのような、食にまつわる情報を集め記録しています。食の背景の聞き取り、レシピの記録、写真撮影、動画撮影にも力を入れています。 時代に合わせ、 手軽で簡単に作れる方法を提案することにも取り組んでいます。記録は、ワークショップや展示、SNSなどで随時発信しています。

【活動から広がったこと】


▼まちの方々から、「こんなん作るよ」とお声がけいただけることが増えました。本当にありがたいです。
▼文化庁[100年フード「よびしの食」]認定は、調査記録の活動が実ったものです。百年前から続く食を百年先まで伝えるを目的にしています。農林水産省[和食文化継承リーダー]は現在4名認定を受けています。今年度も数名認定を受ける予定です。同じく農林水産省[食から日本を考える。NIPPON FOOD SHIFT]推進パートナーにもなっています。

よびし通信 裏面

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