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小説の神様(相沢沙呼)


概要(背表紙より)

僕は小説の主人公になり得ない人間だ。学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない……。
物語を紡ぐ意味を見失った僕の前に現れた、同い年の人気作家・小余綾誌凪。二人で小説。合作するうち、僕は彼女の秘密に気がつく。彼女の言う"小説の神様"とは? そして合作の行方は?
書くことでしか進めない、不器用な僕たちの先の見えない青春!




ライトな青春ドラマで読みやすかったです

相沢先生は、霊媒探偵やマツリカシリーズを先に読んでいたので

本作は綺麗な雰囲気でなかなか新鮮でした

小説を書く人の想いを綴った物語、

私自身、たまに思い立って創作することがあるので

主人公、千谷一夜と不動詩凪が抱く自己否定感、自信の喪失と執筆への恐れには共感できる部分もあり、

二人を応援する心持ちで読み進めました

ーなぜ小説を書くのかー

自分の物語を否定されながら、二人はたった一つの問いに苦しみます


願いと祈り。
手にした文庫の表紙を、見つめる。
ここに綴られた、偽物の物語。
嘘っぱちの自分。
叶うことなら、僕は、この嘘っぱちの自分になりたい。
傷ついた女の子の元へ、全力で駆け付けていく、そんな嘘っぱちの勇気が、欲しかった。
(引用)


これは、千谷一夜の一つの答えでした

小説は作家の願いと祈りが籠もったメッセージ。

言葉にできない想いを一つの物語に包み込む

偽物かもしれないけれど、いつか本物になることを信じて

小説を書くというのはそういうことで、

小説の神様とは、祈りを捧げる対象なのでしょう。

ふわっと心が温まり、物語を書いてみたくなる

そんな一冊でした

おすすめです

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