マカオはそれをやってのけた~一人は皆の為に~
香港から南西約70㎞の距離にあるマカオ。
香港からはフェリーでお気軽に1時間ちょいで行けちゃいます。
面積は約30.5㎢(南北に約11km、東西に約4km)で東京世田谷の半分くらいとマカオ政府観光局のサイトに書いてありました。
マカオも香港同様、昔は海外に割譲されていた所です。そう1999年にポルトガルから返還されるまでは。(注:香港は1997年にイギリスから返還)
香港も面積は小さいですがそれでも1110㎢で、大体北海道札幌市よりちょっと小さいくらいです。
何がすごいかって去年の567発生から今まで1年余りの間で、
マカオは感染者数は49人。
期間全体の感染者推移グラフで見ると、こう↓↓
7か月間連続でゼロ感染↓↓(今年の1月まで)
でもそれも、海外からの帰国者の感染(行先の一つは日本でした・・)であり、マカオ在住市民の中だけで見ると、379日連続で新型コロナ市中感染例なしを達成中です(こちらは4/13日現在なので今日は382日目かな~)
何がすごいかと言うと、まずは人口密度の圧倒的高さです。
世界196か国のうち、マカオの人口密度の高さは世界第一位です。
21450人/㎢
1キロ四方に21450人が立っているイメージ(不可能レベル)
香港はマカオ、モナコ(約19000人/㎢)、シンガポール(約8100人/㎢)に続き世界第四位で
6787人/㎢
(上のサイトにはモナコ自体載っておりません。が、2020年版で最新だったので引用致しました。(;^ω^) )
っていうか以前はずっとモナコが一位だったところ、マカオが抜いたという話ですので。
ちなみに日本も人口密度は高い方で上位3割にはランクインしていますが、
334.6人/㎢
桁が二つも違います。
マカオや香港に比べると国土面積が広いのと、東京一つで人口密度が
約6300人/㎢、プラスその他大都市幾つかで日本の人口密度を爆上げしているだけです。
この人口密度比較からだけでもわかる通り、マカオは普通に密×密×密な環境であるにも関わらず、早々と外からの入境者をシャットダウンすると、長い長い守り期間に突入したのです。
マカオの驚くべきところは人口密度の高さだけではありません。
ご存知の通り、マカオと言えば
カジノ!
カジノと観光の街であるマカオの人口の約8~9割が、カジノで働いています。このように鎖国状態になり、マカオ庶民全体が開店休業状態となり、生活はとても大変だったことでしょう。
しかし実際の結果として、今現在に至るまでマカオはわずか数回の平和的なデモがあっただけで皆黙々と耐え続けました。
最近は各国各地で「個人の自由」だけが重視され、この香港でも、やれ「運動している人は呼吸しづらいと大変だから、野外で運動中の人はマスク不要にしろ」(←実際可決された法案)、やれ連休前になると感染者数が減ってなくても何故か人数制限が緩和されたりと、優柔不断な迷走が続いています。
もちろん、経済活動を回して行かなければという面も完全無視というわけにはいかない、多くの国も命と金の板挟みで喘ぐ中、マカオは誰にも褒められず、誰からも脚光を浴びる事もなく、ただ黙々と、淡々と、超過密環境の下で382日連続市内感染ゼロという偉業を成し遂げたのです。
一人はみんなの為に
皆がそうおもっていなければ、どうしてこんな事ができたでしょう。仕事もできず、移動もせず、密集状態で。
でも「一人はみんなの為に」という努力が出来る為には社会に連帯感がないと到底無理な事です。
だから、庶民が黙々と耐え忍ぶ陰には、もちろん政府の手厚いサポート体制がありました。
2002年に長きにわたる何鴻燊(スタンリー・ホー)が独占してきたカジノ業の門戸を海外に開放し、アメリカラスベガスからのカジノも招き入れ、2018年には世界最大のカジノ設備を有するまでになり、マカオの財政は潤いました。
マカオ政府は2008年からインフレ対策や富の還元と称して毎年市民一人当たり13.7万円相当を支給し続けてきました。今年は14年連続だそうです。
詳しくはこちらのニュースをご参考下さい↓↓
また、マカオ市民であれば医療費、教育費も全て無料である他、その他にも567見舞金として電子マネー7万円支給されることが今週発表され、しかも何か消費する度に25%割引もされるらしいのです。
世界がこの567禍の中で、感染者が右肩上がりで増加しています。(赤丸をつけている所を表示する為に部分抜粋しています。)
ちなみに香港はこう。
香港も、人口密度の割に頑張っています。政府も早い段階で一人当たり約10万円を支給してくれた後は、布マスクを何度も送って来たり、この夏には更に電子マネーで約7万円の支給を予定しています。
一人は皆の為に、という庶民の一人一人の我慢も、政府がその我慢に見合った補償をしてくれて初めて頑張れる、と思います。
持ちつ持たれつ。 市民の頑張りに政府も応えてくれる。
そんな血の通った社会なら市民も頑張り甲斐があるのに、とマカオの状況を見ていると、そう思わずにいられません。
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