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離れて暮らす親への食のサポート「冷凍料理便」

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料理の基礎トレーナー・管理栄養士が自身の10年以上続けている離れて暮らす親への食サポートについての経験を書いています。最初は「もっといい方法ないかな?」と思うこともたくさんありま… もっと読む
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1)「親は大人」だからこそ色々あるのだ

1)「親は大人」だからこそ色々あるのだ

私はYouTubeで時々「離れて暮らす親への食事サポート」の話をしています。ずっと食・料理に関する仕事をしていますがこういった「介護」に関わる話は体験がある方にはピンときていただけるのですが経験がない方にとっては本当に関心がないのではないかと思います。

また状況は人それぞれなので「(親の介護に)備える」というのもなかなか難しいように思いますが体験したことや考えたことを発信していくことで私自身さら

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13)高齢者の気持ちの特徴2「不機嫌は不安の裏返し」

13)高齢者の気持ちの特徴2「不機嫌は不安の裏返し」

以前の記事で「遠距離介護は本人のゴキゲン維持が大事」ということを書きました。

ゴキゲンであればコミュニケ―ションも比較的潤滑。不機嫌だといろんなことを言ってきます(うちの場合 例:悲観的なことなど)。また考え方が暗くなることによって食欲減退や食べ方の偏りも一層強くなるような気がします。すると体調にもきっと影響しています。体調が優れないことによってより不機嫌になる、このあたりは本当に「負のスパイラ

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15)在宅介護や入院時の洗濯の救世主

15)在宅介護や入院時の洗濯の救世主

親が入院して週1回の洗濯ものを取りに行って洗濯をする、ということが必要になったとき、「こういうものなのか!」と思ったことの一つが「洗ってもほんのり残る尿臭」です。

ご自身で用を足すことができれば「尿臭問題」は無いです。状態は人によります。

自身で用が足せない場合、介護用おむつ生活となるのですが、1回1回使い捨てのものであっても「尿が漏れる」と肌着などにつき着替えが必要です。病院側でさっと水洗い

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14)料理を作ってあげるより大切なこと

14)料理を作ってあげるより大切なこと

実家の高齢親に料理を作って定期的に送っていました。それは離れて住んでいて「自分にできること、相手の助けになること」と思っていたし実際に必要なことだったと思っています。

また時々実家に行ったときには作り置きして帰ってきました。親の状態が気がかりで毎週実家に行っていた時期もあって「仕事」のような感覚もありました。
そうすると「次回は何を作ろうか」を常に考えていて「作ること」に気が集中しがちです。

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11)人はいくつになっても体力の維持、向上は可能だと信じている

11)人はいくつになっても体力の維持、向上は可能だと信じている

高齢期の食生活に興味を持った大きなきっかけは「介護予防講座」で講師を務めたことからでした。

自治体の「介護予防講座」でスポーツトレーナーさんは運動を、歯科衛生士さんは口腔ケアについてを、管理栄養士は食生活についてをお話しするというものでした。

受講者が中年期の場合は「メタボ予防」「生活習慣病予防」がテーマになることが多いのですが、高齢期では「生活習慣病予防」も大切ですが「低栄養(栄養素やエネル

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12)高齢者の気持ちの特徴1「感性が鋭い」

12)高齢者の気持ちの特徴1「感性が鋭い」

先日noteの記事を読んで下さった方とお話をする機会があって嬉しかったです。
その時に「自分の高齢の親とか祖父母と上手くコミュニケーションをとるには?」という話になりました。

すごく個人的な意見なのですけどこの記事では自分の親とか、仕事上で合ったご高齢の方々と接してきた中から思う「気持ちの特徴」について書いてみたいと思います。

その1「感性が鋭い」。
特に「この人は自分のことを大切に扱っている

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10)遠距離介護でいつも思っていたことは「ゴキゲンの維持」

10)遠距離介護でいつも思っていたことは「ゴキゲンの維持」

「実家に料理を送っている」という話をすると「へえ~」というあまり興味がない反応か、「えっ!なんか大変そうなことしてるんだね」という反応が返ってくることが多かったのですが、近年「私も!」という方が身近に増えてきました。

また細々と発信しているYouTubeライブ(と、インスタグラムライブ)でも「勉強になります!」というお声をいただくことが増えてきて嬉しく思っています。

この「送る」ということです

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9)大人親子の美味しい食卓 冷凍・作り置き レンジで簡単「万能 鶏そぼろ」

9)大人親子の美味しい食卓 冷凍・作り置き レンジで簡単「万能 鶏そぼろ」

ひき肉がお買い得な時にまとめ買いして、小分けにして冷凍したり、一旦調理していつでも使えるようにしたりしています。
調理ものの中ではとても手軽ですが、使い勝手が良いのが「鶏そぼろ」です。噛む力が弱い親にも食べやすく好評です。

下記は電子レンジでの作り方ですが、鍋でもできます。

冷凍しておいても重宝 レンジで簡単「鶏そぼろ」

・鶏ひき肉(ももでもむねでも)150g
・砂糖大さじ1
・酒大さじ2/

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8)実家で親と食べるおやつレシピ「うーん、これは売れるよ!○○円で!!」

8)実家で親と食べるおやつレシピ「うーん、これは売れるよ!○○円で!!」

今回は実家で作って高齢の親からとっても好評だった1品(ちなみにビジネスパーソンのお食事の集いでも好評いただきました)。
老若問わずおすすめします!

◆かぼちゃのモンブラン

かぼちゃとクリームチーズにお菓子としてはひかえめな砂糖と、甘さを引き立てるごく少量の塩を混ぜ込んだクリーム。シンプルながらもとっても深い味わいです。トッピングのホイップクリームは無くても良いのですが、ふんわりとしたクリームの

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7)送る料理、煮物の味加減は本人に任せる

7)送る料理、煮物の味加減は本人に任せる

料理を送り始めた最初のころを思い返すと、「親が好みそうなものを」と思って作っていました。うちの場合はいつもの料理より「ちょっと柔らか」ければ多くのものが食べられます(例:6)でしたような工夫)。

「なるべく食欲がわくように」「口に合うように」と頑張っていましたが
そこで困ったのが「味加減」。煮物類に関して母は「味がしっかり、濃いめ」が好きなので、普段よりややしっかり目につけていました。

こちら

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6)自分も親も食べられる「柔らかさ」

6)自分も親も食べられる「柔らかさ」

噛む力が弱い親のために、実家に行って料理を作ったり、作ったものを冷凍で送ったりしてきたのですが、ポイントは「柔らかく、歯切れよく」です。

「噛むj」というのは本来すごく大事ですよね。
・口の中の筋肉を使う
・噛むことで味わいがより豊かになる
・食べ過ぎることを防ぐ
・消化しやすくなる
・唾液が出やすくなる
・脳への良い刺激も得られる、と言われている

義歯が合わない、その他理由で咀嚼力が弱いから

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2)親の「元気期」→「今までと違ってきた期」に気づくのって大事だと思う

2)親の「元気期」→「今までと違ってきた期」に気づくのって大事だと思う

離れて暮らす親へのサポートとして「冷凍料理便」を送り始めたのが11年くらい前だと思うのですが、それより前に料理を送ったことがありました。
その時はたまたま果物か何かを送ろうとして「(実家ではあまり作らなそうな)ちょっと変わったもの」をついでに一緒に送ってみよう、くらいの感じで、本当に初めて送ったのです。

それ以前は実家にも年に1~2回くらい行くくらいでその時は何かを作ることもありました。ですが、

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3)「親への料理便」最初は市販もの+手作りもの1~2品

3)「親への料理便」最初は市販もの+手作りもの1~2品

離れて暮らす親へのサポートとして「冷凍料理便」を送り始めたのが11年くらい前。今までより親の体力が落ちてくる中で最初は好物の「果物」とか
デパ地下の「漬け魚ミックス」とかレトルトのおかゆや味噌汁だったと思います。

「送ったよ」と電話すると「何を送ってくれたの?」と嬉しそうに話す親、これらはいずれも好評でした。基本的にご飯は炊いていておかずが偏りがちだったので「焼くだけ」などは十分できるころでした

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4)「親への料理便」試行錯誤を経てベストなのが「冷凍・ポリ袋パッキング」

4)「親への料理便」試行錯誤を経てベストなのが「冷凍・ポリ袋パッキング」

離れて暮らす親へのサポートとして「冷凍料理便」について書いています。
市販もの+手作りものを送り始めた11年くらい前。最初は宅配便・冷蔵を使っていました。そうなると送りやすいのが「漬け魚」とか「果物」とか調理済みだと「サラダ類や揚げたもの」。逆に親が好きな「煮物」だと
「汁が漏れてしまいやすい問題」があり、漏れないように「タッパー」→さらに「袋」というのも「厳重すぎるのが嫌になる」また「タッパーが

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