エウテルペ

老いや死、生き方に触れる映画や本を読んで色々考えることが多いです。その他雑多な思い出記…

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老いや死、生き方に触れる映画や本を読んで色々考えることが多いです。その他雑多な思い出記録。

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西新井、舎人ライナー、日暮里散策。

    • 一生 死ぬまで 頑張り続けなきゃならないのが人生なのか 仕事を変えれば もっと穏やかに生きられるのかもしれないが 何をやろうが 自分を追い詰めない生き方はできないのかもしれない いつも元気ですねと言われるたびに 無理してるに決まってるだろ とも言えず 疲れた。

      • 顔。

        地下鉄が好きじゃない 景色が見えず 鏡のように トシを感じる疲れきった顔が映り 目を背けたくなる 若さ、に 価値を見出さない、若さは未熟さとしかとらない年下の男性に愛されつつも 彼が私を選んだのは 実年齢より10から15若く見える顔立ちのせいかもしれなく 朝、鏡の前で装う時には きりっと紅をひき まだ 女盛りのつもりで姿勢ものびるが 若く端正な恋人に寄り添って 地下鉄の窓に映り込む自分に どうしてもひけめを感じてしまう 自分が 彼に釣り合うのか 不安は消えない

        • 洗う幸せ

          お箸と箸置きを買った。 逃げるように独りで暮らしてきて 割り箸しか要らないから束でまとめ買いしてた。 たまの休日には彼に夕飯をこさえるようになり 割り箸のストックを2人で使い切ったら お箸、買うね と なくなったよ と言うと よかったね とからかう つまらないことにはしゃぐ私に いつも よかったね と半ば呆れて笑う もう一度 ご飯をこさえる楽しみも 一緒に食べる喜びも 与えてくれたのは彼で 洗って繰り返し使う、というのは それこそが暮らし めんどくさいの

        西新井、舎人ライナー、日暮里散策。

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        • 一生 死ぬまで 頑張り続けなきゃならないのが人生なのか 仕事を変えれば もっと穏やかに生きられるのかもしれないが 何をやろうが 自分を追い詰めない生き方はできないのかもしれない いつも元気ですねと言われるたびに 無理してるに決まってるだろ とも言えず 疲れた。

          セイフ・ヘイヴン

          ラッセ・ハルストレム映画ということは 破壊と再生が間違いなくテーマである。 ものすごく雑に粗筋を言えば 彼の映画に凄惨な悲劇はなく、タイトルからして安住の地だし 恐ろしい目に遭い、警察から まあ、彼女を追う相手がほんとに警察なのかとうかがネタバレに絡みますが 逃げて長距離バスで南部に向かった女性が、途中の静かな港町に仕事と家を見つけ新しい恋をする。 相手の男性も 亡くした妻を愛するあまり前に進めないでいたが、次第に彼女に惹かれてゆく。 男性には幼い子供たちが

          セイフ・ヘイヴン

          甘えてほしい

          恋人は 今から帰ると知らせるメールにいつも 疲れた と 私は それが嬉しい 男として常にカッコ良くありたがる彼が 疲れや痛みをちゃんと言葉にしてくれる 前の夫は 疲れたも 仕事の愚痴も 一切、言わないひとだった 最初は 男らしくてかっこよくも見えたわ 寂しかったけど でも 終わった理由が結局 会社が倒産してたのに 話してくれなかった 仕事は家庭に持ち込まない、とカッコつけていたから いつもムスッとお酒を飲むばかりで 気遣っても いいや別に しか 私

          甘えてほしい

          こんなによくしてやったのに 何でも欲しいものは与えたのに あれだけ愛してやったのに 親が子供に 恋人や伴侶が 自分から逃げていく相手に 感情は 愛は 自分がどういうつもりかには意味がないのよ 相手がどう 感じたか理解したかが 全て そんなつもりじゃなかったも 意味ないわ

          こんなによくしてやったのに 何でも欲しいものは与えたのに あれだけ愛してやったのに 親が子供に 恋人や伴侶が 自分から逃げていく相手に 感情は 愛は 自分がどういうつもりかには意味がないのよ 相手がどう 感じたか理解したかが 全て そんなつもりじゃなかったも 意味ないわ

          有名人の不倫騒動のたび 思う。 平和な日常に飽きてスリルを愉しみたい火遊びも 壊れた結婚という逃げられない牢獄の中で孤独に敗けて 飢えきって温かい腕を求めた悲しい恋も 下卑た フリンという 大衆の酒の肴 どれだけ辛かったろう 孤独だったろう

          有名人の不倫騒動のたび 思う。 平和な日常に飽きてスリルを愉しみたい火遊びも 壊れた結婚という逃げられない牢獄の中で孤独に敗けて 飢えきって温かい腕を求めた悲しい恋も 下卑た フリンという 大衆の酒の肴 どれだけ辛かったろう 孤独だったろう

          自分だけに特別な風景

          お出かけ先の素敵な景色や楽しかった思い出の写真は 私はあまり撮らない。 その時、一緒にいる人とそれを眺める時間のほうが スマホを構える時間より大切だから。 一枚だけ、思い出に。 子供時代、写真が異常に好きな父と出かけると ポーズばかりとらされ 歩いて。振り返って。そこでママと並んで。 辟易した。 父は ファインダーごしの家族と 現像された写真の中の家族を愛した 運動会で ファインダーごしにしか我が子を見ない拍手も声援もしない記録と思い出のほうを愛する親、の典型

          自分だけに特別な風景

          一期一会

          私はやたらと 知らない人に唐突に話しかけられる。道も訊かれるが、通りすがりなのにいきなり、重い話を打ち明けられる。 それはだいたい、中年も過ぎた男女から高齢者なのだが。 公園で昼を食べていたら 隣に60代くらいの女性が座り あのね、おかあさんが死んでしまったの 身なりがあまり清潔ではなく、心を病んだ人なのかもしれないけれど 何歳になっても、おかあさんはおかあさんですから、恋しくて悲しいですね さみしいですね その方は わかってくれてありがとう、ごはん時にごめんね

          川は流れているのか 流されているのか

          仕事先でふと川を眺め立ち止まる。 川は好きだ。流れ続けて淀まず濁らず海を目指す。 実際のところは 川が海を意志をもち目指すわけではなく 高い場所の水がただ 押し出されて低き低きに 純度を下げながら流されているだけだが。 人生に疲れてしまっている。 転がる石に苔は付かず。でも転がり続ければ傷だらけになり小さく摩耗していく。苔は優しく美しいものだと もう若くはない今、しみじみ思う。 人生は川の如し。 押し出されて生まれてしまったが最後、 望まずとも ひたすら終焉の地に向

          川は流れているのか 流されているのか

          無題

          四つ葉のクローバーは踏まれて成長点が傷ついてできる。五葉、六葉もある。 奇形、だ。 それを レアだから幸運だと有り難がる人間は スペシャルなどと呼んでみたり障がいなどと配慮しつつ、障害のある人を疎む。 自分は四つ葉ではありたくない。 息子が幼い頃 少し怖いくらい、四つ葉を見つけてきて私に差し出した。 やがて 手帳は要らないが普通に暮らす努力が要るチャレンジドだとわかり いじめられて成長点に傷をもつ息子には 仲間であろう四つ葉を見つけやすかったのかな と 思ったりもし

          her 世界でひとつの彼女

          OSと恋愛というSF要素こそあれど、辛口のオトナの恋愛映画になっている。ネタバレありの感想です。 手紙の代筆を生業とするセオドアはかつて死ぬほど愛し合った妻キャサリンに離婚をつきつけられ1年も別居しながらサインしようとしていなかった。セクシーな女性とデートしてもテレフォンセックスしても 萎えてしまってどうにもならない。 ある日セオドアは最新の人工知能型OSを購入、最適化のための質問に答え終わったのちに起動し、サマンサと名乗る女性の声をしたOSが秘書兼24時間そばにいる

          her 世界でひとつの彼女

          「ワタシが私を見つけるまで」

          原題は「シングルになる方法」お気軽なラブコメの体裁をとりつつ、自立ってなんなのか 恋愛、人生とは、軽い語り口でけっこう切り込んでくる。 女性のための「おひとりさまバイブル」ね。 なるほど確かに。 NYでの1年を舞台に 彼を切らしたことがないが愛されないし恋に依存してるアリス、太っちょでも毎晩モテモテ、ステディは作らずセックスを楽しむロビン、仕事以外興味ない子供嫌いの産科医メグ、結婚が人生の目的で出会い系にどっぷりのルーシー、それぞれの物語を描く。 原題はハウツービー

          「ワタシが私を見つけるまで」

          「境界線」

          2人ぼっち というのは ほんとうに危ういの 乗り切れない 互いに依存し互いにこうあってほしいと自分との同化を求める 「境界線」という映画がある。2017年のアイスランド映画Netflixで観たのだが(DVDで販売はされてない) 自他の境界線 についての哲学的な物語だと思う 孤島に旅行中にある朝目覚めると 全人類が地球上から消えており、恋人の2人だけが空っぽの世界に残される。 あなたがいれば他になにもいらない それは何不自由ない世界でこその妄言 極限状態で

          「境界線」

          「独立記念日」原田マハ

          誰しも 私にはこれしかない こうするしかない そんな何かがある 自分で望んだのだから 他に今更どうしようもないのだから そういう運命なのだから  自分を支配するのは 他者や 親や 伴侶や 会社や 仕事や 経済的な理由や 運のように 自分自身以外の何か だと 普通 思う 思ってる この本を読み終えると  結局 自分を支配しているのは 自分の中のなにか だと気づく 独立の反対は 支配されている状態だ。 それは 親 恋人 伴侶 会社 過去の悲しみ 恋愛依存症 自

          「独立記念日」原田マハ