「独立記念日」原田マハ

誰しも 私にはこれしかない こうするしかない そんな何かがある

自分で望んだのだから 他に今更どうしようもないのだから

そういう運命なのだから 

自分を支配するのは 他者や 親や 伴侶や 会社や 仕事や 経済的な理由や 運のように 自分自身以外の何か だと 普通 思う 思ってる

この本を読み終えると 

結局 自分を支配しているのは 自分の中のなにか だと気づく

独立の反対は 支配されている状態だ。

それは 親 恋人 伴侶 会社 過去の悲しみ 恋愛依存症 自分の弱さ 逃げ続けてきた何か 欲しがり続けてきた何か

みんなそれぞれ違うが 自分の心を支配する なんらかから 独立すること それを描いた短編集だ

全員が 何かを捨てて何かを掴もうとする。

その 捨てるもの への 執着からの 独立 の物語だ。

今週 半年の別居を経て 離婚した

生計を1人で立てるとか 経済的に自立するとか そんなものはただの自立にすぎない。20歳と22歳の我が子らとて18歳から自立ならしている。

長いこと苦しんでやっと私は「独立」できたように思う。

夫からではない。

孤独や恐怖や喪失感や 平穏な暮らしを失ったことへの恨みや 無責任に妻
を追い出して逃げた夫への怒りや憎しみや 愛情を得られない価値のない自分という自虐や

そういった自分の弱さ醜さや 被害者ヅラからの 「独立」

私は誰かのモノでもないし 誰かなしには生きていけないという甘えに支配される日々から 自分を独立させて自治する。

そして 

私にはもう仕事しかないんだから などという新しい頑なさに決して支配されることのないように。

これしかない なんていうほど 人生は短くもない時代だ。


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