洗う幸せ
お箸と箸置きを買った。
逃げるように独りで暮らしてきて
割り箸しか要らないから束でまとめ買いしてた。
たまの休日には彼に夕飯をこさえるようになり
割り箸のストックを2人で使い切ったら
お箸、買うね と
なくなったよ と言うと
よかったね とからかう
つまらないことにはしゃぐ私に
いつも よかったね と半ば呆れて笑う
もう一度 ご飯をこさえる楽しみも
一緒に食べる喜びも
与えてくれたのは彼で
洗って繰り返し使う、というのは
それこそが暮らし
めんどくさいのかもしれない繰り返しこそが 幸せだと
繰り返せなくなる 終わりを知ると
痛いほどわかる
洗濯も洗い物も 掃除も
明日、一緒に生きるひとがいるから意味を持つし愛しく思う
ほんとは 自分ひとりでも
自分を愛して大事に丁寧に生活すべきだけど
それは、わたしにはとても難しい
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