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タクフォレストリー
2024年4月9日 13:45
1.プロローグかつて田舎の工業高校卒業生は「金の卵」と呼ばれていた。しかし、僕らはバブル崩壊後の入学で、これから深刻な就職氷河期が始まろうとしていた。進学する生徒が就職する者を上回ったのも自分達の代からである。しかし、自分は就職組に入っていた。高校2年になると、大体めぼしい会社が決まっており、授業はろくに受けなくてよかった。ただ部活だけは真剣に取り組んだ。陸上競技の名門校でその全員
2024年4月3日 17:39
1.プロローグ「明日から廃部になります」と突然上司に告げられた。川崎市の某社会人陸上部に所属していた僕は唖然となった。しかし、会社は早期退職制度なるものを用意し、まだ3年目の僕に、退職金200万円を提示してきた。さらに辞めてから1年間は、会社の寮に残ってもいいという。まだ20歳だった僕は、迷わずその条件に飛びついた。世間知らずの田舎者で、当時は、あまりお金を使うことがなく、
2024年3月19日 10:34
1.レッスンコーチとメッセンジャーシドニーオリンピックが終了し、北京五輪が3年後に迫っていた。僕は社会人ランナーとして勤めていた会社を辞め、トライアスロンに挑戦するという暴挙にでた。3年勤めた会社を退職したのだが、しばらくは、辞めた会社の社員寮で暮らしていた。そこは、「退職しても1年間は残っていい」という親心のような緩い規則があった。今から思えば、会社を辞めた人間が、その社員
2024年3月12日 12:04
1.さらばゴールドコーストトライアスロンのプロになるとオーストラリアまで来たものの、すでに気持ちが折れ、限界を感じていた。クイーンズランド州ゴールドコーストにある、トライアスロンのクラブチームに通い出して、もう半年近く経とうとしていた。「自分じゃ、無理かも、、駄目だな、、、」と自己不信に陥り、半ば腐っていた。そんな中、雄一くんとの出会いによって、引退を意識し始める。僕はこっちのト
2024年2月17日 19:59
1.オカンの仇キャットという名の大型犬とお婆さんの物語を書きたいと思う。引っ越して間もない頃、我が家に生まれたばかりの子犬がやってきた。真っ黒で小さくて、何かに怯えているのか、ずっと震えている様に見えた。「さぁ、ご飯だよ〜」とドッグフードを与えても食べようとせず、何故かキャットフードを好んで食べる。キャットフードばかり食べていたので名前がキャット。名付けたのは親父で、これか