書評「悪について」
本日の言葉。
「良心なき知識は人間の魂を滅ぼす」
(ラブレー)
本の紹介
著者は、エーリッヒ・フロムです。
社会心理学者で、「愛するということ」「自由からの疾走」他、複数の著書があります。
「悪について」という著書に出会ったのは、「高学歴モンスター」という本の参考文献に挙げられていたからです。
感銘を受けたのは、1964年の著書にもかかわらず、「ナルシスト」について注目していることでした。
ナルシストとは、
自分をこよなく愛し、
陶酔している人を指す言葉です。
ギリシャ神話に登場し、水面に映った自分の姿に恋をして水死した「ナルキッソス」の名前が由来とされます。
自分の人生の主人公は自分です。
自分を愛することは大切です。
しかし、自分を溺愛する、つまり、自己中心的な態度は、他人を犠牲し、最終的には、自己破壊に至るリスクを伴うことがあります。
行き過ぎたナルシストの事例
身近な事例としては、
「モンスターペアレント」
が挙げられます。
モンスターペアレントとは、過剰な要求や不当な要求を行う保護者を指す言葉です。
まあ、要は、クレーマーです。
最近では、クラスメートの中に、嫌いな子がいるからと、学校の先生に自分の子に都合が良いようにクラス替えをしろという事例がありましたね。
合理的配慮が認められる例は、子どもがいじめの被害者だったり、対人関係を築くのが困難な発達障害を持つ子どもあたりでしょう。
近年、保護者対応などの業務が増え、長時間労働になっている影響もあり、若年層の教員希望者が激減しています。
さらに、教員の休職および退職者増加に教員補充がままならず、授業ができないケースが出てきています。
親の過剰なナルシシズムが、日本の教育システムを崩壊し、子どもに教育を受ける機会を喪失させ、最終的には、未来の日本を担う若者を弱体化させているわけです。
大人が日本を崩壊させているのです。
過剰なナルシストにならないためにできること
私自身の考えですけど、
身近に感謝できることにフォーカスすることが、
バイオフィリア(生への愛)につながると思います。
日本が平和なおかげで、スマホひとつで、ネットショッピングもできるし、SNSに自由に書き込める世界を満喫できています。
これが、以前の日本のように軍国主義国家ならば、あらゆる自由行動が制約され、中には、警察に連行され、拷問にかけられることもありえます。
私は、日本の公共交通機関の運行時刻に遅れないことにスゴさを尊敬の念を抱きました。
海外では、飛行機だって、4時間以上遅れても何も謝罪なんてありませんでした。
地元の人たちは、「ああ、またか〜」ってカンジで、のんびり待ってましたよ。
人生は思い通りにはいかないもの。
上手くいったのは奇跡と思えば、
周囲への感謝が湧いてきます。
最後まで読んでいただきありがとうございます😊
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