街の八百屋の独り言

八百屋歴30年。一般家庭・青果業飲食業経営者へ現場の生の情報を自分に蓄積されたソースを…

街の八百屋の独り言

八百屋歴30年。一般家庭・青果業飲食業経営者へ現場の生の情報を自分に蓄積されたソースを元に野菜果物に関する事をつぶやきます。叩き上げ現役者からの情報なので、次元の違う価値ある情報が多いです。Twitter→https://twitter.com/yaoyahitorigoto

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はじめまして。初記事です。自分は街の八百屋です

はじめまして。noteに初参加させていただきます。自分は野菜と果物を扱っている、巷にある普通の八百屋を生業としています。 経験は30年以上。これくらいの経験になると野菜果物を扱ってきた実体験、お客さんとの問答、八百屋の運営に関す実務等々、様々な事柄を歩んできました。 一昔前の八百屋と言えば、まいかけをし、数字の書いてある帽子をかぶったオジサンがダミ声を放ち、軒からぶら下がったザルでお釣りのやり取りをし、ザルに盛られた野菜で店頭は彩られ、、、 どこの駅前・商店街に1軒はあり

    • 商売というモノは利益を出さないといけないんですよ?

      市場で知り合いの八百屋に会うと、高確率で売れないねーと言う会話になります。ある意味挨拶言葉の様になっています。 八百屋にも色んなタイプが存在していて、 ●良いモノをそれ相応の価格で売る八百屋 ●標準的なモノを標準的な価格で売る八百屋 ●売れるもモノは何でも安値で売る八百屋 おおざっぱに分けてこの3通りだと思います。 別にどのタイプが正解という事はありません。 自分が個人的な感想を言えば、規制が多いこのご時世において、最も元気が良いのは一番最後のタイプの様な気がし

      • これからは八百屋を開業ましょう!

        最近は絶望的な内容が多かったので、今回は明るい内容にしてみました。 昨年度、自分が所属している青果組合に3名の新規加入者が加わりました。小売・納め等の業態は詳しく知りませんが、新しい八百屋が3件誕生です。 バブルの頃はスーパーマーケットが次々建てられ、商店街が崩壊し、八百屋が一気に減りました。それが今になると、そのスーパーマーケットが潰れ始めました。 商店街が崩壊しスーパーマーケットが撤退したエリアでは買い物難民が生まれています。 個人的に思うのは、最近は野菜果物を買

        • 自分が市場で感じるジレンマ

          ここの所、自分が書いた記事にスキを頂くことが多く、大変有り難いと思っています。 自分は、連日青果市場へ赴き、連日野菜果物の相場と向き合っているわけですが、最近あるジレンマを感じる時があります。 野菜果物は変動相場ですから、高い時もあれば安い時もあります。自分が市場へ行ってキュウリが安いと思い、市場速報でお知らせしたとしても、必ずしもみなさんは、キュウリが安く買えるわけではないということです。 自分が行っている市場でキュウリが安くても、みなさんが買う八百屋やスーパーマーケ

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        • 今食べるべき野菜
          4本

        記事

          農業で億越えの利益を出す方法

          今朝の”がっちりマンデー”で農業の1億円プレーヤーというのを放映していました。 見てみると、全員、野菜の生産に加えてさらに加工して、その金額に行くという事でした。 それぞれ、通常、野菜流通の弱点と言える部分を、それぞれ上手く知恵を使って克服し、巨万の富を得ています。 例を挙げれば、蓮根は本当に切り口が酸化しやすく、切った所がスグに茶色く変色しますが、高度な真空パック技術を農家自身が知恵を使って開発し、通常より長期に販売可能な商品になり、今ではスーパーでの引き合いが爆発的

          農業で億越えの利益を出す方法

          最も正確な市場速報!~野菜の量が増えて来ましたよ!

          昨日は20日で、この20日過ぎから月末に向かってお客さんの財布の紐がキツくなってきます。月末は出費が増えるからです。 案の定、今朝の八百屋仲間の雰囲気は売れていない様子。一方、市場の状況はというと、雨が降れば晴れる安定した天気、気温も野菜の生育に適した温度、今年の梅雨はとても優等生です。 なので、昨日から一気に野菜の量が増えた感じがあります。今朝も競り場にはドッと野菜が並び、やっと競り場らしい、商品がより取り見取りな感じでした。 相場も月末でみんな売れていないので、需要

          最も正確な市場速報!~野菜の量が増えて来ましたよ!

          今食べるべき、お店で売っているけど滅多に買わない野菜シリーズ。その3

          今回は”今食べるべき野菜”と、”お店で売っているけど滅多に買わない野菜シリーズ”の二つの要素を兼ね備えた野菜です。それは、、、、 ソラマメです。 自分は豆類が大好きで、この時期はソラマメがとても美味しいです! 5月初旬の出始めの時は値段もお高めでしたが、最近は大分落ち着いてきました。 まぁ、note世代のみなさんは、野菜売り場にソラマメがサヤのまま並んでいても、殆どの方が素通りするのではないのでしょうか? サヤから出した豆の状態で初めて買う気が出るも、枝豆と比べると

          今食べるべき、お店で売っているけど滅多に買わない野菜シリーズ。その3

          5月24日青果市場速報!

          ここ最近は野菜が全体的に少ないです。長雨の影響と、ハウス栽培の産物がガソリン高騰で思ったように加温出来なく、生育を促せない状態と聞きました。 玉ねぎについては、一時的に増えたのですが、また価格高騰が始まっています。北海道産が出るまでは高値維持なのでしょうか、、、。 値動きとしては、昨日安かった物が今日高い、昨日高かった物が今日安いと、毎日乱高下といった感じです。 なんでも高いのですが、特に値上がったのはキャベツです。今朝、市場に入った時、キャベツ置き場に全然キャベツがあ

          5月24日青果市場速報!

          スピンオフ~人間関係で少し楽になる考え方をしてみませんか?~

          人間というものは、自分の意見に反対する人をスグに敵とみなしてしまいがちです。そして、自分の意見が正しいと思い込み、自分のその意見で他者を淘汰しようとします。 この誰もがしてしまう行動は、実は逆に自分自身を苦しめていることに気付かないといけません。 自分の意見に反対する人を敵とみなす事によって、敵対する人を攻撃しようとする邪心が生まれるからです。その邪心はどんどん大きくなり次第に自分自身をも飲み込んで、最悪自身の人格すら破壊していきます。 他者を強引に淘汰しようとする事は

          スピンオフ~人間関係で少し楽になる考え方をしてみませんか?~

          食糧危機。野菜はとっくに危機になってます

          自分は前にも書きましたが、30年前と比べると格段に野菜の量が減っています。 野菜を売ることを生業として長年やってきていますが、ここ数年は仕入れたい野菜果物を安定して仕入れられるということが出来ません。 キュウリは簡単に買えてもトマトが高いとか、イチゴが全然市場に見当たらないとか、レタスが高くて買えない、玉ネギが市場に無いとか、毎日、何かしら欲しい野菜が市場に無く、仕入れにとても苦労します。言われてみればそうかもしれないと、同業者で感じる方もいると思います。 最近の傾向と

          食糧危機。野菜はとっくに危機になってます

          お店で売っているけど、滅多に買わない野菜シリーズ。その2

          前回のもろきゅうの記事が、みなさんに読まれて大変好評だったので、今回は第二弾です! 早速、言ってしまいますが、第二弾は、、、 足つきナメコです! もしかしたら、普通のナメコすら買った事が無い方も多いかもしれません。が、足つきナメコは更に買う事が無いと思います。 足つきナメコは売り場に必ず置いているという品物ではないと思います。市場には散発的に入荷するというイメージです。 まぁ、ナメコと言えば自分もそうですが、殆どの方は味噌汁で召し上がるのではないでしょうか?あの独特

          お店で売っているけど、滅多に買わない野菜シリーズ。その2

          玉ネギが値下がりするかもしれません ~最も正確な情報~

          最近の野菜関連の話題と言えば、玉ネギに尽きると思います。自分のお店では、他店よりも若干安く売っているので、五割を超えるお客さんが玉ネギを買っていきます。 例年ですと、今頃は佐賀の新玉ネギが潤沢に市場に溢れ、北海道の玉ネギとバトンタッチしていくのですが、今年は佐賀産の新玉ネギが全然増えてきません。これは自分の考えがですが、恐らくコロナの影響で飲食店需要が見込めないので、そもそもの作付けが少ないのでは?と思います。市場の玉ネギ担当者に確認はしていません。 自分が最近市場で見た

          玉ネギが値下がりするかもしれません ~最も正確な情報~

          大衆化する銀座。一億総貧乏時代へ

          今朝、昔から知り合いの八百屋との会話です。 ”昨日、白菜の相場が下がったから、丸ごと1個130円で売ったんだよ。そうしたら、通りがかったお客さんが買っていってあっという間に無くなっちゃったんだよ。八百屋も考え方を変えなきゃダメだね”と。 彼はどちらかというと綺麗な野菜を丁寧に売るタイプの八百屋です。個別包装も綺麗にし、綺麗に並べて売っています。 この、白菜を1個で130円売った事で、考え方が変わったと、しきりに自分に言ってきました。今まで、まともな野菜をまともに売ってい

          大衆化する銀座。一億総貧乏時代へ

          今日、野菜の相場が変わりました

          今までは、野菜が高いという事を言い続けてきましたが、今日、相場のフェーズが変わりました。 自分が話しているのは需要と供給の影響が一番出やすい競りでの話ですが、月末、雨、ゴールデンウィーク前という悪条件が重なった事もあります。野菜全体的な量も増えてきました。 ネギ、きゅうりはやや強い相場ですが、白菜、ほうれん草、大根、竹の子などが下落してきました。 著しい値下がりは、白菜と竹の子です。この2種類に関しては、ヤリが出ず、競りが一旦止まる程でした。 白菜は鍋需要が終わったと

          今日、野菜の相場が変わりました

          お店で売っているけど、滅多に買わない野菜シリーズ。その1

          今日の水曜日は、東京の青果市場は休みです。 昨日の競りで、とても美味しそうなキュウリがあったので競り落としてみました。 もろキュウリです。 ブルームも多く、採れたてで本当に美味しそう。 もろキュウリは若採りのキュウリの事です。本当はもろ味噌を付けて食べるキュウリ料理の事ですが、市場の現場では、若採りキュウリの総称として使われます。 道の駅などで売られる事が多かったですが、最近は街のスーパーでも時々見かけるようになりました。 写っている10円玉と比べると、普通のキュ

          お店で売っているけど、滅多に買わない野菜シリーズ。その1

          社会の幼稚化が始まっている

          昔、市場の競り人は一癖も二癖も有るような人が多かった記憶があります。各自独特の掛け合い型が有り、競りの前の挨拶で落ちやすくなったり、競りなのに欲しい人で分け合おうなんていうこともあったり。 面白かったのは、ニワトリが鳴くような掛け声で、もの凄いスピードで競りが始まり、その流れに乗るのが大変だったなんて事も。 面倒くささもありましたが、逆を言えばそういった扱い辛い人間味があって面白かった。 ここ数日、市場の現場にも新入社員が真新しい帽子をかぶってウロウロするようになりまし

          社会の幼稚化が始まっている