食糧危機。野菜はとっくに危機になってます
自分は前にも書きましたが、30年前と比べると格段に野菜の量が減っています。
野菜を売ることを生業として長年やってきていますが、ここ数年は仕入れたい野菜果物を安定して仕入れられるということが出来ません。
キュウリは簡単に買えてもトマトが高いとか、イチゴが全然市場に見当たらないとか、レタスが高くて買えない、玉ネギが市場に無いとか、毎日、何かしら欲しい野菜が市場に無く、仕入れにとても苦労します。言われてみればそうかもしれないと、同業者で感じる方もいると思います。
最近の傾向としては、旬の野菜が市場に無いという事が多いです。
冬なのに大根が無い、冬なのにほうれん草が高いといった具合です。みなさんの最近の記憶では、冬なのに白菜が高くて鍋が出来ないという記憶が新しいのではないのでしょうか?白菜は冬が旬なのにです。
この状態は、自分は本当にヤバい事態だと思っています。
旬に旬の野菜が無い、食べられないというのは一大事です。消費者的には、え?!売り場に行けば何でも揃ってるじゃん!っとお思いでしょうが、それは、各担当者がギリギリ頑張って仕入れている努力の賜物であって、仕入れの現場は日々戦いです。
白菜が高かったのは、市場に白菜が無かったからです。供給量が減っている物は、需要に追いつかず、その価値が上がり値段が高くなります。
最近、野菜が高いと感じていませんか?
ご自身で野菜を作られている方や、周りに豊富に野菜がある状況の方はあまり実感が無いかもしれませんが、野菜を買わざるおえない方は、そう言えば最近、全体的に野菜の値段が上がっているなぁーと感じていると思います。
それは野菜が全体的に供給量が減っていて、需要に追いつかず価値が上がってるからです。
最も影響を及ぼしている原因は農家の減少です。次に影響を及ぼしている原因は天候不順です。そして、ここに来て新たに現れた原因が原油価格高騰です。
前者二つの原因でも、著しい影響があるのに、原油価格高騰が来て、お手上げといった感じです。
バナナなどの輸入果物が値上がりしている事に気付かれている方も多いと思いますが、それは原油価格高騰が原因です。輸送コスト等が上がり、その他もろもろ費用が価格に転嫁されてきています。
更に第4番目の原因が出てきました。
それは円安です。円の価値が下がったので、輸入果物に掛かるコスト、肥料などの輸入原料に関わるコストが激増します。
唯一幸いなのは、今はコロナの真っ最中ですから、飲食店需要がそこまで増えていません。需要がある程度低い状態です。
もし、コロナが終わり飲食店需要が増えたらどうなるのでしょうか?
供給量が少ないのに、需要が爆上がりすれば、、、
もう考えただけで恐怖を感じます。
そろそろ国も本腰を入れて、国内生産量を増やさないと野菜果物の値段はうなぎ上りです。
でも、これまでの政府の政策でこの有り様です。日本人は口では色々言いますが、いざ選挙となると無関心になりがちなので、恐らくこの状態は変わらないと思います。
農業政策等ほったらかしにしている内に、あれよあれよと価格が高騰していくことでしょう。
もし、この夏が温暖化で、全国的に雨不足で干ばつが起こったら、大型台風で大洪水が起こったら、、、
恐怖をあおり立ててばかりですが、そろそろ野菜の値上がりがモロに家計に響くような状況が、目前に迫ってきています。今までのように、なんとかなるよと目をつぶっていては手遅れになってしまうことでしょう。
今回は、そろそろ本格的に農業政策を考えないと、野菜の値上がりが国民生活に影響を及ぼすよというお話でした。
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