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#新卒

愛するために自立する

「そもそも、男は火星人で、女は火星人だった」__そう想像してみよう。(ベスト・パートナーになるために ジョン・グレイ著 大島渚訳)

私たちはパートナーと他人であるはずなのに、つい「これくらいなら伝わる」と過信してしまう。

男も女も、全く別の場所で育ち、全く別の考えを持ち、同じ言葉を喋っているようで全然違う。だから、愛するために、少し頭を使って相手を理解しなければならない。

日常生活の中でも、

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マジックアワーに思いを馳せる

マジックアワーに思いを馳せる

明大前で開かれた退屈な飲み会。そこで出会った彼女に、一瞬で恋をした。本多劇場で観た舞台。「写ルンです」で撮った江の島。IKEAで買ったセミダブルベッド。フジロックに対抗するために旅をした7月の終わり。世界が彼女で満たされる一方で、社会人になった僕は、〝こんなハズじゃなかった人生“に打ちのめされていく。息の詰まる満員電車。夢見た未来とは異なる現在。高円寺の深夜の公園と親友だけが、救いだったあの頃。そ

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本は買う派か借りる派か

本は買う派か借りる派か

本棚の隙間がなくなってきた。社会人になって、今まで以上に本に頼るようになった。たくさんの本が詰まった本棚を見ると幸せな気持ちになる反面、短期間でこんなに増えてしまったのなら、これからも無限に本が増えていってしまうだろう、と不安になった。

昔は物への執着がすごかったので、物を捨てられずにいたし、片付けも苦手だったけれど、最近は「こだわりの一つ」を大事にするようになって、部屋がすっきりしている。ただ

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「努力」を脱いだ自分が、本当の自分だった。

「努力」を脱いだ自分が、本当の自分だった。

あと10分我慢して登れば山頂だと言われてひぃひぃ登ったのに、10分たっても頂上は現れなかった。もう少しだよ、本当はここからあと10分だから……。その言葉に騙されながら、40年も山を登り続けてきた。ここまで登ってきたついでにもう少しのぼってみることもできる。必死に登り続ければ何か見えてくるかもしれない。でももう疲れた。気力も体力も底をついた。チクショウ、もう限界だ。

物心ついてから、努力は惜しまな

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生きていくことは、難しいようで単純だ。

生きていくことは、難しいようで単純だ。

瀬尾まいこ著、「天国はまだ遠く」を読んだ。

主人公の千鶴は、会社員で営業職。自分の人の良さでかえって結果を出せず、上司や同僚からの小言が自分に対する侮辱に聞こえ、いつしか会社に行くこともできなくなり、体を壊した。

全てを終わらせるため、自殺をするべく北へ向かう特急列車に乗った。奥へ奥へとタクシーに身を任せ、たどり着いたのが木屋谷という集落の「民宿たむら」だった。この民宿での暮らしが、千鶴に「生

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