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世界のどこかで音を買う 〜海外旅行CD屋さん巡りのススメ その③

 前回の記事では、実際に海外のCD屋さんへ足を運ぶ前にしておくと更に訪問が楽しくなる、事前準備についてご紹介しました。
 今回はいよいよ、現地の様子のご紹介です。


どんなお店がある?

◆路面店

 旅の思い出作りには一番おすすめのお店。なぜなら、店員さんが音楽好きであることが多く、いい音楽を知れる可能性が高いから。
 地域密着の店舗は規模が小さめかもしれませんが、掘り出し物が見つかったりその土地の流行が知れたりと、面白い出逢いがあります。入店時に店員さんに挨拶されたら、なるべく現地の言葉で挨拶を返しましょう。いい関係性はいい出逢いを運んでくれます。
 ただし先述の通り、営業日/時間や店舗数が日本の感覚とは少し違うのもまた事実。事前に旅の日程とにらめっこして、行きたいお店をピックアップしておくのがおすすめです。

◆ショッピングモールや大型雑貨販売店、百貨店の一角

 路面店が無くても、あきらめるのはまだ早いですよ。日本と同じく、イオンのようなショッピングモールや、LOFTのような大型生活雑貨販売チェーン店、大きめの百貨店があったなら狙い目です。
 あまりレアな品揃えではない代わりに、その国での売れ筋を見つけやすいのがメリット。さくっと買い物を済ませたい場合には、こういう場所に足を運んでみるのもいいでしょう。

◆パーキングエリアやガソリンスタンドの売店

 旅の移動が全て車で、CD屋さんがあるような街に立ち寄らない場合。道中のパーキングエリアやガソリンスタンドの売店に足を運んでみましょう。日本でも見かけることのある、ドライブ用のヒットソング集みたいなCDを売っている場合があります。

どうやって買うCDを決める?

◆売上ランキングを見て上から順に試聴する

 まず参考になるのは、お店の売上ランキング。売れ筋を片っ端から試聴して、気に入ったものを買うのが手っ取り早いやり方です。
 しかしこの場合、ランキング上位に居るのが必ずしもローカルのアーティストとは限らないので気を付けましょう。日本のように「国内/国外」と明確に音楽の種類を分けていないお店も多く、なんとなく買ったCDが別の国出身のワールドワイドなアーティストだった……なんてこともあり得ます。

◆目に付いたCDを買う

 お店の一押しCDは目に付きやすいので、とりあえずお店からのレコメンドということで購入するのは手です。しかしこちらも、上記の通りローカルのアーティストではない場合があるのでお気をつけて。

◆店員さんに聞く

 現地のことは現地の人に聞くのが一番。この時信頼出来るのは、店員さんです。店員さんと会話するのは楽しいので、私が一番おすすめしたい方法です。この項目については、次回詳しく取り上げます。


思い出話③ @オランダ

 オランダのアムステルダムは、娯楽や芸術関連の施設が多い地域です。クラブやライブハウスなども多く、音楽活動も盛んな街。そういう場所柄か、商店街を歩いていて偶然CD屋さんを見つけられました。オランダの建築らしい大きな窓、階段を少し降りた半地下の数フロアを使った広いお店です。

写真には写っていませんが、左の棚で言うと一番上から二段目くらいにかけての位置に試聴機がありました。

 CDもレコードもわんさか置いてあって、色々試聴しようかな~と思ったのですが、やけに試聴機の位置が高い。身長160cm弱の私が背伸びしてもヘッドフォンが取れないCDの棚の上にありました。
 こんな高い位置に試聴機があったのはそのお店だけだったのかもしれませんが、私はその時思い出しました。オランダは世界的に背の高い国であるということを。2021年のデータでは、国民の19歳時点での平均身長は、男性182.9cm/女性169.3cm。ああ、なるほど……。
 結局、店員さんにお願いしてヘッドフォンを取ってもらいました。しかし、まるで子どもの面倒を見るかのように頭の上からすぽっとヘッドフォンを耳にあてがってくれまして、あれは若干恥ずかしかったです。

 そんなハプニングもありつつ何を買おうか悩んでしまったので、さっきの店員さんに「オランダで人気のオランダ人の歌手を教えてください」と相談してみました。
 私がオランダに行ったのは11月末、朝9時でもまだ朝焼けが見え、17時にはすっかり夜がやってくる気候で、真っ青な空はあまり見られません。その印象にぴったりな、スモーキーなボーカルEefje de Visserのアルバム「Het Is」をお勧めしてもらいました。

 当時の売れ筋ランキングや、他に教えてもらった音楽も、なんとなく曇り空に合いそうなアーティストが多かった印象。季節柄なのか土地柄なのか……。

 当時の私はロック大好きだったので、その頃は「暗いなあ」なんて思いました。しかしここ最近はアンビエントを聞くようになったので、今になってこのアルバムが恋しくなることが増えました。その度に、この旅の思い出がよみがえります。


購入したCD(一部)のご紹介

Eefje de Visser / Het Is

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 それでは、今回はこの辺りで。(👉④へ続く


※本エッセイのシリーズはこちらのマガジンにまとめてあります。

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© 2022 Aki Yamukai

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