見出し画像

成長のスパイラル ホーリズム=整躰

前回までに人間は次の4つのレベルの総合体として成り立っているということを書きました。
1) カラダレベル=身体機能=ボディ
2) ココロレベル=精神機能=マインド
3) ヒトレベル=社会環境=ミーム
4) カミレベル=自然環境=スピリット
そして、これら4つのレベル全てにおいて、ダイナミックな健康状態であることを、観音整躰としては「健全」と呼ぶ事にしました。

これら4つのレベルは、4つの領域とも象限とも言い換えられます。
それぞれの象限領域は、様々な要素やステージから構成されますが、それらを巻き込み、あるいは取捨選択する形でスパイラルに展開、成長します。
そして、4つの領域を丸ごと含めた総体としても、スパイラルに展開、成長していきます。
あらゆるレベルや領域の事ごと物ものが、相互に影響し合い、関係を持ち合って、ダイナミックに変化し続けているのが、人間でありこの世界です。

物質を構成する分子は原子からできていますが、単なる原子の集合体とはまるで違った性質を持っています。
生物を構成する細胞は分子からできていますが、単なる分子の集合体とはまるで違った性質を持っています。
このように、一つのシステムはそれを構成する要素の一つ一つを足し合わせた合計以上のものとなり、部分部分をバラバラに理解した上でそれらを足し合わせても、全体を説明したことにはなりません。

このような考え方をホーリズムと言いますが、この仕組みは物質界生物界をはじめ、社会や経済、精神や言語体系など、あらゆる系(システム)において成り立つことがわかっています。
ホーリズムという言葉は、南アフリカ連邦の首相で、国際連盟と国際連合の創設に関わったヤン・クリスティアン・スマッツが、1926年の著書『Holism and Evolution全体論と進化』で、「全体は部分の総和以上のものである」として使ったのが最初であるとされています。
Holismという語はギリシャ語で「全体」を表すholosホロスに由来しており、これは英語のhealth健康やheal癒す、whole全体、holy聖なる、などの語源と共通します。

人間を含むこの宇宙は、無数のレベルのシステム=全体性から構成されていて、それぞれのシステム=全体性は、同じステージ内の他のシステムと相互作用しながら、より上位のステージにおけるシステム=全体性をつくる働きをしています。
そしてこうした働きの基本原理として存在しているのが、ホーリズムという概念です。

「整体」という言葉は、漢字の母国中国では、全体、総体、一体、全体観、という意味で使われているそうです。
世界最古の医学体系の一つである中国医学において、整体は基本概念の一つであり、全体観に基づくホリスティックな医学のことをいいます。
現代日本で一般に言うところの「整体療法」とは、意味合いが多少異なるのですが、この中国医学の考え方を採用すれば、
整体=ホーリズム
と言えると思います。

ヒトのカラダを表す日本語は、「体」「身」「身体」などさまざまあります。
「体」はそもそも「體」と書き、もともとはカラダの外殻としての入れ物「カラ」を表ており、そこから骨格を意味するようにもなったといいます。
「身」は「中身」のことで内臓を表し、容器としてのカラダが内蔵しているココロのことも表します。
「身体」と二語で書けば、ココロもカラダも両方含めた全体性を意味するのですが、漢字にはこの二つを合わせた「躰」という文字もあり、一語でヒトの全体性を表すことができます。
こうしてより包括的な意味を持たせるため、観音整躰では
ホーリズム=整躰
という表記を使用しています。

これからしばらくは、「健全」を形成しているそれぞれのレベルの構成要素一つ一つについて、見ていきたいと思います。
次回まずは、身体機能から始めます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?