山﨑陽軒@健全學

観音整体ラボ 整躰司/パーソナルデザイナー 一人一人のからだとことば、くらしのデザインを整えることで、パーソナルイノベーションを実現。 だれもが持つクリエイティブな力を活用できる場づくりを目指します。 健全をしくみ化し書籍としてまとめ、『健全学大全』シリーズを出版。

山﨑陽軒@健全學

観音整体ラボ 整躰司/パーソナルデザイナー 一人一人のからだとことば、くらしのデザインを整えることで、パーソナルイノベーションを実現。 だれもが持つクリエイティブな力を活用できる場づくりを目指します。 健全をしくみ化し書籍としてまとめ、『健全学大全』シリーズを出版。

    最近の記事

    からだアプリとからだOS

    ヒトの赤ん坊は他の動物たちに比べ、極端に未完成の状態で誕生します。 大脳の巨大化と骨盤の縮小により、未熟な状態で出産せざるを得なくなったためですが、そのことが逆に、出生後の環境適応範囲を大きく広げさせたのだとも考えられます。 数百万年もの間、熱帯雨林やサバンナで過ごして来た我々の祖先は、十数万年前アフリカ大陸からユーラシア大陸へ渡り、そこから地球上のありとあらゆる地域へと拡散して行きました。 ヒトがたどり着いた行き先には、山岳地帯や砂漠、極寒の地もありましたが、それら全ての

      • スイミングとアクアウォーキング

        「休養―入浴法」の節で、ヒトは水辺で進化したという「アクア説」について紹介しました。 人類学界では異端説とされているようですが、森林から草原に降り立ったヒトの祖先がいきなり二足で歩き始めたと考える「サバンナ説」より、よっぽど説得力があるのではないでしょうか。 少なくとも生来ヒトが水辺の環境を大好きなことは、誰もが認めるところだと思います。 水の近くで過ごしていると、それだけでヒトは癒されます。 2015年イギリスでの研究では、水族館の巨大水槽の前に立っているだけで気持ちが落

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        • スローイングとピッチング

          ヒトは無類の長距離走者として、生来持っている持久力により動物界のなかで確固たる地位を築きあげましたが、さらにもう一つ、他の動物たちを凌駕する、卓越した運動能力をその進化の過程で培ってきました。 物を投げる力=スローイング(投擲)能力です。 疲れ知らずのタフな追跡者として狙った獲物を追い続け、相手がもうこれ以上動けない状況となった時、不用意に近くへ寄ってしまうと、土壇場で思いもよらない反撃をくらうことがあります。 戦闘能力に関していえば、体重が半分に満たないケモノにすら、平気

          • サイクリングとポタリング

            車輪はB.C.3千年期、人類最古の文明の一つであるメソポタミア文明が起こるとともに発明されたと言われています。 食糧以外には資源のないメソポタミアでは、それまで遠方から物資を運び込むために丸太のコロを使っていましたが、ある時天才的なイノベーターが現れて、丸太を薄く切り中心に芯棒を取り付けた車輪の荷車を考え出し、人類初の文明の礎を築きました。 その後B.C.17世紀にはアジア系のヒクソス人が馬に車輪を引かせる戦車を作り出しエジプト文明を蹂躙、B.C.3世紀には秦の始皇帝が戦車を

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            ジョギングとランニング

            ヒトは地上動物界で比肩するもののない、優れた長距離走者です。 短距離走のゴールドメダリストであるチーターは、1kmも走れば体温が40.5℃まで上がってリタイアしますし、長距離走の代表選手ともいえる馬も、20kmほど走ったところでダウンしてしまいます。 狼やハイエナは10〜20km以上獲物を追いかけ続けますが、長く走れるのは涼しい環境下に限られます。 疾走時の筋肉は、歩行時の10倍もの熱を生産するため、体温が過度に上昇して脳が疲労を起こしてしまい、動物は動くことができなくなるの

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            ウォーキングとトロッティング

            前回、ヒトは直立二足歩行をする事によってヒトになった、と書きました。 密林の樹上から草原に降り立ち、二足歩行を始めた頃の我々の祖先は、まだ完全に直立ではなく、後ろ足と共に時々前足も使いながら歩いていたものと思われます。 それから数百万年という長い時間をかけて、直立姿勢で効率よく歩けるように、ヒトはからだの構造を進化させていきました。   直立二足歩行はエネルギー消費が少ない上に、直射日光を受ける面積が小さく、頭が地面から遠くなって熱が篭りにくいため、暑い気候の下でも長時間歩き

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            直立二足歩行

            ヒトは地球上に現存する生き物の中で唯一、背骨と後肢を垂直に立てた状態のまま移動する、直立二足歩行を可能にした動物です。 ヒトの始祖がなぜそんなことを始めたのか?については、百家争鳴で決定的な学説はなく未だ定かではないようですが、他の類人猿たちとヒトとの区別については、「直立二足歩行という一点をもって判断する」ということで百川帰海しています。 脳の容量ではチンパンジーと同程度のアウストラロピテクスやパラントロプスが、ヒトの仲間であると見做されているのは、骨盤や下肢の骨格が直立二

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            ヒトの運動能力

            身体的健康のなりたちの最後となる4番目の要素は「運動」です。 ヒトは動物なので、生き続けるためには動かなければなりません。 動物は植物と違って細胞内に葉緑体を持たず、太陽光線のエネルギーを自らの生命活動に必要な形へと変換することができないため、動き回って栄養源となるものを見つけ、それを確保しなければ、エネルギーが不足してしまうからです。 動物は栄養源を他の生物に依存せざるを得ません。 海中で暮らす海綿や珊瑚などは、波間に揺蕩うプランクトンなどを捕食するので、じっとそれらがや

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            根っこと腸

            私たちの腸の中には、前回までに書いたように数百兆もの微生物たちが共生し、マイクロバイオータと呼ばれる腸内生態系を形成しています。 共生生物たちはヒトのからだに必要なビタミンや短鎖脂肪酸などの栄養素を産生し、人体を守る免疫系の調整を行い、ゲノム多様性を200倍に拡大する役割を果たしています。 彼らの集団は脳や肝臓の重さに匹敵する1〜1.5kgの重量を占めており、人体を構成する器官または器官系の一つであると考えている研究者もいます。 マイクロバイオータは分娩や授乳を通して母親か

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            マックダイエット

            前回は腸内のマイクロバイオーム多様性が、ヒトの健康の維持増進にとって重要だということを書きましたが、どうすれば腸内微生物たちの多様性を作り出し、その状態を保つことができるのでしょう? 『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』の共著者で、スタンフォード大学スクール・オブ・メディスンのジャスティン&エリカ・ソネンバーグ夫妻は、「MACs(マック)を食べなさい」と言っています。 MACsとはMicrobiota Accessible Carbohydratesの略で、「マイクロ

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            マイクロバイオーム多様性

            前回ヒトの腸内に存在しているマイクロバイオータの大切さについて紹介しましたが、耳なれない言葉かもしれないので、少し説明を加えたいと思います。 マイクロバイオータは、「地球上に生息している細菌や菌類、ウィルスなど全ての微生物の総称」です。 そして、「ヒトのからだの内側や外側に住んでいるあらゆる微生物の集合体」のことを、「ヒトマイクロバイオータ」と呼んでいます。 ヒトのからだには、皮膚や生殖器、鼻腔内、口腔内、腸管内などに、それぞれユニークな微生物生態系が存在しており、前回話題

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            腸内マイクロバイオータ

            前回、自分にとって有効なダイエット法を誰でも簡単に見つけられる方法として、「ウンチに聞く」ということを書きました。 便はからだからのお便りです。 「便りがないのは良い便り」ということわざがありますが、もし便が出てこなければ、どうすれば良いのかを聞くこともできず、まったく頼りになりません。 理想は毎日、少なくとも2、3日に一度は、からだからの便りを聞きたいものです。 そこで今回は、からだの中で毎日せっせと便を生産してくれている、働き者の腸内細菌について取りあげます。 ヒトの腸

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            理想のダイエット法

            前回はダイエットについて「健康を築くための食事法」と規定して、その方法については「単一のユニバーサルなやり方はなく、通り一辺倒には決められない」と書きましたが、それではどうすれば良いのかわからないので、今回は自分自身にとって有効な理想のダイエット法の判別についてです。 何をどうやって食べるのが自分に適しているか?を調べる方法には、 1) カラダに聞く 2) データに聞く 3) ウンチに聞く といったことが考えられます。 1)カラダに聞く どんなダイエットが自分にとって有効

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            diet ダイエット

            日常の食事や飲食物、食習慣、または特定の目的のための食事法のことを英語でdietダイエットと言います。 もともとは古代ギリシャ語で、生き方や住まい、生活様式を表すdiataディエーターという言葉でしたが、それがラテン語やフランス語を経て、11世紀ノルマンディー公ウィリアム1世によって征服されフランス語が公用語とされるようになったイングランドに、「食生活」を表す言葉として入ってきました。 中世のイングランドでは、農民たちは野菜や雑穀中心の栄養バランスのよい質素な食事をしていまし

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            食育と和食

            2005(平成17)年に成立した食育基本法では、食育とは「生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの」として位置付けられています。 つまり勉強より、行儀より、運動より、まずは食事が一番大切だ、と日本国として言っているわけです。 「体育智育才育は即ち食育にあり」と食本主義を掲げた、食養会初代会長石橋左玄の面目も躍如たるところです。 2013(平成25)年には、日本人の伝統的食文化としての「和食」がユネスコの「食の無形文化遺産」に登録されました。 それまで

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            身土不二と地産地消

            1907(明治40)年食養会を設立した、石塚左玄の食養学の大きな柱として、身土不二(しんどふじ)の考えがあります。 “身と土、二つにあらず” ヒトのからだとその暮らす土地は一体であって、切っても切れない関係にあるので、その土地で採れた作物を食べることが、からだを養うことにつながるのだということです。 この身土不二という言葉は、元々法華経の「しんどふに」と読む仏教語から採用されたもので、「仏様と仏国土である浄土は一体だ」という意味でした。 これを現代的に意訳すると、 「ヒトや

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