見出し画像

市場でカフェ経営をしてきたから見えてきた空き家問題の解決策

私たちの編集部は、船橋市地方卸売市場の中にあります。関連業商組合という築地市場でいえば「場外」のイメージに近い、商店が並ぶ一角で「市場カフェ」を出店しておりその2階が編集部です。船橋市場は、昼間ひっきりなしに人が通る商店街のような場所ではありません。むしろ午後や休市日には、ほぼ人の気配がなくなります(当然ですが…)。この場所で5年間カフェ経営を続けてきたことで「人が人を呼ぶことで店は成り立つ」という実感を得ました。コンセプトや役割がしっかりしてさえすれば、小規模経営には立地はそれほど差支えがない事。店の存在やコンセプトを知ってもらう為には「広告」ではなく「口コミ」をどれだけ増やしていくかが重要であることを肌で感じています。今後弊社では、そうしたノウハウを次の世代・場所に伝えていく為に2つのチャレンジを行います。

市場カフェスタッフ募集

小さなお店を経営するには、小さな経営をしなければなりません。一時、市場カフェでは5人の専従スタッフを置き、40万円/月の赤字を出していた時期があります。当時の売上は今の2倍くらいありましたが人件費支出と、内装費の返済もあり収支が合わず大変な目に遭いました。それ以来、カフェ専従スタッフを入れず編集スタッフと経営陣でシフトを回してきました。しかし今期、「小さな場を事業として運営する」ノウハウを次の世代に伝えるべくスタッフ募集を行うことを決めました。

空き家事業の概要

船橋市空家等対策計画より抜粋

今、船橋市内の空き家率は10.4%(平成30年・船橋市資料より)。全国平均と比較すると低い方ではありますが、いずれ空き家が増えていくのは想像に難しくありません。一説によると10年程で全国の空き家率は30%に達するのではないかと言われています。政府も「空き家等対策の推進に関する特別措置法」を発し空き家調査に本格的に動いています。船橋市内の世帯数は約31万3000世帯。「総住宅数」に対し10%強の空き家ということなので厳密には違うでしょうがかなりの数の空き家があことは想像できます。日本の人口が減り始め、高齢化が進み…それでも新築人気が高いので空き家はこの先も増え続けていくと考えて間違いないでしょう。

空き家の多くは住宅街にあり、実は地域コミュニティのハブとして活用価値も高いと考えています。入口の一角を駄菓子屋にすれば子ども達が集える場になるでしょう。珈琲屋台やキッチンカー、移動スーパーが軒先や駐車スペースに出店する事で幅広い層の人が集います。和室をオンライン対応の自習室にすることで不登校の子ども達や自宅にオンライン環境が整備できない世帯への学習支援が可能になるかも知れません。リビングで数人がシェアしてカフェを開けば定休日のないチャレンジカフェになるかも知れません。そしてそれらは、来客時に「地域の居間」として活躍するかも知れません。そうしたものが市内全域に広がれば高齢者の見守り活動にも活かせるでしょう。今期計画している「空き家事業」はこれらの仕組みを各所と連携して可能にしようとする取り組みです。「売れる物件は売る」「貸し出せる物件は貸し出す」「直せるものは直して使う」「解体が必要なものは解体する」…これらはプロの事業者の範疇です。「できれば壊したくない」「理由があって今は売ることができない」「再建築不可で値がつかないから売れない」などの空き家を市民で活用するためのルール作りを提案していきます。

よろしければ、サポートをお願いします。どんな記事を書いていけば皆さんの役に立てるのか…試行錯誤しながら僕の経験を発信していきます。