記事一覧
マスカレード・ホテル
あらすじ(文庫本の裏表紙から)都内で起きた不可解な連続殺人事件。容疑者もターゲットも不明。残された暗号から判明したのは,次の犯行場所が一流ホテル・コンテルシア東京ということのみ。若き刑事・新田浩介は,ホテルマンに化けて潜入捜査に就くことを命じられる。彼を教育するのは女性フロントクラークの山岸尚美。次から次への怪しげな客たちが訪れる中,二人は真相に辿り着けるのか!?いま幕が開く傑作新シリーズ
読書
「ご近所美術館」について
あらすじ(文庫本の裏表紙から)小さなビルの二階にある”美術館”。のんびり寛げるラウンジは憩いの場として親しまれ,老館長が淹れるコーヒーを目当てに訪れるお客もちらほら。その老館長が引退して,川原董子さんが新館長に。一目惚れした常連の海老野くんは,彼女を振り向かせたい一心で,来館者が持ち込む謎を解決していく。果たして彼の恋の行方は?青年が美術館の探偵となって奮闘する連作ミステリ
この記事の目的「ご近
「ブルーローズは眠らない」について
罤26回鮎川哲也賞を受賞した「ジェリーフィッシュは眠らない」に続く,マリア・ソールズベリーと九条蓮のコンビを探偵役に据える本格ミステリの罤2弾。前作は,ジェリーフィッシュと呼ばれる小型飛行船の中で起こる「そして誰もいなくなった」や「十角館の殺人」タイプのミステリだった。今作は,密室殺人。それも青いバラを栽培する温室の中で,首だけの死体と,明らかに他者に縛られた人物が閉じ込められた密室。犯人は,一体
もっとみる「破壊された男」について
読んだことがない人に,「読みたい!」と思わせるブックレビューを書きたい計画の第2弾。先日読み終わってブクログと読書メーターを書き終えたばかりの「破壊された男」について書きたいと思います。
「破壊された男」は,第1回ヒューゴー賞に輝いた名作。アルフレッド・エスターというアメリカ合衆国の作家が1953年に発表したSF小説である。
まずは,ちょっとしたうんちくから。ヒューゴー賞というのは,前年
「小説の神様」について
読書メーターやブクログで,読んだ本の感想を残してきた。基本的に,読書メーターでは「ネタバレなし」の感想を残し,ブクログでは「ネタバレあり」で,自分が後で読んでその作品のことを思い出せるようにしてきた。
先日,文庫版で,「アガサ・クリスティ―完全攻略〔決定版〕」(霜月蒼。株式会社早川書房。2018年)を読んだ。これが,素晴らしいブックガイドで,クリスティーの著作を改めて読みたいと感じ,実際に,