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ドラえもん監督に会えるまでの軌跡!!

オープニング

夢を諦めるまでの軌跡

〜あのエピソードに出会えたから〜

あの頃から毎週欠かさず見ていた。
小学生になった頃から欠かさず、だ。
一体どれだけのエピソードを見たのだろう。
当時は金曜日の19時。アニメ「ドラえもん」である。

 小学生の私が1週間を頑張れたのは、金曜日を心待ちにしていたからだ。
数多くの名作があるドラえもんは、一人ひとり印象に残っているエピソードも違うのではないだろうか。

 Q.好きなエピソードは?
聞かれて蘇る数々。
だが、なぜ心に残っているのかは説明できないモノばかり。

私の場合、例えば「45年後、未来の僕がやってきた」。
45年後ののび太が、今ののび太にかける感動の長台詞は丸暗記した。
のび太の未来について優しく明るく力強く語ってくれるのだ。

 欲しいひみつ道具は「人生やり直し機」。
小学生ながら、幼少期からもう一度人生をやり直したい!と心から憧れた。
 そして最後に、この記事の原点にしてそのものエピソード。

アニメオリジナル「友だちになってチョンマゲ」!
登場したひみつ道具:七人の知り合い

あらすじはこうだ。
友達の友達…と6人辿れば世界中の誰とでも繋がれる「六次の隔たり」という理論を実際にやってみよう!というストーリー。

この理論を心の片隅で覚えていたらしく、高校生の時に調べてみた。
・・・っえ?

ーーーーー衝撃っつ!!

  Facebookをやっている人同士であれば、わずか3.5次で繋がることが可能だという。
 もちろん全人口がやっているわけではないので少なくなるのは当然だが、世界はこんなにも広いのに、近いのか…!

高校生の私にとって、世界は広く遠かった。
電車で1時間も乗れば、それは十分立派な大冒険だった。
さすがに、雲の上の王国や地底世界を探したりはしないけど(笑)

 もしかしたら、私も誰か会いたい人に会えるかもしれない…!
今の時代だから、話を聞きに行けるかもしれない!!
どこでもドアはないけれど、今の時代どこにでも行ける。
その瞬間。
全身の血液が沸騰した。
何かやってみたいと感じた。
もし手元でタケコプターを握っていたら、高度1万メートルまで飛び立っていたことだろう。

よし、やろう!!





 `

 ってか、
いきなり見ず知らずの人から会いたいなんて、叶うわけないじゃんッ!!

 こうして、高校生の私が考えた一世一代の大プロジェクト、
"会ったことがない人に会いに行く計画"は儚く幕を閉じたのだった。


【第1部】ウインクするのび太

夢を思い出すまでの軌跡

〜2度目の人生、やり直す〜

 私には、大切にしている価値観がある。

2度目の人生、やり直す

by 私

よく聞くが、どうしても納得できないフレーズがあった。
それが、「人生は一度きり」

意味は共感している。たった一度の人生、色々やってみよう!
だけれども、
「人生は一度きり」ならリスクを取らずに安定した生活をしたい。
そう考える方が自然ではなかろうか?

 悶々とする中、好きなドラえもんのエピソードを振り返った際にヒントを得た。
お気に入りは2つ。
45年後ののび太がやってきて、現在ののび太と入れ替わる話。
現在ののび太が、幼少期ののび太になって生活する話。

そう、どちらも過去の自分を追体験するエピソード。
妙に納得したのだ。
 2度目の人生なのであれば、前回とは違うルートを歩んでみたい。
きっと一度目の人生では、無難にAという選択をしていただろうから、今度はBにしてみよう。

 めでたく、記憶を無くした人生やりなおし機を起動した。

〜余談〜
この価値観の末、めでたくnoteも書き綴ることにもなったのだ。
ネットで自分の内側をさらけ出すのは恥ずかしい。
とうめいマントがあったら被りたい。
絶対1度目だったら踏みとどまってしまっていただろうに(笑)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

〜ウインクに心奪われた〜

あ~もどかしい。
ここに画像も映像も載せられないのがもどかしい。

最近、アニメの作画崩壊が度々話題になる。
何年も毎週放送し続けることがいかに大変か、想像に難くない。

 例えば、名探偵コナン。
毎年映画で興行収入100億円近く叩き出す人気コンテンツでも、度々ネタにされる作画崩壊が起こる。
 ポケモンでも、総集編ばかりが放送された時期には様々な憶測が噂されていた。
 そこまで明らかな作画崩壊は無くても、ほとんどの作品はアニメーションとしての動きが全くないことが非常に多い。

 そんな中、ドラえもんを見ると驚きの連続で開いた口が塞がらない。
キャラクターがボーっと突っ立って口だけが永遠に動いている、なんてことがないのだ。表情も実に豊かで、動作も非常に繊細だ。

 例えば、歩くだけのシーン。
 ドラえもんでは、全身が映るシーンが非常に多い。
足先まで描くのと、腰までしか描かないのでは労力が桁違いに変わるのに。
毎週放送のアニメで、こんなにも歩くシーンでも全身を見せる作品は他にない。

 何より心震わされたのは、一度は見過ごしたウインク。
 重要度で言えば高くない何気ないシーンでも、のび太達は話している途中に片目をつぶって話したり、手を握ったり開いたりしている。
 1回見ても気付けず、2周目に初めて気付けたりする。
なめらかなアニメーションの中でキャラクターが一瞬目を閉じても、意外と見落としてしまうものなのだ。

すごい・・・!
すごすぎる・・・っ!!

ドラえもんを描かれる方はどんな方達なのだろう?
高校時代の思いがふつふつと蘇ってきた。

今の時代だから、話を聞きに行けるかもしれない!!


【第2部】のび太さんのエッチ

目標を断念するまでの軌跡

〜のび太さんのスイッチ〜

 もしも、もしもドラえもんのアニメーターに会いに行けたら・・・。

実現するには、
もしもボックス…ではなく普通の電話で問い合わせるのも一つ。
だが、いつも耳元で高校生の私が囁いてくるのだ。
「見ず知らずの私が、会ってもらえるわけないじゃんッ!!」

 あれから数年経った私は少し違う。

ーーーカチッ

スイッチを入れた。
よし、見ず知らずの私でも、どうやったら会ってもらえるかを考えよう。
のび太君だったらきっと前向きに考えるはず。
のび太君スイッチ、ON!

とはいえ、ドラえもんは好きだがファンというほどではない。
ひみつ道具に詳しくも、原作者に詳しくもない。
藤子・F・不二雄ミュージアムもまだ行ったことがない。
ただ、小学生の頃。ドラえもんの落書きをした程度だ。

小学1年生の時に描いたドラえもん

 となれば、ドラえもんのイラストを描いてSNSで発信してみるのはどうだろう?
フォロワーを1万人程度まで増やせれば、少しは興味を持ってもらえるかもしれない!
もちろんフォロワーが全てではないけれど、少なからず目に見える実績になるはず。そこで考えたのがTwitter。
Instagramではリツイート機能がないのでフォロワーをすぐに増やすのは難しいかもしれない。しかし私はここでも壁にぶち当たる。待て待て、

Twitterなんてやったことないゾ・・・!!

 やったことのあるSNSはFacebookとLINEのみ。
フォロワーの増やし方なんて想像もできなければ、Twitterの操作方法すら知らない。
浅い知識でネットを読み漁ろうと思ったが、小難しくて何が書いてあるのかわからない😓
誰かください、ほんやくコンニャク。

なぜ今までTwitterをやってこなかったのか?
だってTwitterって、青い鳥に時間を食われるモノだと思ってたんだもの。
でも青いタヌキのためならば……っ!

 恐る恐る……とりあえずやってみよう。ドキドキ、ドキドキ💓

 ーーーシュボッ

 へー、Twitterってシュボッて音するんだ〜(笑)
こうして、私の人生がスイッチした。
高校生の私が諦めた"会ったことがない人に会いに行く計画"。

始動ーーーーーー!!


 "のび太さんのスイッチ"って聞くと独裁スイッチ想像しちゃうな。

私のひとりゴト

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

〜のび太さんと不一致〜

 missionはただ一つ☝️
「ドラえもん絵描きアカウントを作り、フォロワー1万人まで育てる」

そうと決まれば、ひたすら描きまくるぞ!!
えい、えい、おぉーッ! (' 0 ')/~~~

 描いて。。。

カキカキッ

⬇︎⬇︎⬇︎
撮って。。。

パシャッ!📸

⬇︎⬇︎⬇︎
載せて。。。

シュボッ!

⬇︎⬇︎⬇︎
もう一度、
カキカキ。。。パシャッ。。。シュボッ。。。

カキカキ、パシャッ、シュボッ!

⬇︎⬇︎⬇︎
カキカキ、、パシャッ、、シュボッ、、

⬇︎⬇︎
カキカキ……

⬇︎
……

 ……って。
これ、無理だ。
フォロワー1万人なんて、絶対無理だ。到底無理だ。うん、無理だ。

 そもそも、自己啓発や教養みたいに知ってトクする情報ならまだしも、
人が描いた絵なんて見なくたってどうってことないじゃないか!
大体ね、私は落書きは好きでも上手じゃない。
SNSを開けば、絵の化け物がゴロゴロいるじゃん。
のび太みたいに家でゴロゴロしてる人がTwitterで一瞬絵を見て、フォローしたいなんて思うと思う??

桃太郎印のきびだんごを1万人に配ってフォローさせるしか方法はない。

やめだやめだ!
こうして、再び動き出した"会ったことがない人に会いに行く計画"は、またしても散りゆくのだった・・・。


なんてことはもうしない。
何しろ私は人生2周目なのだ。ここで諦めたら1周目の二の舞じゃないッ! なにか、何かアイディアはないだろうか?

 ファンアートにはメリットがある。
それは、目に留まるということ。
自分の知らないオリジナルキャラクターを見るよりも、知っているキャラクターの方が認知が早い。

例えば路上ライブに遭遇した場合も同じ。
オリジナルソングを歌っていても足を止めないが、聞きなじみのあるカバー曲であったら思わず見てしまうのではないだろうか。

 反対に、ファンアートにはデメリットもある。
それは、誰が描いた絵なのかわかりづらいというもの。
描き癖や色の塗り方に特徴は出るものの、Twitterで一瞬目にした際にそれがわかるだろうか?

ドラえもんの絵を描く人なんて星の数ほどいるのだ。
私の絵なんて見向きもされない。
それを私は"石ころぼうし現象"と命名した。

残念ながら私には、一目でわかる特徴的な画風もない。
のび太君みたいに諦めずに挑戦しようなんて。私にはおこがましかった。

捉え方を変えれば、
のび太君みたいにやろうとしたけど、できずにバカにされる。
これはこれで、のび太君になれたのだ……(泣)

ある意味、「のび太さんと一致」を小見出しにしても良いカモ?

私のひとりゴト

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

〜のび太さんをパパラッチ〜

 イラストアカウントでフォロワーを増やす手っ取り早い方法の1つに、エロやグロを描くというものがあるらしい。

 目標としてフォロワー1万人を掲げているがそれは目的ではない。
目的は、ドラえもんのアニメーターに会いに行くこと。
私自身エッチな絵より、温かみのある絵を描く方が楽しい。
理想は、小学生の頃の自分に見せて喜んでもらえる絵を描くこと。

あ。
今、良いこと思い出した。

私はなぜ、落書きが好きだったのだろう?
言葉が全く話せなかったから? いや、違う。
授業が実に退屈だったから? いや、違う。
そこに鉛筆があったから? いや、違う。

頭の中で物語を作って、キャラクターと一緒に遊んでいたからだ。
私の目には、自分が描いた絵が紙の外に飛び出してきて見えたのだ。

 ネットで調べると、どうやら立体アートというものがあるらしい。
確かにトリックアート展などに行ったことがある。
当時、ドラえもんを立体で描いている人がいないではないか!

だったら!
紙から飛び出して見えるドラえもんを描き続ければ、「あの人か」とわかってもらえるようになるかもしれない!

善は急げだ、思い立ったが吉日。好機逸すべからず!
立体の描き方なんて知らないけど、見様見真似でやるっきゃない!

早速、描いてみた。

描けた!!

 ・・・変な顔(笑)
ちゃんと向きを整えると、、、少しは飛び出て見える……のか?

撮ってみた。

撮れた!!

 他を圧倒するほどのズバ抜けた画力はない。
だけど、だけれど、だけれども。もしかしたら。
絵を見た時に「あ、あの人の絵だ」とわかってもらえるかもしれない。

フォロワー1万人はいかずとも応援してくれる方がいるかもしれない。

ひたすら描いては、撮って。描いては撮って、描いては撮って。
やってみよう。

 イラストというよりも写真アカウント…?

私のひとりゴト

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

〜のび太さんをキャッチ〜

 私のパパラッチ生活がスタートして早1年。
有難いことに、5000人くらいのフォロワーの方がついてくださるようになった。

フォロワー1万人には届かず・・・

5000人じゃまだ依頼したところで相手にされないだろう。
じゃあ、1万人行くまでもう少し辛抱するか?
それとも、1万人いっていないけれど、会ってもらえないか打診してみるか?

いやでもやっぱり5000人じゃまだ弱い。

せめて8000人は欲しい。

最初に立てた1万人という目標を諦めるのか?
それで良いのか!?

いや、待て待て。
きっと1万人になったらなったで、3万人じゃないと…みたいに思いそう。
私という人間は、先延ばしにする能力だけは一丁前なのだ。

だったらそろそろ見切りをつけて次のステップに行っても良いかもしれない。

こうして、悔しくも1万人達成の目標を断念した。


 さて、アニメーターに話を聞くにあたり準備したいことはもう一つ。

実際にアニメーションを作ってみよう!!!

私のお絵かきのコンセプトは「小学生の頃の自分に見せて喜んでもらえる絵を描くこと」。
小学生の私には、イラストがのびのび動いているように見えたのだ。
だったら実際に動かしてやろうではないか。

善は急げ、思い立ったが吉日。好機逸すべからず!
アニメの描き方なんて知らないけど、見様見真似でやるっきゃない!

早速、動かしてみた。

自分のiPhoneに着せ替えカメラをインストールしてみた。


「してみた」なんて軽い感じに見栄を張ってしまった。
かるがる手袋も不要な軽い見栄。

……血を吐くかと思った。
ドラえもんの絵を100枚描いたのだが、まるで部活の合宿のような数日を過ごす羽目になろうとは。

似たような絵をひたすらに、永遠に描き続ける地獄。
続いて襲ってくる無心に色を塗り続けるだけの地獄。
ずっと座っていてお尻が痛い。
肩が痛い。手が痛くてペンも握れない。目が痛い。頭が痛い。
助けてぇ、どらえもん。

そういえば、お腹すいてる。ペコペコじゃん。
でもヘトヘト、料理できない。
グルメテーブル掛けちょうだい・・・。
仕方ないので食欲よりも睡眠欲。
起きたらまたこの地獄が始まるのかと思うと、目を覚ましたくもない。

パワポで1枚1枚作った

アニメーター、凄すぎない!?
こんなこと本当にやっているの!?

労力を実際に自分の手でキャッチする。
ますます会ってみたくなった。
ドラえもんを毎週手掛けられている方々に。

 タイトルの付け方がかなり強引になってきた😅

私のひとりゴト

【第3部】ジャイアン,スネ夫.もう一人。

夢を叶えた軌跡

〜ラスボス、その正体は私〜

スイッチを入れた日から約1年半。
Twitterのフォロワーは5000人。
そして、自分でもドラえもんの自作アニメを体験した。

さて、どなたに会いに行こう?

少なくとも、TwitterでDMを送るので相手もTwitterをやっていて、DMも解放している必要がある。

と思いながら毎週のお楽しみ、ドラえもんを見ていると。
エピソードのタイトル画面の右下に、演出家や脚本家の名前が出ているではないか!
早速調べると、Twitterをやっている!

思い切って森山さんに連絡!

"はじめまして。リヒトと申します。
 ドラえもんが好きで、立体イラストを描いています〜〜〜"

むむ、、、本当にこれで良いのか……?
自己主張が強すぎるのではないか?
いや、全然自分のことが伝わらずに不審がられるのでは?

気づけば数行のメッセージを考えるだけで10分経っていた。

あいや、違う。
短針の位置がずれている。
1時間と10分経っていた。

どうせ、返事なんか来ないよなぁ。
時間ももったいないし、そもそも会ってもらえることになったら何を聞けば良いの?
それに、相手は私に会ったところで何のメリットもないんだ。

この後に及んで送るかどうか悩み始めてさらに10分経っていた。

いやいや、冗談。また短針がずれている(。-_-。)
またもや1時間と10分経っていた。

ここまでやってきたにもかかわらず、結局最後に邪魔をするのは自分自身だ。
高校生の頃の私じゃない。大人になった私が邪魔をするのだ。
コロバシ屋でさえ10円必要だというのに、大人になった私という奴は無料で何十発でもコロバシにかかってきやがる。

ふざけるな……ッ!!

目を瞑って、、、えいやっ!!

・・・

ハァ、ハァ、ついに、遂に送ってしまった。
もう死んでも良いや😩

。。。

返事、来た。

あぁ、、、開きたくない。
断りの連絡をくださるなんてなんて丁寧な方なんだろう。
なんて返事をすれば良いのだ。
こっちから連絡している以上、未読も既読無視もできっこない。

……っえ!? 会ってもらえる……?

ガバッ!

これは死んでる暇ないぞ!!
高校生の私よ、見たか! 耳元で何度も囁きやがって!!
大人になった私よ、お前ごとき空気砲でイチコロだ!!

どこにだって行く準備はできている…!
速攻で電車に飛び乗った。

私には聞こえていた。
ムードもりあげ楽団が奏でる栄光に導くオーケストラ。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

〜絵コンテ・演出家〜

どうやら今日は間違えた。
香水ではなくドラマチックガスを吹き付けてきてしまったらしい。
電車の中も、改札も。待ち合わせ場所のカフェも。
全てが新鮮で、ドラマチックに感じる。
空ってこんなに青かったっけ。

カランコロンとドアを開け、店員さんには待ち合わせだと伝える。
お互い顔を知らないが、店員さんに連れられて遂に対面。

「よ、よろしくおねがいします…!」(〃ω〃)

思ったより年齢が近そうで一安心。

この後に及んで私は、会っていただいておきながら"絵コンテ"のお仕事を全く知らなかったのだ。
失礼を承知で色々教えてもらってしまった…!

>>脚本と台本は別物!<<

 ドラマだと脚本=台本と思っていてもあまり影響はない。
しかしアニメの場合は別物なのだという。
理由は、脚本と台本の間に絵コンテに書き起こす作業が入るからだ。

言われてみれば納得。
ドラマの場合、脚本でロケ地を探して、セリフを覚えて、画角を調整して。
その場その場でより良い台詞回しやカメラ位置を変えていく。

しかしアニメの場合はそれが全て絵コンテの段階で行われる。
絵コンテにした時に違和感があればそこで修正を加えるらしい。

例えば、脚本上で
⇨「グローブをもらうジャイアン」
というシーンがあったとする。
そこで絵コンテに起こす際により効果的な見せ方に変更を加える。

⇨「プレゼントをもらうジャイアン」
⇨「どきどきしながらリボンを解くジャイアン」
⇨「嬉しそうなジャイアンの表情」
⇨「プレゼントの中身はグローブ」

という要領である。
ジャイアンがプレゼントをもらうワクワク感や、喜びがより一層強く伝わるようになっている。

このように絵コンテの段階で演技が変わるため、アニメの場合は脚本と台本は別物になるようだ。

台本や絵コンテを実際に持ってきてくださって、見せていただいた。
そのお心遣いには感謝しきれない。
恐れ多くて触れるのも怖かった。

今までの1年半がまるで嘘のようにあっという間の2時間だった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

〜作画監督・キャラクターデザイン〜

そんな森山さんがすごい、と言っていた方が作画監督。
他の人が描いたアニメーションを統一するのだから、相当な技術がないとできないお仕事だろう。

そこで、見つけた(リンク先は最近のツイート)。

 2回目ともなるとお茶の子さいさい!
……とはいかず、やっぱりメッセージ考えるのに1時間。
送るかどうかでさらに1時間💦💦
それどころか、ガリバートンネルに投げ込まれたかのようにますます縮こまっていく私の度胸。・・・成長しないな、私は。

 だけどなんと……会ってくださるらしい!!
夢じゃないかしら。
今すぐゆめたしかめ機で確かめなくては!
あ、ダメダメ。本当に夢だったら目が覚めちゃう汗

藤田さんのお気遣いで、ドラえもんを制作しているシンエイ動画の近くのカフェでお会いすることに。
私もせめて心の大きな人間になりたい。。(ビックライトを使って)
シンエイ動画の入り口でパシャリ。

入り口には空き地が!

 着いたカフェは、アニメスタッフがよく打ち合わせなどで利用しているらしい。
 キャラクターデザインも担当されているとのことで詳しくお聞きした。
う〜〜む。と頭を抱え込んだのはこんなお話。

 とあるエピソードで、隣町のガキ大将にのび太くんが追いかけられるシーンがある。
この時、ドラえもん作品の場合大抵ジャイアン似の大将とスネ夫似の取り巻きが出てくるものだ。
 しかし今回は、三人組のガキ大将でなければならないらしい。

 さて、3人目のキャラクターデザインはどうしよう?

 言われてみれば、ドラえもんに出てくるキャラクターは全員シルエットが違う。太り気味のジャイアンとはる夫でさえ、背格好が違う。

もどかしい。
あ〜もどかしい。画像を載せられないのがもどかしすぎる。
私は迷わず見返した。藤田さんが担当された3人のガキ大将は「ちっちゃくても出木杉」というエピソードで見ることができる。

 そんなお話を聞いていると、一組のお客さんが来店。

なんと、アニメの前監督と現監督のお二人だった。
 映画版も監督をされていて、大杉 宜弘さんは宇宙英雄記、八鍬 新之介さんは月面探査機などを監督されてきた。
どうやら打ち合わせで利用しにきたようだ。

 えっ!
 これはなんというご縁……!

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

〜チーフディレクター〜

 お忙しいはずなので、メチャクチャ話したい欲望をなんとか抑えこみ。
とりあえずその場ではご挨拶だけで、改めてTwitterで依頼した。
お話聞かせていただけませんか!?

Twitterをされていた大杉さんに再度図々しくお願いを。
 そして再び同じカフェへ。

 チーフディレクターとは、簡単に言えば監督。
監督というポジションにもなれば、苦労も相当多いらしい。
しかも国民的コンテンツ、ドラえもんならばなおさらだ。

 ちなみに、ドラえもんは2017年にパワーアップしその際にチーフディレクターになっている。
 数々の記事で「リニューアル」という言葉が使われているが、大杉さんはリニューアルではないとおっしゃっていた。
 より良い作品にしていくことは常に行なっており、その一つであるからだ。

 チーフディレクターの1番の仕事は、「ドラえもんにする」ことだという。
国民一人一人が考える"ドラえもん"は異なる。
毎週放送できるレベルにドラえもんとして到達させる。そのことがどれほど難しいことで、当たり前に求められることなのか。

 そのことを聞いた時。
こういう方々が毎週のアニメを制作されているのか。
きっと将来私は、自分の子どもとずっと一緒にドラえもんを見ているだろうと感じた。

 そして自慢したい。
一歩踏み出せば、会いに行けるかもしれないよ!!



エンディング

〜出木杉たご縁に感謝〜

六次の隔たりを知った小学生の私。
会ってもらえるわけないと現実を知った高校生の私。
運と縁に恵まれれば、夢は叶えられると知った現在の私。

Twitterではペンネーム、顔出しもしていない。
そんな私の厚かましいお願いを聞いてくださった御三方。
感謝してもしきれない。
本当にありがとうございました。

もしもタイムマシンがあったら。
高校生の私に会って、きっとこう掛けるだろう。
暗記するほど好きだったこの言葉。

君はこれから何度もつまずく。
ときにはもう起き上がれないほど、苦しい時もあるだろう。
しかしだ、そのたびに君は起き上がる。何度も何度も起き上がるんだ。
躓いても、そのたびに立ち直る強さを、君は持っているんだよ。
前よりもっともっと強くなろうとする力をね。
そして強くなって、もっともっと生きていくんだよ。

アニメ330話(原作:てんとう虫コミックス「ドラえもん+」第5巻 45年後…)より引用

さて、次はどなたに会いに行こうか。

ここまで読んでくださった方、とか。
読んでくださりありがとうございます!

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