流されていくこと、その先にあるもの。[読書日記]
「マウス アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語」Ⅰ,Ⅱ アート・スピーゲルマン 著 (晶文社)
アウシュビッツを体験した父から聞いた話を漫画にした作品。
ユダヤ人はネズミ、ドイツ人はネコ、ポーランド人はブタで描かれている。
そのため人物の特徴は最小限まで削ぎ落とされており、作中では文字による対話で登場人物の思考が、描かれた絵で設定や場面などの枠組みが表現されている。
そして、出てくる人々はすべて「凡人」だ。
ゆえに、この作品は漫画と文学のあいだにあると思う。
そんな