山本貴光

homo ludens

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    • 雑記帖

      日々思い浮かぶよしなしごとを書いた雑文をまとめる雑記帖です。

    • 岩波文庫に(勝手に)帯をつけるプロジェクト

    • 数学用語のできるまで

      現在も日本語で使われている数学の用語の多くは、ヨーロッパ諸言語から翻訳されたものでした。そうした訳語はどのように造られたのか、ということについて、『東京數學會社雑誌』を読みながら検討してみます。

    • 『吾輩は猫である』ゲーム化計画

      夏目漱石の『吾輩は猫である』をゲーム化する過程をつづります。

    最近の記事

    文芸書を並べるのは難しい

    このところ、小説や詩集を、どんなふうに書棚に並べるかについて考えている。 大きな基本方針は決まっている。 ・文庫や叢書類はまとめて置く。 例えば、岩波文庫、講談社文芸文庫、新潮文庫、光文社古典新訳文庫、ルリユール叢書、白水社エクス・リブリス、新潮クレスト・ブックスといった本は、叢書ごとにまとめて置くという意味だ。 なぜそうするかといえば、単にシリーズものは並んでいると気分がいいということもあるし、まとまっていると見つけやすくなるという利点もあるからだ。 岩波文庫なら岩波文

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      • でもそれは、遠い遠い思い出

        中学生のとき、ときどき遊びにいっていたA君の家ではサルとイヌを一緒に飼っていた。 訪れるたび、「今日はケンカしてたりしないかな……」と少しドキドキしていたものの、サルとイヌは特に険悪な風でもなく互いにのんびりしていたように思う。 放課後なんかに遊びに行くと、A君はヴィデオテープに録画されたRCサクセションのライヴ映像を再生してくれて、2人で繰り返し見て飽きるということがなかった。あの声で「愛しあってるか~い?」と問いかけ、歌うボスはひたすらかっこよかった。 A君は、忌野清志郎

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        • 失ったものとの再会

          これまで失ってきたものと再会する夢を見た。 うつらうつら、何度か目覚めたり、また眠りに落ちたりを繰り返して、そのつどオムニバス映画のように切り替わる。 それぞれの対象はとても鮮明で、かたとき再会しては、なにかの理由でまたはぐれてゆく。 目覚めたとき、「ああ、いろいろなものを失ってきたんだな」と思ったものの、実際のところ、自分が夢でなにと再会したのかは思い出せなかった。

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          • あまり自発的に話さないわけ

            子供のころから、よく口内炎ができた。 といっても、子供のころはただただ口の中が痛いというだけで、それがなんなのかも分かっておらず閉口するばかり。 あるとき、親類の結婚式に呼ばれたかなにかでご馳走の出る席があった。当時小学校に上がる前かそこいらの私は、その日やはり口内炎ができていて、母親に口の中が痛いのでものが食べられないと伝えたところ、バナナやらプリンやら柔らかいものばかり与えられたということがあった。食い意地が張っているほうではないと思っているのだけれど、目の前を通り過

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            現在も日本語で使われている数学の用語の多くは、ヨーロッパ諸言語から翻訳されたものでした。そうした訳語はどのように造られたのか、ということについて、『東京數學會社雑誌』を読みながら検討してみます。

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            夏目漱石の『吾輩は猫である』をゲーム化する過程をつづります。

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            現在も日本語で使われている数学の用語の多くは、ヨーロッパ諸言語から翻訳されたものでした。そうした訳語はどのように造られたのか、ということについて、『東京數學會社雑誌』を読みながら検討してみます。

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            • 岩波文庫に(勝手に)帯をつけるプロジェクト#04

              さて、なぜこんなことをしようとしているのか、という動機をお伝えした。では、実際にはどうするのか。製作に向かおう。 私としては、既存の岩波文庫の帯をお手本にして、同じ仕様のものをつくりたい。 といっても、現在の岩波文庫には、通常、帯はついていない。いや、つく場合もある。少々ややこしいのだが、こういうことだ。 昔の岩波文庫には、帯がついていた。例えば、こんなふうに。 (ボッカチオ『デカメロン(一)』野上素一訳、赤54、1948;第25刷、1965) 現在の岩波文庫では、

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              • 呼び込みに弱い

                先日チョコレートをいただいたお礼に、お菓子を買おうと街に出る。 たまさか通りかかったお店を見て、ちょっといい感じの外観だな、覗いてみようかな、と思ったところで、店員さんが出てきて、大きな声で呼び込みを始めた。 私は気後れをして、そのまま素通りする。 なぜかは分からないのだけれど、種類を問わず、呼び込みをしているお店を入りづらく感じて敬遠してしまうのだった。 少し先に行ったところで、おいしそうなお菓子を見つけて、無事に用事が済んだ。 おまけに本もつけよう。 書店へ向か

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                • イヤな記憶から離れる

                  ぼっとしていると、昔のことが思い出されたりする。 そのまま記憶が甦るままにしておくと(そう、どちらかというと、体が勝手に再生しているような感じなのだ)、ときどき「ああ、そっちはあかんよ」と感じることがある。 なにがどうあかんのかは、その時点では分からないのだが、そのまま記憶を遊ばせておくと、かつて味わったイヤな気分(恥ずかしい思いとか苦い思いとか)が甦りそう、という予感のようなものだけが感じられるのだ。 そういうときはとっさに「ふん」と声を出す。 声というよりも、鼻を鳴

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                  • 砂浜の白い線

                    散歩の途中、気が向くと浜辺を歩く。 水の色も、浜の様子も、訪れるたび違っているように見える。この日は、なんというのだろう、水が澄んで浅瀬の底が見えている。少し緑がかった水面は穏やかで、春の気配を感じさせる。 しゃらしゃらという小さな音が聞こえる。浜辺の細かい貝殻が、波に動かされて鳴る音だ。 砂浜の様子も行くたび違っている。あるときは、砂ばかりかと思えば、貝殻の破片が層を成していることもある。貝殻も、日によって大きめのものが目立つこともあれば、小さなものが無数に敷き詰めら

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                    • 岩波文庫に(勝手に)帯をつけるプロジェクト#03

                      さて、なかなか帯をつくり始めるところまで辿り着かないのだけれど、もう一つだけ先に記しておきたいことがある。 なぜ岩波文庫に(勝手に)帯をつけるのか。理由が二つあると言った。 一つは、前回書いたように、岩波文庫の著者別番号のしくみが紆余曲折しているために、古い本だと番号が現在のものと違っていて、棚に並べる際などに不便だから、ということだった。 では、もう一つはなにか。写真を見ていただこう。 これは、バンジャマン・コンスタン(1767-1830)の政治論集である。 ・『

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                      • 岩波文庫に(勝手に)帯をつけるプロジェクト#02

                        なぜ、岩波文庫に(勝手に)帯をつけたいのか。まだ、その話に辿り着いていなかった。 理由は二つある。 一つは、岩波文庫の変遷に関わり、もう一つは、私の個人的な必要に関わる。まず、前者から述べてみよう。 前回説明したように、現在の岩波文庫には、帯の色による分類に加えて、著者を識別するための番号と、作品を区別する番号が備わっている。 改めて例を示せば、『与謝野晶子歌集』(改版第1刷、1943;第64刷、2005)は「緑38-1」という具合。緑は「日本近代・現代文学」で、「3

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                        • 岩波文庫に(勝手に)帯をつけるプロジェクト#01

                          私はここ四半世紀くらい、岩波文庫を集めて読んでいる。 (なんでそんなことをしているのかについては、近日公開される別の文章に書いたので、ここでは省略する) それで早速なのだが、岩波文庫について少し困っていることがある。 書棚に本をどう並べるか、ということに関わっている。 これは、岩波文庫を収めた棚の一部。棚が足りないので、手前と奥の二列で並べている。 といっても、いま考えたいのはそのことではない。問題は、棚に本を並べる順に関わる。 「そんなこといっても、岩波文庫には番

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                          • デスクトップを片付ける

                            机の上を片付ける。 昨日まで書いていた文章のための本やらコピーやらの山をどかす。本はそれぞれの棚へ。コピーはファイルに綴じる。 ものを書く仕事では、書きながら「あれ、あの本にはなんて書いてあったかな……」というので書棚から本を持ってきて、用が済んだらその辺に積んでおく、ということを繰り返すために、すぐ書塔ができる。 そのつど元の位置へ戻せばよいのだけれど、ついそのままにしてしまう。それで一仕事終わる頃には机の上や周りが関連書まみれになるのだった。 それを片付ける。

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                            • 日記の意外な効能

                              毎日、1日の終わりに日記を書くようになってかれこれ30年近くになる。 パソコンで文章を書くための環境が整って以来、これなら楽ちんと思ってつけている。ただし、現存しているのは1993年あたりから。それ以前のものは、パソコンや記憶装置の故障とともに消え去ってしまった。 学生の頃の私は存外こまめで、その日買った本や観た映画について、あれこれ書いたりしている。と書いてみて思ったのだけれど、いまより自由になる時間があっただけかもしれない。 日記をつけて始めたのは、物覚えが悪いとい

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                              • 歌は記憶のスイッチ、あるいは悪夢の社員旅行について

                                かつて繰り返し聴いた歌は、熱心に耳を傾けていた頃の記憶と分かちがたく結びついていたりする。 私にとって、ビートルズの「ミッシェル」や「レットイットビー」は、そうした記憶のスイッチのひとつだ。 時は1990年代半ばのこと。私は、コーエーというゲーム会社に入社した。(細かい話だが、入社したときは「光栄」で、1998年にコーエーに変わった。以下では読みやすさを考慮して「コーエー」と記す) 当時、コーエーには社員旅行という行事があった。 社員は全員参加で、バスを連ねて宿泊地まで

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                                • ページターンはハッピーターン

                                  本には、ページをめくる楽しみがある。 それ自体が小さな達成感といおうか。 そんなことを思ったのは、『昭和文学全集』(小学館)のせいだ。 なぜかといえば、この本は1ページが3段組で、ページをめくってから次にページをめくるまでに、結構な間が空くのだった。 いやいや、読んで楽しければ、ページをめくることなんて、二の次、三の次でしょう。そういう意見もあると思うし、理解できる。 他方で、それでもページをめくる楽しみがあるとも思う。 ページをめくるごとに前へと進んでいるという

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                                  • 数学用語のできるまで 第4回 Unitをどうすべきか

                                     日本語の数学用語は、どのようにつくられてきたのか。  明治期に、欧米からの文物の移入がそれまで以上に増える。そうしたなかで、学術の各方面についての知識ももたらされた。その際、英語、ドイツ語、フランス語をはじめとする異言語の用語や概念を、日本語でどう受け止めるのかという翻訳の課題も改めて生じる。 (「生じる」といっても、江戸期にオランダを経由して摂取されていた蘭学や洋学でも、すでに検討されていた課題であった)  はじめのうちは、人それぞれ、めいめいが必要に応じて自分で工夫

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