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岩波文庫に(勝手に)帯をつけるプロジェクト

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岩波文庫に(勝手に)帯をつけるプロジェクト#04

さて、なぜこんなことをしようとしているのか、という動機をお伝えした。では、実際にはどうするのか。製作に向かおう。

私としては、既存の岩波文庫の帯をお手本にして、同じ仕様のものをつくりたい。

といっても、現在の岩波文庫には、通常、帯はついていない。いや、つく場合もある。少々ややこしいのだが、こういうことだ。

昔の岩波文庫には、帯がついていた。例えば、こんなふうに。

(ボッカチオ『デカメロン(

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岩波文庫に(勝手に)帯をつけるプロジェクト#03

岩波文庫に(勝手に)帯をつけるプロジェクト#03

さて、なかなか帯をつくり始めるところまで辿り着かないのだけれど、もう一つだけ先に記しておきたいことがある。

なぜ岩波文庫に(勝手に)帯をつけるのか。理由が二つあると言った。

一つは、前回書いたように、岩波文庫の著者別番号のしくみが紆余曲折しているために、古い本だと番号が現在のものと違っていて、棚に並べる際などに不便だから、ということだった。

では、もう一つはなにか。写真を見ていただこう。

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岩波文庫に(勝手に)帯をつけるプロジェクト#01

岩波文庫に(勝手に)帯をつけるプロジェクト#01

私はここ四半世紀くらい、岩波文庫を集めて読んでいる。
(なんでそんなことをしているのかについては、近日公開される別の文章に書いたので、ここでは省略する)

それで早速なのだが、岩波文庫について少し困っていることがある。

書棚に本をどう並べるか、ということに関わっている。

これは、岩波文庫を収めた棚の一部。棚が足りないので、手前と奥の二列で並べている。

といっても、いま考えたいのはそのことでは

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岩波文庫に(勝手に)帯をつけるプロジェクト#02

岩波文庫に(勝手に)帯をつけるプロジェクト#02

なぜ、岩波文庫に(勝手に)帯をつけたいのか。まだ、その話に辿り着いていなかった。

理由は二つある。

一つは、岩波文庫の変遷に関わり、もう一つは、私の個人的な必要に関わる。まず、前者から述べてみよう。

前回説明したように、現在の岩波文庫には、帯の色による分類に加えて、著者を識別するための番号と、作品を区別する番号が備わっている。

改めて例を示せば、『与謝野晶子歌集』(改版第1刷、1943;第

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