日が短くなってゆく
この季節が
いちばん嫌いだ
てのひらを返すように
暑さすべてをなかったことにして
すました顔で
去っていく夏を
見送ることしかできずに
雨がなんどか通り過ぎて
道路が渇いたとき
ぼくはひどく
歳を取ってしまった気がする
そっくり中身を
取り替えられてしまった気がする
夏は自分勝手だ
あたまのはんぶんを
おきざりにして
からだは残像のように
ゆらめいていて
へんなかんじさ 今は
きみの顔も
夏のかげをせおって
ひどく疲れている
こんな季節
いや 季節とも呼べぬ
このいっときの移行期間を
早く通り過ぎてしまえ
と思う