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【詩】移行期間


日が短くなってゆく
この季節が
いちばん嫌いだ
てのひらを返すように
暑さすべてをなかったことにして
すました顔で
去っていく夏を
見送ることしかできずに
雨がなんどか通り過ぎて
道路が渇いたとき
ぼくはひどく
歳を取ってしまった気がする
そっくり中身を
取り替えられてしまった気がする
夏は自分勝手だ
あたまのはんぶんを
おきざりにして
からだは残像のように
ゆらめいていて
へんなかんじさ 今は
きみの顔も
夏のかげをせおって
ひどく疲れている
こんな季節
いや 季節とも呼べぬ
このいっときの移行期間を
早く通り過ぎてしまえ
と思う




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