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【詩】爆ぜる


研ぎ澄まされた怒りが
眼前で爆ぜた
それは花火の如く
いっしゅんで空中に
火の粉の脈を描いた
手を握りしめた
言いようの無い悔しさが
喉元を覆っていた
ことばなど出なかった
わたしは空を仰いだ
絶望していた
ふらふらと歩み
埋められた地雷を
残らず踏んだ
轟音がひびく
地面がめくれあがる
わたしのからだは
粉々になる
怒りが
おくれて おくれて
やってきて
痛みは全く感じなかった
怒りだけが
空中に散布し
いつまでも
雪のように舞っていた



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