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【詩】沖に沈む心臓


すらっと伸びる
橋の太腿に水が跳ねた
沖に沈む心臓
不均等な脈が躍り
波が打ちつけられていく
狂いあおうよ海原
一秒先に
どこに向かっているかも
わからないのだから
生きることを選んだものたちは
無音ではいられない
生きてるかぎり
音を撒き散らし
衣ずれをおこしては
静かに怒りを灯している
よせて返す波は怒りの満ち引き
よく眠るために
橋のつま先に
収束させていく
黒い海の布団に入り
眠る




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