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NHKの「光る君へ」を見ていたら、なんだか話したくなってしまいました。 大学では上代文…

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NHKの「光る君へ」を見ていたら、なんだか話したくなってしまいました。 大学では上代文学を専攻しましたが、源氏物語もそれなりに詳しいです。 歴史上の「推しメン」は藤原隆家さま。もう葉室麟の小説になっていますね。

最近の記事

私の光る君へ〜大河ドラマ『光る君へ』27話・宿縁の命(見逃した方もどうぞ)

石山寺、回廊、夜。扉を開けて、呼び寄せられたように現れる柄本佑(道長)。驚く表情の艶やかな吉高由里子(まひろ)。タイトル  999年、二月(春)のはず。  まひろと道長は、近況と苦労を語り、労わり合う。道長は天下人となった苦闘、まひろは越前の事、宋語。  「越前には美しい紙がございます。私もいつかあんな美しい紙に、歌や物語を書いてみたいです。」「戻って来て良かった。」  いったん別れかけて、振り返り、抱き合い、結局臥所を共にしてしまう二人。「俺のそばで生きることを考え

    • 私の光る君へ~大河「光る君へ」26話・いけにえの姫・雑感(見逃した方もどうぞ)

       長徳四年(998)年10月1日.日触の最中に、都を地震が襲った。 日蝕の画像と地鳴りで開始。  まひろ(吉高由里子)の家は、夫となった宣孝(佐々木蔵之介)の力で修繕が進んでいた。いと(信川清順)は、宣孝の財力に驚きながら、地震の時まひろをかばった姿にも感動していた。  そこへ宣孝が、鏡の贈り物を持って現れ、新婚さんらしいやりとり。 字幕  10月3日。地震と日蝕についての「天文密奏」【天文博士から、異常気象の原因を占いで知らせるもので、天皇以外は見てはならないもの】を

      • 私の光る君へ~大河「光る君へ」25話・決意・雑感(見逃した方もどうぞ)

         997年、冬。越前。日本昔話のような村長の声で始まり。 「この村の者は、秋には男が山で雁皮を取り、冬には女が紙を漉きます。」雪降る中、為時(岸谷五朗)はまひろ(吉高由里子)を連れ、国守として紙漉き作業の見学。「これが越前が誇る紙漉きの技か~大いに励め」越前和紙の美しさにときめくまひろ。タイトル    為時は、租税の紙が多いことを不審に思い、村長に余分を返そうとする。しかし、流通方法を持たない村長たちは、役人の手を借りて、紙を売りさばく必要があるのだ。  為時は何もわかってい

        • 私の光る君へ~大河「光る君へ」第24話忘れ得ぬ人・雑感(見逃した人もどうぞ)

          997年春。越前。都に戻る宣孝(佐々木蔵之介)に求婚され、驚愕のまひろ(吉高由里子)。    宣孝は「あの宋人と海を渡っても、忘れ得ぬ人からは逃げられまい」と、まひろの胸の内を見抜いている。「都人は思いを顔に出さない。お前はすぐ顔に出す。」  会話が哲学的で、一夫多妻であればこそ、自由に自立する女もあり得た〜と思えるところ。  まひろは「私は人を安心させたり、和ませたりする者ではない」と言い、宣孝は「自分が思う自分だけが自分ではない」と返す。「ありのままのお前を、丸ごと

        私の光る君へ〜大河ドラマ『光る君へ』27話・宿縁の命(見逃した方もどうぞ)

        • 私の光る君へ~大河「光る君へ」26話・いけにえの姫・雑感(見逃した方もどうぞ)

        • 私の光る君へ~大河「光る君へ」25話・決意・雑感(見逃した方もどうぞ)

        • 私の光る君へ~大河「光る君へ」第24話忘れ得ぬ人・雑感(見逃した人もどうぞ)

          私の光る君へ〜大河「光る君へ」第23話雪の舞う頃・雑感(見逃した方もどうぞ)

           996年。秋(でしょう)越前国府。 【この一連の話が、源氏物語の成立や紫式部の人生に、どう必要があるのか⁈人気・実力ともに高い、松下洪平を投入する意味が、どうにも分からない。が、源光雅の台詞によって、当時の東アジアの中の日本が見えて、今回も、愚痴っぽい発信。こっちの玉置さんもいい。】  通辞・三国(安井順平)殺人事件の続き。「朱様(浩歌)は三国を殺していない」と日本語で主張する周明(松下洸平)に驚くまひろ(吉高由里子)と国守・為時(岸谷五朗)。周明が連れてきた下人は、介・

          私の光る君へ〜大河「光る君へ」第23話雪の舞う頃・雑感(見逃した方もどうぞ)

          私の光る君へ~大河「光る君へ」第22話・越前の出会い~雑感(見逃した方もどうぞ)

           996年、初秋。前年の8月に、若狭湾に漂着した70人の宋人は、松原客館に収容されていた。彼らは、越前での商取引を求めていて、宋とは正式な国交がない日本には、難しい外交問題だった。    映像は、海から浜と松原へ。為時(岸谷五朗)が朱塗りの扉を開ける。  大勢の宋語の喧騒。為時が宋語で呼びかけ、オウムが鳴いて、宋人たちは静まり、朱仁聡(ヂュレンツォン・浩歌)が長らしい佇まいで現れ、「あなたは誰か」と問う。為時が宋語で「新任の国守である」と答える。  都から離れ、いかにも

          私の光る君へ~大河「光る君へ」第22話・越前の出会い~雑感(見逃した方もどうぞ)

          私の光る君へ〜大河『光る君へ』第21話旅立ち〜雑感(見逃した方もどうぞ)

           今回は『枕草子』成立秘話。大変美しい、情趣に満ち、清少納言(ファーストサマーウイカ)の心に泣く、傑作です。ぜひ、御覧ください。  21話全体は、記録に沿いつつ、登場人物の有様がそうであろう、そうであってほしい、現実感に満ちて、魅力的です。    996年5月1日。検非違使たちが、伊周(三浦翔平)捕縛の為、土足で二条邸に踏み込む。定子(高畑充希)は、混乱し髪を切る。(平安女性の出家姿は「尼削ぎ」というセミロング。)  前栽から飛び出しそうな清少納言を、まひろ(吉高由里子)は懸

          私の光る君へ〜大河『光る君へ』第21話旅立ち〜雑感(見逃した方もどうぞ)

          私の光る君へ〜大河『光る君へ』20話「望みの先に」雑感(見逃した方もどうぞ)

          996年正月。藤原斉信(金田哲)邸前。藤原伊周(三浦翔平)の勘違いから、弟・隆家(竜星涼)が、花山院(本郷奏多)の牛車に矢を放つ。従者達が乱闘し、死者が出る。院は【出家の身で女性にお忍びを恥じ】「私はここにいない」を繰り返すが、これを好機とした斉信は、騒ぎを助長し、道長(柄本佑)の下に出向き「これで、伊周と隆家は終わりだな」と言い、道長を不快にさせている。〜タイトル〜    今回は三つの流れが、入り混じり、伏線ともなる演出。  ①伊周・隆家と、中宮定子のさしあたりの動き

          私の光る君へ〜大河『光る君へ』20話「望みの先に」雑感(見逃した方もどうぞ)

          私の光る君へ〜大河「光る君へ」第19回放たれた矢〜雑感(見逃した方もどうぞ)

           (まだ)995年、内覧宣下の1か月後に、道長(柄本佑)は右大臣・事実上の最高位となる。一条帝(塩野瑛久)に、関白への真意を問われ、「陣定に出ない、関白にはならず…私は公卿たちの顔を見て、声を聴き、共に考えたい」と。「今までの関白とは異なる道を行くのだな」と確認され、「異なる道を歩みます」と凛として答える。タイトル。    まひろ(吉高由里子)は白居易『新楽府』を写し、乳母のいと(信川清順)が、「そんなことより婿を」と言うところに、肥前のさわ(野村真純)から「婿を取った」とい

          私の光る君へ〜大河「光る君へ」第19回放たれた矢〜雑感(見逃した方もどうぞ)

          私の光る君へ〜大河「光る君へ」第18回〈岐路〉〜雑感(見逃した方もどうぞ)

           (まだ)995年。まひろ(吉高由里子)の未来の夫、藤原宣孝(佐々木蔵之介)が5年ぶりに遠い筑紫の国から帰ってきた。父・為時(岸谷五朗)には唐の酒、まひろには、唐の紅。ああ~これが「からくれない」か。薬指で紅を指す、まひろの所作は色香がある(^^♪  遣唐使が廃止されても、宋の国とは、文物の交流が盛んで、他にもお土産たくさん。身分を問わず受けられ、高官にも上れるという、「科挙」の話を聞き、まひろは行ってみたくなります。きっと直秀(毎熊克哉)の「一緒に行くか」がまだ胸に残ってい

          私の光る君へ〜大河「光る君へ」第18回〈岐路〉〜雑感(見逃した方もどうぞ)

          〜訂正・大河『光る君へ』第17回「うつろい」雑感(見逃した方もどうぞ)〜

           994年。都は、疫病のまん延で惨状を窮めています。生死の境から戻った、まひろ(吉高由里子)が、スッキリと庭を眺める場面から、始まります。  乙丸(矢部太郎)はそんな「姫様」を見て、嬉しくて、悲田院からまひろを連れ帰り、一晩中看護したのが、大納言道長様(柄本佑)だと、教えてしまいます。  回想で、柄本・道長、渾身の「逝くな、戻ってこい❢」の声。で、タイトル。  内裏では、道長が、兄で関白の道隆(井浦新)に、悲田院の惨状を伝え、新たな対策を❢と訴えますが、「お前は道兼と組

          〜訂正・大河『光る君へ』第17回「うつろい」雑感(見逃した方もどうぞ)〜

          私の光る君へ16

          〜大河ドラマ『光る君へ』第16回「華の影」雑感{見逃してる方もどうぞ)〜   第16回の出だしは、前回と同じ993年。  まひろ(吉高由里子)は、石山寺への旅の帰途、道綱(上地雄輔)がさわ(野村麻純)をまひろに間違えて、夜に忍び込んだこと、それがさわを傷つけたことを知ります。が、それよりも、道綱母(財前直見)の述懐「私は書くことで悲しみを救いました。」の言葉に啓示を受けて、墨をすりつつ考えています。はて?何を書けば?  そろそろ紫式部先生の魂が降臨するはずです。頑張れ❢  

          私の光る君へ16

          私の光る君へ15

          〜大河ドラマ『光る君へ』第15回「おごれる者」雑感〜  今回の白眉は、一にも二にも、「道綱母先生」とまひろの対面です✨  二人が並んでいると考えただけで、国文学を学んだものとしては、感激で胸がいっぱいです。まひろちゃんもそうに違いありません。 「妾の哀しみを癒すために書いた」という、有り難い、胸にくる言葉もいただきました。 「あの人(兼家)は、私の日記が広まるのを少しも嫌がらなかった」という言葉も、伏線的に大事でしょう。  兼家と道綱母との関係は、道長と紫式部の関係に相似にな

          私の光る君へ15

          私の光る君へ14

          〜大河ドラマ『光る君へ』第14話「星落ちてなお」雑感〜  今回もまだ990年です。  まひろは土御門邸で、道長と四年ぶりの再会をします。柄本・道長のもの凄い顔は、驚き以上の顔で、その後の妻、黒木・倫子、まだ幼い彰子への反応も、とても変です。倫子さん、毎度毎度、こんな反応なのに、道長のことを随分面倒みてくれて、彼の出世も彼女のおかげなのだから、大変りっぱな、或いはスゴイ女性です。彼の兄、道隆の妻、高階貴子(演・板谷由夏)もスゴイ女性ですから、東三条殿の男性たちは、皆、なかなかス

          私の光る君へ14

          私の光る君へ13

          〜大河ドラマ『光る君』「進むべき道」雑感〜  西暦990年、一条天皇元服(10歳)、定子入内(13歳)。この天皇の短い生涯の中に、「枕草子」「源氏物語」の制作と完成があり、一条四納言の活躍もあります。平安時代の頂点が、この30年程だったとも言えるのではないでしょうか。  一応西暦1000年頃と言われている、『源氏物語』成立まで、後10年ということになります。紫式部はこれから結婚、出産、子育て、夫の死、を体験し、今だに謎に包まれたままの、彼女がいつどんな思いで、『源氏物語』を書

          私の光る君へ13

          私の光る君へ12

          〜大河ドラマ『光る君へ』第12回「思いの果て」について思いつくままに〜  986年、ドラマ開始に西暦。966年生まれの藤原道長は二十歳。平民のなりをして、我が家を嘲笑う散楽をボーっと見ていた少年も「己の宿命」に気付く時が来てしまったようです。    為時(演・岸谷五朗)は、高倉の妾(なつめ・演・藤倉みのり)を甲斐甲斐しく看病している。学識があり一旦は天皇の教育係にまで上りながら、優し過ぎ真面目過ぎ、出世欲の薄い父親の下、まひろは大変苦労してます。紫式部先生の18歳(くらい)当

          私の光る君へ12