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私の光る君へ〜大河「光る君へ」第23話雪の舞う頃・雑感(見逃した方もどうぞ)

 996年。秋(でしょう)越前国府。
【この一連の話が、源氏物語の成立や紫式部の人生に、どう必要があるのか⁈人気・実力ともに高い、松下洪平を投入する意味が、どうにも分からない。が、源光雅の台詞によって、当時の東アジアの中の日本が見えて、今回も、愚痴っぽい発信。こっちの玉置さんもいい。】

 通辞・三国(安井順平)殺人事件の続き。「朱様(浩歌)は三国を殺していない」と日本語で主張する周明(松下洸平)に驚くまひろ(吉高由里子)と国守・為時(岸谷五朗)。周明が連れてきた下人は、介・源光雅(玉置孝匡)に朱が殺したと言えと脅されていたと言い、真犯人は武生の商人・早成(金子岳憲)と言う。タイトル。

 早成は、為時の前に引き据えられ、三国に朱との仲介を頼み、法外な金を要求され、掴みかかった勢いで殺してしまったと言う。
 光雅に為時が問いただすと、宋人たちが莫大な贅沢品を持ち込んでおり、それを物欲の強い公卿たちに売りつけて、交易の道を開こうとしている、と語る。都から為時が来るまでの彼らの態度は、日本を一段低く見下し、光雅ら地方役人を取るに足らぬ者として扱ったと、悔しそうに話す。
 為時は、光雅の話に、一端の真実があると見、彼に諭すように謹慎を命じる。
 
 朱は、為時に「越前を足掛かりとした、日本と宋の交易を成立させよと、命じられて来た。果たさなければ、帰国できない。」と語る。
 一方、まひろは周明に、なぜ日本語が話せるか、問う。周明は、対馬の生まれで口減らしの為に、父親から海に捨てられ、宋船に拾われたが、牛馬の如くこき使われ、ある時逃げ出し、いい人の薬師に拾ってもらい、薬師の技を身に着けた、という。朱もいい人だとも。
 まひろは、夢見る乙女のように、宋の国への憧れを語る。周明は「俺を信じるな」と言っているのに、中国語講座が始まる。

【蛇足:近代でも、子供は労働力で、漁師ならば12歳は働き手。口減らしの、人身売買や、奉公は、7~8歳で行われたはず。周明の嘘ではなく、どこか歴史の常識が足りない。生活に余裕が出て、万民の自由の範囲が広がると、子供の数が減少する。現代の文明諸国が抱える悩みだ。】

 冬。火鉢を囲む二人。珠玉のラブシーン。【女が紫式部でないなら…】
 外は雪。風邪をひくな。風邪をひいたら直して。指の間を針で刺す。こんなところ刺したら痛そう。だから風邪をひくな。

ここにかく 日野の杉むらうづむ雪 小塩の松に 今日やまがへる

 歌だと紫式部の心は京都方向。
 内裏。道長も雪を見て、越前を思っている(…顔を見ればわかるの…)。
 帝は、行成書写の古今集(今あれば国宝)を出し、行成(渡辺大知)に、定子が紀貫之の歌が好きだったと語る。楽しい頃の悲しい歌。たった1年の急変。
夢路にも露や置くらむ夜もすがらかよへる袖のひちてかわかぬ

 帝が行成を揺さぶるか。それでも「中宮様は出家なされましてございます」という、行成。皇室では、それほど、突然の出家はご法度だった。
 行成は、胸が張り裂けそうと、道長に報告するが「頭を冷やせ」と一喝。
「聡明な帝は、行成の優しさを見抜いて…蔵人の頭はもっと冷静に。」と。忠告する道長が、一段降りて行成に寄り添うのがいい。

 土御門邸。夫妻の寝室、道長と倫子。
 帝が、二人の女御に会いもしないと、耳に入っている倫子。帝の母(吉田羊)もいる、この邸で、管弦の会をすれば、と倫子の提案。「頼もしいのう」。倫子の政治力強し。
 元子が琴。帝が笛。ところが合奏の途中で、帝は笛を止めてしまう。定子との合奏を思い出したのだろう。

 帝の母・皇太后詮子は、「帝の定子への思いは熱病のよう」と言い、姉弟の父・兼家嫌いの夫・円融帝に愛されなかった自らと比べ「全くわからない」。
 「お前わかる⁈」と言われた道長は、唯一の身内とも言える姉の言葉につい「妻は二人おりますが、心は違う女を求めております…もう終わったことです…振られました…良い女でございました」などと、すっかり姉をわくわくさせてしまう。(吉田羊さんのほっこりタイム。)

 高階邸。定子(高畑充希が『枕草子』を朗読している。控える清少納言(ウイカ)。喪中のため、二人とも白い衣装。「うつくしきもの」
鶏のひなの、足高に、白うをかしげに、衣短かなるさまして、ひよひよとかしましう鳴きて、人のしりさきに立たちて歩くも、をかし。また、親の、ともに連れて立ちて走るも、みなうつくし。
 懐妊中の定子にはぴったりの文で、清少納言の優しさが胸に染みる、声に出して読みたい日本語。
  この草紙がなければ生きられなかったと、清少納言に礼を言う定子。懐かしい輝ける日々。「あの頃がそなたの心でいきいきと残っているなら、私もうれしい。」「しっかりと残っております。」と答える清少納言。翌朝、姫皇子誕生。
 喜ぶ帝。胸はいっぱい。じっとしていられない。

 内裏の梨壺。道長のもう一人の甥、東宮・居貞親王(帝の4歳上の従兄・木村達成)。3歳の敦明親王。御二人とも大事な伏線。清明(ユースケ)は、自分の子が皇統を継ぐと思っている居貞に、そうではないことを、予見する。

 997年。春。越前国守の館。
 為時は、自分の無役が続いたために、まひろに婿が選べなかったと謝る。そして、「周明は良い男だ」と言うが、まひろは「そんなことはない」と言う。「好きにせよ」。
 浜辺を歩く二人。つがいのかもめ。
 周明に「宋の人達は、故郷や身寄りは恋しくないのか」問うまひろ。周明は「朝廷が正式の交易を認めなければ帰れない。」と答える。
 まひろは「あの人は何故そんなに頑ななのかしら」と言い、あの人とは左大臣で、自分は知り合いだとまで言う。アレレッ⁈

 そこへ都から到着した宣孝(佐々木蔵之介)が、声をかけて来る。
 京土産は、化粧油と玄怪録。まひろは巻物を鼻に寄せ「都の香りがいたします♪」【まひろは都が大好き。視聴者は民俗学のお勉強~】
 まひろに教えられ、金属スプーンでウニを食べ、楽しそうな宣孝。
「お前と会うと別の世界が見える…未来が見える。まだまだ生きていたいと思ってしまう。」琵琶の演奏も。

 まひろの言葉から、周明はまひろが左大臣の愛人かもしれない、と朱に告げる。そして、交易がうまく行ったら、自分を宰相の薬師にしてほしい、と頼む。朱はお前を信じる、やってみよ、と言う。

 宣孝は二泊三日で帰る。役所には物詣と言ってきた、とのこと。物詣は【有給】らしい。見送るまひろに、
「都に戻ってこい。わしの妻になれ。」
【なんとか話は進む。松下君投入で越前編を盛り上げ、一旦姿を消すのでまだ出るかな~来週は帝が動きます~】


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