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私の光る君へ~大河「光る君へ」25話・決意・雑感(見逃した方もどうぞ)

 997年、冬。越前。日本昔話のような村長の声で始まり。
「この村の者は、秋には男が山で雁皮を取り、冬には女が紙を漉きます。」雪降る中、為時(岸谷五朗)はまひろ(吉高由里子)を連れ、国守として紙漉き作業の見学。「これが越前が誇る紙漉きの技か~大いに励め」越前和紙の美しさにときめくまひろ。タイトル
 
 為時は、租税の紙が多いことを不審に思い、村長に余分を返そうとする。しかし、流通方法を持たない村長たちは、役人の手を借りて、紙を売りさばく必要があるのだ。
 為時は何もわかっていなかった自分を知り、「清濁併せ呑む、宣孝殿(佐々木蔵之介)だから、まひろの心を捉えたか」と言う。まひろは、まだ捉えられてはいない、と答えるが、宣孝の恋文がマメに届いていた。為時は直接会って確かめよと言い、まひろは都に戻ることにする。ただし、宣孝は多くの女を慈しんでいる、ことも忘れるなとも。
 琵琶湖を渡るまひろの乗る舟。乙丸の傍らに女。
「私は誰を思って都に帰るのだろう。」=まだそれ❢
磯がくれ おなじ心に たづぞ鳴く なが思じ出づる 人やたれぞも

 都に到着。弟・惟規(高杉真宙)と、乳母・いと(信川清順)に、いとの恋人・福丸(勢登健雄)もおり、乙丸(矢部太郎)は越前から、きぬ(蔵下穂波)という娘もついて来ていて、賑やかな邸。そこへ宣孝も、まひろの到着を祝おうとやって来る。宣孝の謡いが意味深。惟規の焦った顔。

 998年正月。帝(塩野瑛久)に、安倍晴明(ユースケ)が、新年の通常の挨拶。
 しかし道長(柄本佑)は、晴明を自分の執務室に呼び、晴明の内心を問う。
  清明は、凶事が続くと予言する。道長が「地震か疫病か火事か日食か嵐か大水か、いずれか」と尋ね、清明は「それら全て」と言う。「災いの根本を除かなければ何をしても無駄、帝を諫められるのは左大臣様だけ」。
 道長が、何をせよと言っているのか問うと、「お宝を使いなさい」と答えて去る晴明。ヒント足りない⁇
 
 定子(高畑充希)に溺れ、政を疎かにする帝。【世の持て悩みぐさ】
 鴨川の堤の修繕の勅許を焦る道長。急ぐことはないと、蔵人の頭・行成(渡辺大知)に言わせる帝、職御曹司から出てこない。
 行成は、帝の母・女院詮子(吉田羊)をあてにしたが、詮子は病が重篤な様子。とうとう行成は、職御曹司の帝のいる、定子の寝所近くまで行く。「こんなところまで、無礼だぞ❢」と激怒する帝。可愛そうな行成。困り果てる道長。

 大赦によって定子の兄・伊周(三浦翔平)が戻り、『枕草子』を褒め、これを宮中に広めようと提案し、戸惑う清少納言(ウイカ)に続きを書くように命じる。
 実資(秋山竜次)も、帝の有様に憤懣遣る方なく、日記に書きつける。実資の口癖「すべし」を覚えた、オウム。宋人から買ったかな…

 晴明の予言通り、次々と災害が起こる。豪雨による鴨川の堤防決壊。
【70年後の白河帝が『加茂河の水、双六の賽、山法師、是ぞわが心に叶わぬもの』と言った程、鴨川は暴れ川だった。】

【7月か?】内裏、陣定の部屋。大雨。お菓子でほっこり、道長兄・大納言・道綱(上地雄輔/心配で参内かも…)。「中宮が職御曹司に入ってからろくなことはない、しっかり帝に意見しろと、左大臣様に言ってください」と参議二人(米村拓彰、佐古井隆之)に言われている、道長従兄・右大臣・顕光(宮川一朗太)。
 
 垂纓(すいえい)冠の似合う佑の横顔で、場面転換。こちらも垂纓冠が美しい町田啓太・藤原公任の横笛を吹く姿、二人とも自髪で髷を結って、顔がきりりと引き締まる。
 
 帝と中宮が手をつないで座し、伊周が控える。公任が下二句を出し、清少納言が上三句を継いだ短連歌、の思い出話。夏で雨ですが…。
 本歌は白居易。清少納言の教養、機転。
空寒み花にまがへて散る雪に少し春ある心地こそすれ
三時雲冷多飛雪 二月山寒少有春【白居易・南秦雪の七言律詩の二連目】

 そこへ左大臣道長がやって来る。帯剣のままの覚悟を察すべき所を「ここで政の話はせぬ」という帝、わかってない…。「一昨日の雨で、鴨川の堤が崩れ、多くの者の命が失われ、家や田畑が流されました…その罪は極めて重くこのまま左大臣の職を続けていくことはできぬと存じます。」
 帝は、ならぬ、叔父・重臣・帝を導き支えるべき人として、道長以外いないと言うが。道長はさらに「御上のお許しなく、勝手に政を進めるわけにはいかず、その迷いが此度の失態に繫がりました。これ以上は無理にございます。どうかお許しくださいませ。」涙を浮かべて言い募る。
 帝は「此度の事は、朕が悪かった。許せ、左大臣。」と言うが、辞表は蔵人の頭・行成に預けたと、道長は去る。ナレーション=道長は三度辞表を提出。この間カメラは、伊周と公任の顔も何度か写すが、道長の立場になる可能性のあった二人故、三浦・町田両俳優の目の演技も見所。

 実際の道長はひどい腰痛で、この998年3月三度辞表を出し、三度慰留されたことが、行成の日記=『権記』に記載。
名文なので↓
「臣、声もとより浅薄にして、才知は荒蕪たり。偏に母后の同胞たるを以て、次ならず昇進す。また父祖の余慶に因りて、匪徳にして登用される」

 為時邸。まひろ姫自ら、大水の後片づけ。よく働く福丸に感心するまひろに、いとは「私の言うことをきく、この人が尊いのです」と、現代にも通じる一つの真理を教える。
 きぬは越前の海女で、乙丸がまひろの為にウニを求めに行って、イイ仲になったと…。

 8月27日小除目、宣孝が山城守を兼任。山城は京都府のほとんど≒都知事⁈~宣孝は使える男だった。
 9月1日また大水。
 内裏。道長は、川岸の検分から戻った所に、宣孝が山城守拝命の挨拶にくる。宣孝は、為時と親戚で為時が越前で無事に働いていること、そして為時の娘が夫を持つと、自分勝手に報告する。

 道長は、平静を装い「それはめでたいことであった」と返答。黙ってニコニコする宣孝に、道長「なんだ?」。宣孝すかさず「実は私なのでございます」道長「何が私なのだ?」。宣孝、どこか子供じみた笑顔で「為時の娘の夫にございます」。一瞬手に力が入った道長だが笑顔で「それは何より」と応じる。(コイツ、俺とまひろのことをシッテルナ)

 まひろは、道長の苦衷に呼応するように、白氏文集を読んでいる。「君の耳はただ聞こえず、君の目は見えず、」
 そこへ内裏から直行の宣孝。余計な報告を左大臣にしたことを、今度はまひろに報告。「お帰り下さい。」「また叱られた」と楽しそうに帰る宣孝。
 泣き出しそうなまひろ。
 内裏の道長も考え事。でも、忙しいから⁈帰宅せず。

 まひろの家に、大きなつづら入りの祝いを配下に持たせて、百舌彦がやって来る。百舌彦が差し出す文は、道長の文字ではない…
 まひろは、乙丸に竜胆を添えた文を持たせる。
 夜、宣孝が訪れる。
「私は不実な女でございますが、それでもよろしゅうございますか」
「わしも不実である、あいこじゃ」
 翌日は日食。えっ⁈

 史実を適当にオブラートにした、恋愛ドラマと覚悟した私。
 来週もドロドロ。
 



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