私の光る君へ~大河「光る君へ」26話・いけにえの姫・雑感(見逃した方もどうぞ)
長徳四年(998)年10月1日.日触の最中に、都を地震が襲った。
日蝕の画像と地鳴りで開始。
まひろ(吉高由里子)の家は、夫となった宣孝(佐々木蔵之介)の力で修繕が進んでいた。いと(信川清順)は、宣孝の財力に驚きながら、地震の時まひろをかばった姿にも感動していた。
そこへ宣孝が、鏡の贈り物を持って現れ、新婚さんらしいやりとり。
字幕
10月3日。地震と日蝕についての「天文密奏」【天文博士から、異常気象の原因を占いで知らせるもので、天皇以外は見てはならないもの】を見て、
「朕のせいなのか」とつぶやく一条帝(塩野瑛久)。目の下に隈。
10月9日。部下・恒方(尾倉ケント)から、死者が100人を超えるという報告を受け、堤の補修など指示を出す道長(柄本佑)。こちらも目の下に隈。【平安時代の日本の人口は約600万人、平安京は約10万人だったらしい】※恒方、黒い袍だから四位以上なのに姓がない…気になる…
道長は、安倍晴明(ユースケ)の所に行き、「天変地異は帝の御心の乱れが治まれば治まる。その為には道長の娘・彰子様(見上愛)を入内させるしかない。出家とは片足をあの世に踏み込むこと…彰子様がこれからの朝廷を背負って立つ要…入内は彰子様の宿命…」と強く進言される。雷鳴。
困った道長は、彰子入内の可否を姉・帝の母・詮子(吉田羊)に相談するが、「お前はずっと綺麗なところにいる。…血を流す時が来たということよ。」と言われる。
そこへ子供たちと嫡妻・倫子(黒木華)もきて、一家団欒になりかけて、道長の気配の重さにすぐ下がる。父に声かけられても、返事のできない彰子のつかみどころのなさが目立つ。三上愛の黙ったまま幼い演技が秀逸。
夜、道長の過労を案じる倫子に、道長は彰子入内の話を持ち出す。帝を捉えて放さぬ中宮定子(高畑充希)に「勝負は見えている」と倫子。「これは勝負ではない、いけにえだ。…私は左大臣で、彰子は左大臣の娘だ。」「許せ」と頭を下げる道長。「私を殺してからになさいませ。」と倫子。
怒った倫子は、夜着のまま母・ 穆子(石野真子)の部屋に行き、「入内したから、必ず不幸になるとは限らない。」と言って聞かされる。
改元の相談を、中納言・実資(秋山竜次)にする道長。藤原氏の本流、一流の学識者の実資をここで立てて、礼を尽くす、政治。道長、こういう人だったらしい。
実資は道長に、帝の御運の為に、彰子入内を勧める。夜、日記にそれを書きつけながら、自分で半信半疑の実資。オウムが「ないない」。
道長は彰子に、入内の話をする。「驚かないのか」「母は反対である」「この国の全ての女子の上に立つ」いかなる問いかけにも、「仰せのままに」しか言わない彰子。困り果てる道長。
自責の念から体調を崩した一条帝は、蔵人頭として看病をする藤原行成(渡辺大知)に、譲位して定子と暮らしたい〜賢いはずの18歳〜と洩らす。
行成は「今のままの退位では、中宮様と脩子様の立場が悪いまま…政に専念する姿を皆に…皇子を残さなければ、父・円融院の血統が絶える。」と説得。
帝は思いとどまるが、わが皇子は定子が産まねばならぬと、言う。
それを道長に報告し、彼も彰子の入内を勧める。行成に力添えを
頼む道長、前より「暗躍」顔。
明けて長保元(999)年。正月。
懲りない19歳の帝、定子を内裏に呼び寄せた。秘密のつもりが秘密になるわけもない。
少し春めいた清明の庭。道長は、定子懐妊と、11月の皇子の誕生を知らされる道長。「彰子は幸せになれるのであろうか」「私の使命は一国の命運を見定めること。人一人の幸せなど相知らぬこと…」晴明カッコイイ❢
「わかった〜中宮の出産に合わせ、彰子を入内させよう…良い日を占え」音楽、暗躍感たっぷり。
土御門邸。11月1日を彰子入内と、倫子に告げる道長。倫子は、定子の懐妊を気にするが、そうであっても入内は決行と言う道長。
「もしご懐妊であれば、そのお子を呪詛し奉って下さい。呪詛は殿のお家の得手でございましょう。」出た倫子砲❢
「呪詛などいらぬ。彰子が内裏も帝も清め奉る❢」
「殿の栄華の為ではなく、帝と内裏を清める為ならば私も肝を据えます…気弱なあの子が、力強き后となれますよう、私も命をかけます。」
道長は、彰子の入内を帝に奏上し、帝も断れるはずもなく、許可する。
「わが舅として末永くよろしく頼む。」
彰子は、2月9日、右大臣、内大臣、四納言、実資はじめ公卿居並ぶ中、裳着。腰結は叔母・帝の母・皇太后詮子。同11日に帝から従三位に叙せられる。
裳着の流れの四納言=俊賢(本田大輔)、公任(町田啓太)、斉信(金田哲)、行成、この時参議の飲み会。一番ボォーとしていた道長の三年程での飛躍。公任の評価通りなら有難い。「道長は己の為に生きておらぬ。」
定子に、彰子の裳着の報告をする兄・伊周(三浦翔平)。子供で挨拶もできない娘らしいから安心、と言う伊周に、「入内を受け入れるのは、朝廷の安寧を図る帝の御心の現れ」と窘める定子。「私にとって、中宮様は太陽、軽々しく近づくと、火傷します。」と清少納言。
孤児たちにむすびを配るまひろ。そこへきた宣孝は、汚らわしい、と言い、まひろが「食べなければ飢えて死ぬ」と言えば、「子供の命とはそういうものだ」と返す。
まひろの文を「持ち歩いてあちこちで見せておる」と言う宣孝に、まひろは激怒。今までの文を全て返せと言う。
宣孝が来なくなった。そこへ弟の惟規(高杉真宙)が来て、清水の市で、まひろより若い女に反物を買ってやっている宣孝を見た、という。
久しぶりに来訪した宣孝は、まひろに問いただされ、謝る。「せっかく久しぶりに来たのだ。もっと甘えてこぬか」しかし、まひろは「私は殿に甘えたことはございません」とそっけない返事。
これに宣孝は「そういうかわいげのないところに左大臣様も嫌気がさしたのではないか」。あぁ~それ逆鱗。火鉢の灰を投げつけるまひろ。灰だらけの宣孝の顔。
【源氏物語「真木柱」の真木柱の母と髭黒大将の件、のオマージュ⁈】
宣孝が本格的に来なくなる。いとが心配してまひろを諭す。
「思いを頂くだけ、己を貫くだけでは、誰とも寄り添えませぬ。」
迷路に迷い込んだまひろの思考。
いと、福丸(勢登健雄)、乙丸(矢部太郎)、きぬ(倉下穂波)を連れて、石山寺詣。紫式部の源氏物語執筆には大事な場所。
夜半、寺の回廊で一人きりのまひろ。輝く月の雫を背景に、大戸の音も効果的。ゆっくりと入ってきたのは、いつもの衣装の佑君。驚く顔もあの頃のまま。こうなりゃ、子だくさんの道長だなんて思いたくない❢
私は、紫式部が男女の愛のもつれを経験したから、源氏物語を書けたとは思っていません。
夫以外の男の子を生んだから、藤壺が書けたなんて、失礼だと思います。