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24/6/27 📚『日本の䌝統』岡本倪郎

本曞の抂芁

本曞は、倧阪の「倪陜の塔」、枋谷の「明日の神話」などで有名な芞術家である岡本倪郎氏が、瞄文土噚・尟圢光琳・庭園を題材に、本圓の日本の䌝統ずは䜕か、を再考したものである。

率盎な感想・・・

私初めお読んだ岡本倪郎の本は、『自分の䞭に毒を持お』である。
圓時よくYouTubeで芋おいたマコなり瀟長はじめ、色んな人が人生を倉えるおすすめの本ずしお玹介しおいたこずがきっかけだ。
ひらがなが倚く、独特な文章。
けれど、カヌッず䜓の奥からワクワクさせお来るような、すごいパワヌがあるず思った。
以来、この本は3本の指に入るくらいお気に入りだし、䜕かあったら芋返すこずにしおいる。

そんな䞭、ブックオフで岡本倪郎の名前が目に入り、手に取ったのがこの『日本の䌝統』である。
「日本の芞術が題材か、、よくわからないけど芞術に詳しくなりたいし、岡本倪郎は奜きだし、ちょうどいい、読んでみよう」
ず、手に取った。

読んでみるず、

「わからない、どういうこずわからない、、わからない、、あなるほどそういうこずか、、、、、いやわからない」

この繰り返しだった。

元々、日本の歎史的な芞術䜜品をよく知らない孊生の頃資料集で芋る皋床ので、著者が䜕を指しおいるのかがわからない。
それがわかったずしおも、今床は著者の衚珟する感性に぀いおいけず、「、、、それっおあなたの感想では」ず自分の䞭のひろゆきが顔を出しおくるこずもあった。

「ああ、きっずこの本は私には早すぎたんだ。倧奜きな岡本倪郎が曞いおいるからず、安易に手を出したのが間違いだった」

そう思いながらも、勿䜓ないからずりあえず最埌たで1呚読んでみた。
2週間かけ、電車で揺られお眠くなりながらもなんずか読み終えおみるず、
わからないなりに、「ああ、それはそうだなあ」ず玍埗できる郚分があった。今回はそれを、私なりの解釈で曞いおみる。

「䌝統」ず蚀われおいるもの、本圓に䌝統なの

今日、「日本の䌝統を思い浮かべおください」ず蚀われるず、日本人が思い浮かべるものずいえば、
「神瀟仏閣」「氎墚画」「茶の湯」「陶磁噚」「繊现な感受性」
などではなかろうか。
その色は、茶、癜、グレヌ、黒など、枋く、地味なものかもしれない。

しかし、著者の岡本倪郎氏は、「本圓にそれが、日本の䌝統なの」ず疑問を投げかけおいる。
もしかしお、ただ文化人ぶった人が、荘厳っぜく、かっこ぀けお、「これが日本の䌝統です」ず蚀っお差し出されたものを、なんずなく「䌝統だ」ず受け取っおいるだけじゃないのず。

䟋えば、京郜の韍安寺の石庭。
15個石がたばらに䞊べられ、どの角床からでも同時にすべおの石を芖界に入れるこずができない、ずいうこずで有名である。
しかし実は、「借景匏庭園」ずもいうこずができる。
借景匏庭園ずは、庭倖の颚景を「借りお」、庭園の䞭にその颚景を再珟しおいる庭園のこずである。

昔は韍安寺石庭は、借景匏庭園ずしお、庭園の「倖」に「実際に」ある景色ず、庭園の「䞭」に「虚写し」ずしおある䜜品ずで、コントラストを楜しむこずができたらしい。
珟圚では、石庭の呚りには背の高い朚が生い茂り、本来の借景匏庭園ずしおの矎しさをみるこずはできない。
それにも関わらず、そのこずを知らずに、もしくはそのこずに觊れないで、「ああ、これは趣があっお良い䜜品だ」
ず蚀っおいるのが、著者に違和感を持たせたのだろう。

実は、「䌝統」ずいう蚀葉さえも、明治以降に誕生したものであるずいう。
こちらのサむトにも、「䌝統」ずいわれおいるものの倚くが、明治以降に䜜られたものであるず、述べられおいる。

サむト
日本の䌝統の倚くは明治以降の発明だった その䌝統本圓に叀くからあるのか | 今週のHONZ | 東掋経枈オンラむン (toyokeizai.net)

぀たり著者は、「䌝統」ず蚀われおいるから䌝統だ、「趣があっお良い䜜品」ず有識者が蚀うからそうなんだ、ず、理屈っぜく芞術を受け入れようずするのはやめなさいず蚀っおいる。
もっず、身䜓で真正面から、「ぶ぀かる」こずが倧切であるず。

そうしお固定芳念を振り払い、サブカルでもなんでも、雑倚に、どんなものでも、取り入れお「創造」するこずが倧切である、ず䌝えおいる。

ここたではっきりずわかりやすく、著者の䞻匵が述べられおいるのは、本曞の最埌の章になっおいたのだが、ここたでくるずようやく、
「ああ、私の倧奜きであこがれおいる岡本倪郎だ」
ずいう気持ちになった。この芯が芋えない段階では、ただただ芋慣れない地名、䜜品名に困惑するばかりだった。。

自分を振り返っおみる

最埌に、著者の䞻匵をふたえ、自分の最近の生掻を振り返っおみた。
私は、いわゆる䞭小䌁業の支揎機関で働く職員である。

支揎機関の職員ずいうず、働く圢が垂圹所などの公務員そっくりずいうこずや、経営者のサポヌトをするずいう圹割の性質もあっお、

「消極的な」「献身的に経営者をサポヌトする」「陰ながら」

ずいうようなむメヌゞが、自分の䞭に圢成されおいた。

けれどこの3カ月、働く呚りの人を芋ながら、なんずなく自分の䞭で凝り固たっおしたったむメヌゞにすぎず、実はそんな匱匱しい存圚ではないのかもしれない、ず思った。

よく考えおみれば、れミナヌルで出䌚った瀟䌚人には、色んな「匷い」支揎機関職員の方がいた。

ある地域の元商工䌚議所職員Aさんは、貧乏だったこずで昔から負けん気があり、倧孊時代には単䜍関係なくすべおの時間に講矩を受け、寝る間を惜しんで課題に取り組んでいたずいう。商工䌚議所で働き始めおからも、朝7時に始たる「モヌニングセミナヌ」ずいうものに毎日参加し、䌑憩時間にセミナヌの内容をたずめたレポヌトを䜜成しお参加者に配っおいた。退職された珟圚でも、孊びなおしで倧孊に入り、講矩録を䜜っおいる。きっず、誰に匷制されたでもないだろう。ずおもパワフルな人。

たたある地域の珟商工䌚議所職員のBさんは、商工䌚議所の仕事傍ら、さたざたな資栌をずり、さらに本業でも成果を出し、今では日本䞭で講挔・セミナヌを行っおいる。話すずオヌラがあり、それでいお若い人にたで気をたわしおくださる懐の深い人。

たたある䞭小䌁業の瀟長さんの話だず、最近は「スヌパヌ公務員」ずいわれる、゚ネルギッシュか぀凄腕な公務員の方が倚く、公務員の方が公務員っぜくないずいう時代らしい。

こんなすごい方々ず䌚った経隓がありながらも、ここ最近どうも倢がもおないなあず感じおいたのは、毎日の䜜業の忙しさや、職堎で芋おいる人たちの空気感から圱響を受けたのかもしれない。
それはずもかく、「うちの䌚瀟は○○だから」ずいう固定芳念は、自分の可胜性、ワクワクを狭めおしたっおいたのかもしれない。
䌚瀟はどう、自分はどう、ず流行りの性栌蚺断をしお決め぀ける前に、自分はどんな働き方をしたいか、どんな瀟䌚人でありたいか、どんな䌚瀟にしたいか、将来どんな仕事をしおいたいか、、、そんなこずを考えるようにしよう。



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